テレワークを推奨する総務省は、テレワークのメリットのひとつとして「仕事と育児・介護・治療の両立」を掲げています。多様で柔軟な働き方として注目を集め、新型コロナウイルス拡大により在宅勤務を勧める企業が増えてからは、より急速な普及が進んでいます。果たして、仕事と家庭の事情を両立することは可能なのでしょうか?
約4割の母親が課題に感じている、テレワークによる仕事と育児の両立
総合保育サービスを提供している株式会社 明日香が、緊急事態宣言下における「在宅勤務と子育ての実態把握」を目的としたアンケート調査を実施。未就学児を持つテレワーク中の母親に、リモートワーク・テレワークにより、仕事と育児の両立ができていると感じるか質問したところ「両立に不安は残ると感じる」が17.3%、「両立は難しいと感じる」が20.9%で、合わせて37.2%の母親が、テレワークによる仕事と育児の両立に不安で困難に感じていることがわかりました。
育児と仕事の両立に不安な理由は「子どもの対応」
「両立に不安は残る」「両立は難しいと感じる」と 回答した母親に理由を聞くと「子どもが仕事の邪魔をすることがある」と回答した母親が88.1%を占めました。次いで「育児も仕事も中途半端になってしまう」が73.8%、「子どもが気がかりで仕事に集中できない」が54.8%、「子どもの影響で仕事のスケジュール管理が上手くいかない」が50%と続き、子どもと一緒に過ごしながらの仕事に苦労する姿が垣間見える結果となりました。
テレワーク時、7割以上の母親が配偶者や父母、祖父母に育児の協力を依頼
テレワークの際の育児協力者については、「いる」と回答した母親が74.5%と、多くの家庭で誰かしらに育児の協力を仰いでいることがわかりました。
具体的に、どのような育児協力者がいるのか質問したところ、「配偶者」が61%、「自身の父や母」が24.4%、「自身の祖父母」6.1%という結果に。9割以上の母親が、家族に育児の協力を頼んでいます。
ベビーシッターを利用したいものの、3人に1人が補助制度の存在を知らず
テレワークの際の育児において、ベビーシッターや子どもの面倒を見てくれるサービスがあったら利用したいか質問したところ、「積極的に利用したい」が46.4%、「金額次第で利用したい」が42.7%と、合計89.1%もの人が、ベビーシッターなどのサービスを利用したいと考えていることがわかりました。
内閣府は、新型コロナウイルス感染症対策のための休校休園にともない、ベビーシッターを利用した場合、月額最大26万4,000円のベビーシッター補助を決定しています。この補助制度を「知らない」と回答した母親が34.5%を占め、3人に1人は制度の存在に気づいていないことが明らかになりました。
保育園を一定期間休園することによる子どもへの不安点については、「お昼寝など保育園のリズムが崩れてしまう」「動画ばかり見てしまう」がともに31.8%、「友達とのふれあいなど社会性を育めるか不安」が22.7%と続く結果に。休園や登園自粛の要請により、子どもに満足な環境を用意できないもどかしさが浮き彫りになりました。
まとめ
緊急事態宣言の延長が決まり、保育園などに通う子どもたちの多くは引き続き、休園や登園自粛が求められ、自宅で過ごさなければなりません。テレワークで働く母親にとって、仕事と育児の両立は大変難しい問題です。ベビーシッター補助金など利用できる制度は積極的に活用し、少しでも育児負担を軽減しながら、外出自粛の局面を乗り切りたいですね。
【調査概要】
「在宅勤務と子育ての実態把握」のための調査
調査対象:東京都在住で現在テレワークを行なっており、緊急事態宣言により子どもが保育園へ登園していない未就学児をもつ20~39歳の母親111名
調査方法:インターネット調査
実施期間:2020年4月22日〜4月23日
実施機関:株式会社 明日香