新型コロナウイルスの感染拡大にともない、東京都の小池百合子知事が買い物を3日に1回程度に控えるよう呼びかけるなど、外出を極力自粛することが求められています。「物を買う」ことに対して人々の行動はどのように変化してきているのでしょうか。
スーパーの利用はやや減少傾向も、土日祝日の午前に来店が集中
家計簿サービス「Zaim」が、同社の家計簿記録に基づく統計調査を実施。2020 年1月18日~2月14日を平時、3月21日~4月4日を緊急事態宣言前、4月8日~22日を緊急事態宣言後とし、9都道府県の買い物状況を比較・分析しました。
この調査によると、スーパーマーケットの利用者指数は、通常時と比べ、緊急事態宣言前、緊急事態宣言後と徐々に減少しています。
しかし、平日・土日祝日の時間帯ごとに利用者指数を見ると、時間帯によっては緊急事態宣言後に利用が増加。とりわけ土日祝日の午前は増加が顕著で、午前11時台は、緊急事態宣言前の1.4 倍もの人がスーパーマーケットで買い物をしていることが分かりました。
ちなみに、コンビニエンスストアの利用は通常時と比べて緊急事態宣言前に18%減、緊急事態宣言後には27%程度減少。しかし、東京都・神奈川県・千葉県では緊急事態宣言後に 5%以上増加しています。緊急事態宣言を受けて休業する店が多い中、日常の買い物の一部をコンビニが担っている現状を予測できます。
ドラッグストアの利用者数は通常時から緊急事態宣言前にかけて変わらず、緊急事態宣言発令後、わずかに減少。東京都・千葉県は10%程度、その他の地域は5%前後、利用者が減少している結果でした。
ホームセンターの客入りは通常時の2割増し。ほぼすべての時間帯で増加
今回調査した実店舗の中で、客足を大きく伸ばしていたのがホームセンターです。通常時と比較して、緊急事態宣言後には約 2 割増加していることが明らかになりました。
通常時から多くの人が訪れる土日祝日は、午前10~11時台を中心として大幅に増加。平日は日中の各時間帯とも通常時より多くの人がホームセンターを利用しています。
外食の利用は通常時の5 割未満に。土日祝日の減少が顕著
外食の利用は緊急事態宣言前から減り続け、緊急事態宣言後には通常時の半分以下に。中でも東京都が-55%、神奈川県が-54%と大きく減少しています。
平日と土日祝日、それぞれの利用者指数を見ると、平日は徐々に減少しているのに対し、土日祝日の客足は緊急事態宣言前から一気に減少しています。
インターネット通販の利用は緊急事態宣言後、通常時に比べて15%増加
Amazon.co.jp や楽天市場、ヤフーショッピングなど、家から出ることなく買い物ができるECサイトの利用は、緊急事態宣言前の時点から増加。緊急事態宣言後は通常時と比べて15%増加し、外出自粛にともない家で買い物を楽しむ傾向が見てとれます。
まとめ
緊急事態宣言を受け、不要不急の外出を自粛している人が多いと思いますが、日常の買い物などある程度の外出を避けて通ることはできません。混みやすい時間帯を避け「密」な状況に身を置かないよう心がけるなど、一人ひとりが対策を講じることで自分や家族を守り、コロナウイルスの感染拡大を防ぎましょう。
【調査概要】
「家計簿記録による統計調査」
調査対象:東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府・兵庫県・福岡県・北海道・愛知県の9 都道府県を住居とする「Zaim」ユーザー
調査方法:「Zaim」によるレシートの自動登録および手作業で登録した記録から、各種期間での購買者数を比較。
実施期間: 2020 年1月18日~2月14日(平時)、3月21日~4月4日(緊急事態宣言前)、4月8日~22日(緊急事態宣言後)
実施機関:株式会社 Zaim