全国各地で新型コロナウイルスによる感染拡大の傾向がみられることから、4月16日、政府は緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大することを正式決定しました。政府は、大型連休の人の移動を最小限にとどめるよう強く呼びかけており、各自治体は、不要不急の外出や県外への移動の自粛、テレワークの推進を求めるとみられています。これに伴い、多くの企業がテレワークを導入・検討しているなか、不動産業界も対応を迫られているようです。
来客数の減少などを理由に83%がコロナの影響を実感
テクノロジーで不動産の賃貸取引を円滑にするイタンジ株式会社、VRクラウドソフト「スペースリー」を運営する株式会社スペースリー、不動産管理会社向け業務支援ソフトウェア「WealthParkビジネス」を提供するWealthPark株式会社は、不動産事業者を対象としたオンラインセミナーの参加者175人に対して「不動産業界における新型コロナウイルスの影響とテレワーク状況に関するアンケート調査」を実施しました。
はじめに、コロナウイルスによる業務への影響を感じるかを尋ねたところ、83%が「はい」と回答しました。
具体的にどの部分への影響があるかを尋ねた質問では、以下のような結果になりました。
トップは「来客数の減少」42%、次いで「内件数の減少」41%、「法人問合せ数の減少」「WEB問合せ数の減少」29%、「入居キャンセルの発生」28%、「入居日変更の発生」24%と続きます。緊急事態宣言の期間は5月6日までとされていますが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては期間が延長される可能性もあり、外出自粛の長期化は、不動産業界に深刻な影響を及ぼすと考えられます。
42%がテレワークを導入済み。不動産テックツールの導入を検討する企業も
テレワークの導入状況について尋ねたところ、「既に全社員が行っている」13%と「既に一部の社員が行っている」29%を合わせた42%が、「テレワークを導入している」と回答しました。
また、「既に準備を進めている」13%、「準備を検討している」30%となっていることから、今後多くの不動産会社がテレワークを実施することが予想されます。
しかし、不動産業界では、内見から契約、入居後の対応からオーナーへの報告業務など、多くの業務が対面もしくはオフィス勤務を前提としていたため、テレワークが導入された場合、それらの業務に不安を感じるという声も挙がっています。では、本格的なテレワーク実施に向けて、不動産会社はどのような対応を検討しているのでしょうか。各種不動産テックツールの利用意向を尋ねた質問では、以下のような結果になりました。
「チャットツール」や「Web会議システム」などの、社内コミュニケーションツールだけでなく、「電子申込ツール」や「スマートロックや現地キーボックス」、「VRツール」など、対面での接客に代わるツールを既に利用、もしくは導入を検討している企業が多いことが分かりました。
まとめ
3月から4月にかけては、年間で最も引越し件数が多くなる時期です。新型コロナウイルスが流行している現在の状況下でも、引越しを先延ばしにできない事情のある人も多いのではないでしょうか。物件探しをする際には、あらかじめ不動産会社のホームページなどで気になる物件の情報収集をするだけでなく、各企業が導入するツールを賢く利用して、人との接触を最小限にとどめるよう、工夫してみてはいかがでしょうか。
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:イタンジ株式会社、株式会社スペースリー、WealthPark株式会社