家を建てるための土地や物件探し、また自分に合う理想的な新築物件や中古物件を探す際に役立つのが不動産会社です。地域ごとの情報が集まるため豊富な情報を一度に得ることもできますが、どのような不動産会社を選べば納得の物件探しができるのでしょうか?
不動産会社の重要性。プロの知識は物件探しの強い味方
引っ越しや住宅購入を検討する際に、物件探しの強い味方になってくれるのが不動産会社です。売りに出されたばかりの物件や希少性の高い土地など、素人ではなかなか見つけられないような物件情報も集まっているため、理想の土地や物件を見つけるには、不動産会社を上手に活用すべきです。
不動産売買の手続きや住宅ローン申し込みの流れについても、経験豊富なプロの手を借りられるのは大きなメリット。一生に何度もない出来事だからこそ、プロの力を借りて満足のいく物件購入を目指しましょう。
信頼できる不動産会社の見つけ方
不動産会社は全国各地に多数あり、コンビニの数の2倍近くも店舗があると言われています。家を探す際の希望エリアでも近隣にはいくつかの不動産会社があるのはよく見かけますし、店頭では自社が扱っている物件情報を貼り出している風景もよく見られます。これらの不動産会社の中から、自分に合った信頼できる不動産会社を見つけるためにはどうすればよいでしょうか。
不動産会社との出会い方
まず、不動産会社へコンタクトをとる方法はインターネットや電話による問い合わせ、さらに直接訪問といった方法が一般的です。
インターネットで条件に合いそうな気になる土地や物件を見つけたら、そこを管理・仲介している不動産会社へコンタクトをとってみましょう。多くの不動産会社は店舗ごとにエリアをある程度限定して仲介を行っているため、気になるエリアの情報を持っている会社は周辺の情報にも強いと考えることができます。
同じように、検討しているエリアへ出向いて不動産会社を直接訪れてみるのも一つの方法です。同時に気になるエリアの環境や雰囲気など、実際に訪れてみないとわからなかった点もチェックできます。
担当者との相性は要チェック
不動産会社を訪れたら、購入したいと考えている土地や物件の条件を伝えて情報を絞り込んでいきます。「住みたい沿線」「希望する土地の広さ」「日当たりのよさ」「教育環境」「買い物の利便性」など、物件に求める条件は挙げ始めるとキリがないもの。こうした条件を上手に聞き出してくれたり、周辺地域の情報をたくさん持っているベテラン担当者に当たる場合もあれば、まだ不慣れな担当者に当たる場合もあります。
もちろん経験豊富な人ならOKというわけではなく、経験が浅くわからないことがあってもしっかりと調べてきてくれるなど誠実さが感じられる対応なら、よい営業担当者といえるかもしれません。
気になる物件を一緒に見にいく道中ではお互いに緊張もほぐれて会話もしやすくなるので、周辺エリアのことや近隣の治安など、気になることもどんどん尋ねてみましょう。多くの営業担当者は自分の担当エリアについてしっかりと情報をインプットしているので、質問にも的確に答えてくれるはず。
いくつかの不動産会社を回ったり、何人かの営業担当者と話したりしながら、自分と波長の合う担当者を探してみましょう。
条件と違う物件をすすめてきたり、契約を急がせたりするような担当者は、残念ながら信頼に足る人物とはいえません。信頼できる人から気持ちよく買いたいなら、担当者を代えてもらうことも必要です。
売却時の不動産会社の選び方
購入時の不動産会社選びについて解説してきましたが、不動産を売却する際にも不動産会社を利用するのが一般的です。不動産の売却には大きく分けて「買取(不動産会社が物件を買い取り、再販売すること)」と「仲介(不動産会社が売主と買主を仲介し、取引をサポートする)」がありますが、ここでは仲介による売却について解説します。
仲介の契約には「一般媒介」と「専任媒介」がある
不動産を売りたいと考えたときには、自分が売り出すよりも仲介会社によってより多くの買主へアピールしたいと考えるはずです。仲介には「一般媒介」と「専任媒介」がありますが、どのように違うのでしょうか。
