厚生労働省が発表した、平成30年「国民生活基礎調査」によると、世帯年収が1,000万円を超える家庭は全体の12.2%。ある程度の貯蓄があり、ゆとりのある生活が出来るイメージを抱いている人が多いのではないでしょうか。そうした家庭であれば、子どもの頃から金銭感覚を養っているはず…。実際のところ、マネー教育は行われているのでしょうか?
世帯年収1,000万円以上の家庭の3分の2が子どもに「マネー教育」を実施
「キッズ・マネー・スクール」を運営する「一般社団法人 日本こどもの生き抜く力育成協会」が、4歳~12歳(小学校6年生まで)のお子さまを持つ世帯年収1,000万円以上の保護者を対象に、「子どものマネー教育に関する調査」を実施しました。
まずは、子どもにお金に関する教育(マネー教育)を行っているか質問したところ、66.8%の人が「はい」と回答。小さな頃からお金に関する知識を身に付けて欲しいと思っている親が多いことが分かりました。
マネー教育は4~6歳で開始。お小遣い帳を付けるところからスタート
では、子どもが何歳の時から、どのようなマネー教育を始めているのでしょうか。子どもにマネー教育を行っている保護者を対象に、何歳の時からマネー教育を行っているか質問したところ、4歳~6歳が40.9%を占め最も多く、次いで7歳~9歳が27.1%、10歳~12歳が19.2%、0歳~3歳が12.8%と続きました。
「小学校入学前がマネー教育の始め時」と考えている保護者が多いようですが、小学生になってから始めているという方も少なくないことが分かりました。
マネー教育の方法としては、46.4%の人が「お小遣い帳をつけさせる」と回答。まずは自分の小遣いをやり繰りするところから、お金の使い方を学ばせているようです。
以降、新聞や専門書を読ませるが18.6%、バーチャルゲームをプレイさせるが15.5%と続く一方、「良い方法が分からない」と回答した保護者が10.2%と1割を超え、マネー教育をしたくても、ベストな方法が分からずに悩んでいる保護者の実情がうかがえます。
7割以上の保護者が、子どもの遊びを「学び」の場としている!?
新型コロナウイルスの感染拡大により学校は休校に、仕事はテレワーク体制になり、これまでよりも子どもと家で一緒に過ごす時間が増えた家庭が多いでしょう。「おうち時間」に、子どもとどのような遊びをしているか問うと「ゲーム機(据え置き型・携帯型・スマホ)が34.5%で最も多く、次いで「カードゲームやボードゲーム」が19.3%、「本・絵本を読むが19%、「おもちゃ遊び(ブロック作りなど)」が16.7%、「屋内用の遊具遊び(ジャングルジムなど)」が4.4%、「マンガを読む」が3.8%と続きました。
さまざまな遊びを行うなかで、その遊びが「学び」に繋がっているのか問うと、72%の保護者が「はい」と回答。理由としては
・自分で考えて形を作り、問題なく動くのかトライ&エラーを繰り返しながら挑戦している
・金融リテラシーを身に付けるきっかけをつくり、興味を持たせられる
・ゲームの通貨を使うことにより学ぶ機会が多い
・人生ゲームでお金の使い方を遊びながら学んでいる
といった声が。一方「ゲームやYouTubeを見ているだけで学びには全く繋がらない」「ただダラダラと遊んでいるだけ」といった、反対派の意見もありました。
9割の保護者が、子どもの頃からマネー教育を行う重要性を認識
最後に、子どもの頃からマネー教育を受けることについての重要性について尋ねると、「非常に重要」が36%、「重要」が54%と、9割の保護者がマネー教育の重要性を認識していることが明らかになりました。その理由として
・金融リテラシーを幼少期から自然に身に付けさせることができる
・学校では教えてくれない
・自分が受けたかったと思う
・マネーの基礎があると、大きくなってから自然に興味が出る
・大人になって急に身につくものではない
といった声が挙がっています。
まとめ
世帯年収が1,000万円以上あることとお金を貯める力は、必ずしもにはならイコールにはならないでしょう。しかし、世帯年収が1,000万円以上の家庭の9割がマネー教育の重要性を認識し、7割の家庭で日常的な遊びを通じて学びを得ていると回答しています。親子が触れ合うひとときのちょっとした心がけが将来に繋がることを念頭に、マネー教育について考えてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「子どものマネー教育に関する調査」
調査対象:4歳~12歳(小学校6年生まで)のお子さまを持つ世帯年収1,000万円以上の保護者1,017人
調査方法:インターネット調査
実施期間:2020年5月1日〜5月4日
実施機関:一般社団法人 日本こどもの生き抜く力育成協会
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:一般社団法人 日本こどもの生き抜く力育成協会