内壁の一部を凹ませ、そこに飾り物を置いたり、収納スペースを設けたりしている部屋を見たことはありませんか? これは「ニッチ」と呼ばれる、西洋の建築における飾り棚のひとつ。もともとは花瓶のほか、聖像や聖画などを安置するための場所として使われていました。間接照明を利用するのに用いられた例もあるようです。
住宅にもこの「ニッチ」は取り入れられており、限られたスペースをおしゃれに有効活用する手法として注目を集めています。
しかし、「ニッチの活用の仕方が分からない」「ニッチをどこに設置するのがよいの?」と難しく感じる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「ニッチ」のおしゃれな活用事例を場所別で紹介。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
「ニッチ」とは?
ニッチとは、内壁の一部分を凹ませた部分のことで、飾り棚や収納スペースなどに利用されます。花や写真などのインテリアグッズなどを置いたり、照明を当てたりすることで、おしゃれな空間を演出することが可能です。生活空間を侵食することなく装飾や収納のためのスペースを確保できるという利点があります。
また、廊下やホール、リビング、水回りや玄関など、さまざまな場所に設置することが可能です。
リビング・ダイニングでの活用事例を紹介
まずは生活感の出やすいリビングやダイニングでの活用事例を紹介します。ニッチを取り入れることでワンランク上のくつろぎ空間を演出しているケースを集めました。
コントロールパネルをおしゃれに
コントロールパネルをニッチ内部にすべて設置しています。生活感が出やすい部分に「ニッチ」を取り入れることで、洗練された雰囲気になっています。棚板やスチールバーなどを設置することで、小物を置いたり、マガジンラックを設置したりすることも可能。狭いスペースをうまく活用し、おしゃれな空間を演出しています。
キッチンカウンターの裏側にもひと手間
キッチンカウンターの裏側の活用事例です。 使いづらいスペースを有効に使って飾り棚を設置。「ニッチ」があることで空間にリズムが生じ、ゆとりのあるインテリアを実現しています。
玄関での活用事例を紹介
「ニッチ」は、収納と装飾を兼ねたスペースとしても活用できます。便利でなおかつおしゃれな取り入れ方を見てみましょう。
キーフックを設置するスペースとして
玄関の白壁に「ニッチ」を設置し、鍵を置いておくスペースに。シンプルな構造で利便性が高く、鍵を忘れたりなくしたりするのを回避できるだけでなく、見た目もおしゃれです。
スリッパ収納
こちらは「ニッチ」にスリッパを収納するアイデア。スリッパはゲストを迎えるのに欠かせないアイテムですが、これなら狭い玄関でもスペースを取ることなく洗練された収納を実現できます。
キッチン・洗面所での活用事例を紹介
「ニッチ」を取り入れることで、キッチンがより便利で使いやすくなるケースもあります。家事へのモチベーションをアップさせるおしゃれさと収納を両立したキッチンの事例を紹介しましょう。
使いやすいスパイスニッチ
使いやすさを優先して調味料やキッチンツールなどをワークトップ上に広げてしまうと、ごちゃごちゃしてしまうだけでなく、作業スペースを狭くしてしまうことにもつながります。ワークトップに接する壁に「ニッチ」を取り入れることで、見た目がスッキリするだけでなく、使い勝手も向上し、作業効率が大幅にアップしそうです。
洗面所やトイレの活用事例を紹介
「もっと収納が欲しい!」「おしゃれな空間にしたいけれど、物を置くと部屋が狭くなりそう…」。洗面所やトイレなど水まわりの収納力と洗練度は、「ニッチ」を取り入れることで格段に向上できる場合があります。
水まわりのディスプレイ空間
洗面所は少しでも物を置くとごちゃごちゃした印象になり、狭くなってしまいます。その一方で、何もないと殺風景でなんだか物足りない印象に。「ニッチ」を取り入れグリーンを置くことで、余計なスペースを取ることなく、洗面所に彩りを与えることができます。
壁の厚みを利用したニッチ収納
収納を増やすために壁の厚みを利用してニッチを設置している事例です。収納ボックスなどを置いて洗面所が狭くなるのを回避し、収納力を大幅にアップさせてくれます。
よく使う物をニッチの棚に置いておくことで、使い勝手が良くなり、さらに見せる収納できちんと感を演出できるのがポイントです。
まとめ
今回はニッチの活用事例を場所ごとに紹介しました。使い方や見せ方が多彩で、おしゃれさや収納力の可能性を広げてくれる「ニッチ」。インテリアを楽しみながら、より豊かな生活を送るために積極的に活用してみてはいかがでしょうか?
画像提供元:鈴木工務店