新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が全国で解除され、事態が収束した後の暮らし方を考える段階に入りました。解除までの間は外出自粛要請により家で過ごしていた人が多く、住まいに対する考えを改めた人も多いのではないでしょうか。
「住宅性能と健康の関係性」に対する認知度は?
ハイアス・アンド・カンパニー株式会社が「withコロナ / アフターコロナ時代の住宅に関する意識調査」を実施。「住宅の設計方法や建て方次第で、住む人の健康や居住費に差がつく」という事実を踏まえ、「住まいの性能と家族の健康には関係がある」という認識があるか聞いたところ「聞いたことがない」という回答が56.3%という結果に。様々な住宅会社が、住宅検討者に対して健康や省エネという切り口で住宅性能の向上が必要だと訴えていますが、一般的な生活者の半数以上に、その声は届いていないようです。
住宅性能に関する用語の認知度は?
前の問いで「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」「聞いたことがあり、詳しく知っている」と回答した「住まいの性能と家族の健康の関連性」を認識している人を対象に、健康や居住費に関係する「性能」に関わる項目の認知度を調べたところ、「ヒートショック」「住宅内の熱中症」という言葉を認知している人は6~7割程度、「高気密高断熱住宅」も半数程度の人が認識していました。
しかし、「UA値(外皮平均熱貫流率)・Q値(熱損失係数)」は2割程度、「パッシブハウス」「C値(相当すきま面積)」に至っては2割に満たないという結果でした。
さらに「聞いたことがあり、詳しく知っている」と回答した人だけに絞って見ると、C値、UA値・Q値については半数以上の人が言葉として認知している結果に。これらの言葉を知っているか否かが、詳しく知っているかどうかを判断するひとつの基準と言えるかもしれません。
健康に対する関心が高い人は知っている「換気性能」「断熱性能」の重要性
以下の画像は「住宅の性能と健康に関わる効果」について示しています。
C値という性能値が低いと家の中の空気をきれいに保つ「換気」できる量が低下することを示しています。
断熱性能の低い住宅から高断熱住宅に転居された方々は、肺炎など病気の発症率(有病率)が下がったことを示しています。
「C値と換気性能の関係」や「断熱性の高い家に転居後の有病率の低下」について、住まいの性能と家族の健康に関係があることを認知していない人の中で関心をもった人は、30%に満たない結果に。一方、住まいの性能と家族の健康に関係性を認識している人の中で関心をもった人は、30%を超えるという結果に。健康に対する関心が高い生活者が、住宅業界からの情報提供により、「C値と換気性能の関係」や「断熱性の高い家に転居後の有病率の低下」を認識していることが分かります。
まとめ
「健康な暮らしを送るためには高性能な住宅が不可欠である」ことは、実験などにより証明されています。新型コロナウイルスの感染拡大により「健康に暮らす」ということへの関心が高まる中、住まいの性能と住む人の健康が大きく関係することは、無視できない事実と言えるでしょう。これから住宅購入を検討している人も、そうでない人も、健康な暮らしを送るための住まいについて考えてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「withコロナ / アフターコロナ時代の住宅に関する意識調査」
調査対象:全国の一般生活者341名
調査方法:インターネット調査
実施期間:2020年5月21日〜5月22日
実施機関:ハイアス・アンド・カンパニー
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:ハイアス・アンド・カンパニー