インターネットショッピングが主流になって以来、指定時間に荷物を届け・受け取る苦労や、再配達の多さが問題視されています。不在時でも荷物をスムーズに受け取れる宅配ボックスを設置する建物が増加するとともに、スマートフォンでリモート操作が可能な「IoT宅配ボックス」も注目を集めています。
IoT宅配ボックスによる実証プロジェクトとは?
株式会社LIXILが進めている「IoT宅配ボックスによる再配達削減『CO2削減×ストレスフリー』実証プロジェクト」は、外出先からでも配達確認や応答ができるIoT宅配ボックスを東京都江東区・江戸川区の戸建住宅・約100 世帯に無償で設置。再配達の削減によるCO2の削減効果やユーザーのストレスの変化などを検証するプロジェクトです。
IoT宅配ボックスの設置で再配達率が41.7%から14.9%まで減少!
IoT 宅配ボックスの設置前と設置後の再配達率を比較すると、再配達率が41.7%から14.9%まで減少しました。それにより期間中、約178 時間の宅配事業者の労働時間を削減(想定値※1)、約379kgのCO2を削減(想定値※1)しました。約379kgのCO2は、約27 本の杉の木が九州するCO2に相当します。
ほぼ全世帯が、荷物受け取り時のストレスが改善。IoT機能も高評価
実証実験に参加した100世帯に「IoT宅配ボックス」を使用した感想を問うと、ほぼすべての世帯が、「荷物の受け取りに関するストレスが改善した」と回答。「必要なときに荷物を受け取れるようになった」「再配達を依頼する手間が減った」といった声が届いています。
また、株式会社LIXILの「IoT宅配ボックス」はスマートフォンと連携しており、荷物が届くとスマートフォン通知が入り、外出先から解鍵操作ができます。「IoT宅配ボックス」を実際に使ってみて、便利と感じたかどうか問うと、約8割の世帯が「便利に感じている」と回答。荷受け通知や投函・取り出しの履歴確認、録画など、IoT機能を頻繁に使ったユーザーほど、再配達削減に貢献している傾向もうかがえました。
さらに、半数以上の世帯で節電やエコバッグの利用など、環境問題を意識した行動が増えたという調査結果も。「地球環境に貢献したい」という環境問題に対する意識の向上が垣間見えます。
その他、QRコードを使った複数の荷物の受け取りに関しては「自分で解錠する手間が省ける」など、6割のユーザーが魅力的に感じていることが明らかになりました。クリーニング集配サービスについては「店に行く時間を減らせる」など、サービスの利用者全員が便利に感じていることもわかりました。
まとめ
IoT宅配ボックスの設置により、荷物の受け取りによる時間の制約がなくなり、不在通知の投函や再配達をする配達員にとっても、受け取る住人側にとっても煩わしさを解消できます。また、新型コロナウイルスの感染拡大以降は、非対面で荷物の受け取りができることも注目のポイントとなっています。今後の普及が予測される「IoT宅配ボックス」の今後に、これからも注目したいですね。
【調査概要】
「IoT 宅配ボックスによる再配達削減『CO2削減×ストレスフリー』実証プロジェクト」
調査対象:東京都江東区、江戸川区の戸建て住宅を対象とした約100 世帯(最終アンケート回答:97 世帯)
調査方法:アンケート調査
実施期間:2019 年11 月1 日~2020 年2 月29 日 (※プロジェクトは、2019 年2 月1 日~2020 年3 月31 日)
実施機関:株式会社LIXIL(協力:江東区、江戸川区、佐川急便株式会社、日本郵便株式会社、株式会社アクティーズ)