今年も夏のボーナスシーズンが到来しました。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により経済的な打撃を受けた企業が多く、大手企業でもボーナスのカットや見送りが相次いで話題となっています。そんななか、住宅ローンを「ボーナス払いあり」で返済中の人にとって、ボーナスの減額は死活問題ではないでしょうか。
ボーナス払いを選択している人は約4割。関西ではボーナス払いは少数派
株式会社MFSが、「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響」に関するアンケート調査を実施。現在住宅ローンを返済中の人のうち「ボーナス払い」を選択している人の割合を調べたところ、37.7%という結果に。ただし、関西(三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)ではボーナス払いを選択している人が他の地域に比べて少なく、21.1%にとどまりました。ボーナス払いを選択すれば、ボーナス時に他の月よりも多く住宅ローンを返済することで、月々の支払額を軽減することができます。しかし関西では、ボーナスに依存しない家計プランを持つ世帯が多いことが見受けられます。
ボーナスが減りそうな業種ベスト3は「製造」「サービス」「飲食」
新型コロナウイルスによる経済的打撃により、この夏のボーナスが減額されると考えられる業種についても調査しました。ボーナスカットを予想している人が多い業種は「製造業」が47.8%と最多で、以下「サービス業」が40.4%、「飲食業」が40%という結果に。4番目に「医療・介護」の36.2%が挙がり、新型コロナウイルスの感染を恐れて受診控えが起こり、医療機関の経営にも影響を与えていることが伺えました。
年代別で見ると、若い年代ほど「ボーナスが減る」と予想している人が多く、危機感を持っていることがわかりました。
30代の約2人に1人がボーナス払いに不安を覚え、対策を検討・実行
ボーナス払いを選択している人に、現在の新型コロナウイルスの状況を受け、ボーナス払いについて検討・もしくは実行したことがあるか聞いたところ、何かしらの対応をした人は全体の3割にも満たないという結果に。対応方法として最も多かったのが「借入先の金融期間への相談」が11.2%、以下「FPや専門家に相談」が6.7%、「他金融機関への借り換え」が4.9%となりました。
年代別にボーナス払いに対する行動を見てみると、世代間で大きな差が見られました。50代で何かしらの対応を検討・実行した人はわずか6.7%、40代で13.4%と少数派ですが、30代に関しては45.7%もの人がボーナス払いに対して何らかの対策を考えたことがわかります。ここでも、若い世代ほどボーナス払いに対して危機感を持っていることがみてとれます。
30代の約3人に1人が、ボーナス払いの選択を後悔
ボーナス払いを選択して住宅ローンを返済中の人々は、その返済方法に納得しているのでしょうか。調査の結果、ボーナス払いを後悔している人が14.3%という結果でした。
年代別で見ると、30代が28.4%の人が後悔している一方、40代は6%、50代は6.7%と後悔している人は少数派という結果に。
ボーナス払いを選んだ理由は「毎月の返済額を減らしたかったから」という回答が60.5%で圧倒的に多く、次いで「定年までに住宅ローンを返済したかったから」が24.2%でした。
まとめ
住宅ローン利用者の中には「借金である住宅ローンは早く返した方が良い」という考えを持ち、ボーナス返済で早めの完済を目指す人が少なくありません。しかし、ギリギリの返済計画を立ててしまうと、今回の新型コロナウイルスによる経済の悪化のようなイレギュラーな事態に対応できない可能性があります。
手元に現金があれば、急な収入減や出費にも対応することができ、教育ローンやカードローンなど住宅ローンの金利よりも高いローンを利用する必要も減りますし、もし手元に資金が余るようであれば、必要に応じて繰上げ返済をして返済期間を短縮することも可能です。「ボーナス払いがつらい」と感じたら、現在の借り入れ状況を見直してみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響に関するアンケート調査」
調査対象:現在ご家庭で住宅ローン返済中の30〜50代男女592名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
実施期間:2020年6月17日~22日
実施機関:株式会社MFS