一般媒介契約
依頼者(売主)は複数の不動産会社と同時に契約することが可能です。取り扱ってくれる会社が増えれば、成約の機会が増える可能性があります。ただし、他の不動産会社に成約を取られてしまうと自分たちの営業活動が無駄になってしまうことから、積極的に販売活動をしない可能性がある点はデメリットとなるでしょう。また、売主からの依頼がない限り物件情報を国土交通大臣指定の不動産流通機構「レインズ」への登録義務は任意のため宣伝効果は弱い、かつ販売状況を報告する義務はないという点も挙げられます。
専任媒介契約
依頼者(売主)が一社だけと契約して仲介を依頼する契約のことで、仲介会社(不動産会社)は成約のために積極的に努力をしてくれるでしょう。物件情報を7日以内に「レインズ」に登録し、販売活動の状況を14日に1回以上の頻度で報告することが義務付けられている点はメリットと言えます。ただ一社に任せるためその会社の営業や宣伝活動はその会社頼みとなってしまう点はデメリットになるかもしれません。
専属専任媒介契約
専任媒介契約と同じで一社だけに依頼しますが、より拘束力の強い「専属専任媒介」という契約方法もあります。売主が自分で買主を見つけてきた場合でも仲介会社を介する必要があること(一般媒介契約と専任媒介契約では、自分で買い手を見つけて売買契約を締結することができる)、物件情報を5日以内に「レインズ」に登録し、販売活動の状況報告が7日に1回以上と定められています。
不動産会社の選び方は物件によって異なる
それでは、どのような不動産会社に自分の物件売却を相談すればよいのでしょうか。まずは「大手の不動産会社」か「地域密着型の不動産会社」かで悩む人が多いかもしれません。
大手の不動産会社
大手不動産会社は、知名度が高く、豊富な取引実績と独自のネットワークに基づく情報量が魅力です。全国展開している会社も多いので指定エリアの物件でも柔軟に対応してもらえることが多いでしょう。ただし、「大手」と一口で言っても、財閥系や電鉄系、銀行系など様々。例えば、電鉄系でしたら沿線の物件に強いなど、特徴に合わせて選定しましょう。
また、社員教育も一定水準の対応ができるようにマニュアルに基づいて行われているので、安心感もあるでしょう。
地域密着型の不動産会社
地元密着型不動産会社は、特定のエリアの限られた範囲内で営業しているので、地元地域の特色を細かく理解している点が魅力です。どの道の交通量が多いか、人気の学区はどこか、治安の良し悪しなど、これから住む地域における「ご近所さんしか知らない情報」はとても役に立つ情報になると思います。
また、地主(売主)と繋がりが深いため、過去のエリアでの取り引き動向にも詳しいでしょう。物件の相場も細かく把握しており、適切な価格に基づいた売買ができると言えるかもしれません。
(関連記事)不動産会社は「大手」が安心? 「地元密着」が頼りになる? 目的に応じた選び方
売却の見積もりは複数社からもらおう
不動産会社へ売却の依頼をする際には、その土地や物件がどれだけの価値を持っているかを査定してもらい、その金額に基づいた売却額が算出されます。不動産会社によって金額が異なるため、複数の会社へ見積もりを依頼して比較してみるのも大切です。
また、査定額の算出根拠についてもしっかりと教えてくれる会社であれば信頼に足ると判断してよいでしょう。
何よりも重視したいのは、査定や相談の際の営業担当者がしっかりとこちらの話を聞いてくれるかどうか。売主ごとに異なる事情を把握し、売却に向けて努力してくれるかどうかを見極めるためにも、担当者とは積極的に話をして、人柄を知るのが大切といえそうです。
まとめ
不動産購入・売却のパートナーともいうべき不動産会社。営業担当者との相性が、取引の印象を決めるといっても過言ではありません。こちらの希望をしっかりと聞き取り、実現に向けて伴走してくれる担当者と出会えれば、取引も満足できるはず。複数の不動産会社を見て回り、自分と相性のよい担当者と出会うことが大切です。