新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人が在宅勤務を経験しました。なかでも、仕事と家事、子どもがいれば育児も両立する「働く主婦」は、在宅勤務について何を思い、今後はどのような展開を期待しているのでしょうか。
74%の働く主婦が、在宅勤務が広まれば「育児しながら働く人が増える」
しゅふJOB総研が、「コロナ禍と在宅勤務」をテーマとし、働く主婦層にアンケート調査を実施。在宅勤務が一般的な働き方として広まった場合、仕事環境にはどのような変化が起きると思うか問うと、74%の人が「育児しながら働く人が増える」と回答。以下「介護しながら働く人が増える」「ウイルス感染などが広がっても働き続けることができる」がともに60.6%、「夫が転勤しても仕事を継続できる」が46.4%、「どこでも仕事ができるため、地方に住む人が増える」が41.6%、「遠隔地の仕事にも応募しやすくなり就職しやすくなる」が41.4%という結果に。今までは働くことが難しい状況だった人も、在宅勤務という選択肢が増えることで働きやすくなり、住む場所にも影響されず仕事に就ける可能性に期待する様子が伺えます。
在宅勤務はアリ? ナシ? 否定派の意見
コロナ禍による仕事環境の変化について、思うことを自由回答で聞くと、否定派と肯定派のそれぞれから意見が寄せられました。否定派の意見として多く挙がったのが、育児と両立する難しさでした。
・在宅でも勤務中という事が家族に認識しづらい部分があり、仕事の効率はあまり良くない
・子どもが休園で、在宅ワークをしながらの育児となり、効率が1/6くらいに落ちた
・コロナ禍の在宅勤務と、通常時の在宅勤務は全く別物。保育園や学校が休校になり、子どもを見ながら行う仕事の生産性は、通常の在宅勤務時と全く異なる
・育児と同時進行は辛すぎるので、通勤したほうが楽だと思うことが何度もあった
家族が一つ屋根の下で過ごす時間が増えたことで、窮屈な思いをしている人も多いようです。
・夫が家にいることで3食用意し、炊事や家事が増えて仕事がはかどらない時がある。夫婦で在宅勤務になると、仕事場が足りない
・在宅勤務によって、家族関係が悪くなった。在宅が可能だからといって、全てが良好になる家族ばかりではない
自宅の環境的に、在宅勤務の難しさを感じている人も少なくありません。
・webカメラを使用する時、写り込み背景や家の中の音声、家の付近の雑音が非常に厳しい
・在宅する上で、業務スキル以外のPC環境やコンピューターシステムの知識や経験が不可欠になる。ネットの接続状況やセキュリティ環境の設定など、自分で問題可決できないといけない
また、職種によってはそもそも在宅勤務が難しいという声もありました。
・医療機関勤務なので、コロナ禍での変化は時差出勤が認められたくらい
・在宅でできないことはないが、できれば出勤したほうがよい職種のため、宣言下の期間中も全日出勤した
・お客さまの元に出向いて仕事をしている。リモートワークが世の中の主流となったら、私の仕事はなくなってしまう
在宅勤務はアリ! 肯定派の理由とは?
一方、在宅勤務肯定派の意見として多かったのは、時間的にゆとりが生まれたという声でした。
・朝夕の通勤時間や満員電車はストレスしかない。通勤時間が無い分、家事にゆとりが出来る分、気持ちにもゆとりが出来た
・自分の働き方を見直す良いきっかけになった。在宅勤務になり、不要だった会議や打ち合わせが鮮明になった
また、家族とともに過ごす時間が増えたことを喜ぶ声も。
・在宅勤務ができるようになり家族での時間が増えた
・夫が在宅勤務の方が、コミュニケーションが取れて楽しい
その他にも、在宅勤務に今後の可能性を感じている人の意見が多数寄せられました。
・必ずしも毎日全員が出社しなくても仕事は回るので、週に1度でも在宅勤務があると家事とも両立がしやすい
・在宅推進されるのは大変ありがたい。これにより在宅勤務の報酬が上がって欲しい
・現在、在宅勤務が可能な職場ではないが、今後のコロナ禍を考えると、将来的には在宅勤務可能な職場で働きたいと思う
まとめ
今回の新型コロナウイルス問題で、多くの人が在宅勤務を経験しました。現在は通常業務に戻っている人も、在宅勤務を続けているもいると思いますが、問題が収束した後、新しい勤務形態を採用する企業が増えることは間違いないでしょう。どのような状況にも対応できるように、仕事環境をととのえていきたいものですね。
【調査概要】
「コロナ禍と働く主婦層の在宅勤務に関するアンケート調査」
調査対象:ビースタイル スマートキャリア登録者/「しゅふJOBパート」登録者1,000名
調査方法:インターネットによる調査
実施期間:2020年5月27日〜5月29日
実施機関:しゅふJOB総研