テレワークや臨時休校措置に加えて、緊急事態宣言も発令されるまで感染を拡大させている新型コロナウイルス。外食の自粛によって、自宅で料理をする機会が増えたのではないでしょうか。レシピ動画サービス「クラシル」などを運営するdely株式会社は、「クラシル」ユーザーの行動分析を実施。その結果、新型コロナウイルスの流行前と比べて利用者数や検索内容に変化があることが明らかになりました。
"1日3食おうちご飯"でレパートリーもピンチ?
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月中旬にはマスクや手指消毒液、トイレットペーパーなどの品薄の報道や、全国小中高校の臨時休校などが起こりました。そうしたタイミングと時を同じくして、レシピ動画を配信する「クラシル」の利用者も増加していることが判明。家庭で料理をする機会が増えたことで、献立に悩む人は少なくないようです。
さらに、食材名やレシピ名で検索するだけでなく、「朝ご飯」「昼ご飯」「夜ご飯」のカテゴリからレシピを探す人が増えたことも分かりました。家庭で料理を作る機会が増えたことで、「いつ」「どんな料理」を作ればいいのかを検索している人が多いことが伺えます。
朝の時間に余裕ができ、朝食にも変化が
検索キーワードにも変化が見られ、例えば朝食については、「朝食」「食パン」などの検索数が上昇。朝食レシピは通常、日曜に検索が伸びますが、テレワークや休校などによって朝の時間に余裕ができたことや、健康志向の増加により、平日の検索が増えたと考えられます。1月の平均値と比較すると、「朝食」全体の検索数は1.5倍、手ごろな価格でアレンジもしやすい「食パン」の検索数は1.6倍に増加しました。
また、昼食では「お昼ご飯」の検索数が2.8倍、「子供」の検索数は1.5倍に急上昇。「お助けランチ」特集では「時短」「丼」「作り置き」のカテゴリが人気でした。作り置きしておくことで、「レンジで温めるだけ」「ご飯に具材を乗せるだけ」で、おいしく食べられるレシピが求められていることが分かります。
夜の外食、飲み会の自粛で「夜ごはん」「家飲み」需要も拡大
通常なら歓送迎会などで外食の機会が増える3月ですが、宴会など多くの人が集まる外食の自粛により、「夜ごはん」の検索数にも大きな伸びが見られました。3月の検索数は1月の平均値に比べ4倍にもなっています。さらに、家飲みを行う人が増えたことから「おつまみ」の検索数も前年比の約1.7倍に上昇。検索キーワードに着目すると「おつまみ」単体よりも、「アボカド おつまみ」「クリームチーズ おつまみ」など複合的な検索をする人の増加が目立ちました。
飲食店のような「凝ったおつまみを作りたい」「いろいろな種類のおつまみを楽しみたい」と、家飲みを充実させてくれるレシピが求められているようです。
まとめ
先の見えない新型コロナウイルスの感染拡大ですが、自宅で食事をとる機会が増えたことで、食生活を見つめ直すきっかけにもなっているようです。自宅で過ごす時間をうまく活用しながら、子どもと一緒に調理したり、普段は作らないメニューに挑戦したりしてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査タイトル:「新型コロナウイルス感染拡大に伴う食需要と消費者行動の実態」
調査対象: レシピ動画サービス「クラシル」ユーザー
調査方法: 行動分析
実施機関:dely株式会社