実家で暮らす家族が亡くなるなどして、実家が空き家になってしまった場合、あなたならどうしますか?空き家活用サービス「アキサポ空き家総研」を運営する株式会社ジェクトワンが行った調査の結果、空き家所有者の7割以上が自己所有の空き家を「活用したい」という意向があることが分かりました。その一方で、活用方法に悩んでいる人は少なくないようです。決して他人ごとではない「空き家問題」の実態についてご紹介します。
7割以上が自己所有の空き家を「活用したい」。しかしその実態は?
空き家所有者を対象に、所有している空き家を活用したいか否かを尋ねたところ、「活用したい」と答えた人は全体で71.9%(「活用したい(39.7%)」+「やや活用したい(32.2%)」)に上り、7割以上が空き家活用の意向があることが分かりました。
しかしながら、所有空き家の状況を尋ねたところ、戸建て所有者の8割以上(85.2%)、区分マンション所有者の6割以上(64.8%)が少なくとも「1年以上」は空き家として放置しているという現状が明らかになりました。さらに、放置年数に着目してみると、戸建て所有者の46.7%、区分マンション所有者の42.3%が「5年以上」放置しています。活用したくてもできない、その要因は一体何なのでしょうか?
空き家について「お金」に関連するネガティブなイメージが先行
空き家に対するイメージを尋ねたところ、「売却したくてもできない(31.3%)」、「リフォームやリノベーションにお金が掛かる(29.7%)」、「固定資産税が高い(28.3%)」という回答が上位で、「お金」に関連するネガティブなイメージが先行していることが分かります。「空き家は売りたくても売れないモノ」、「(売るにも活用するにも)お金がかかるモノ」という認識が、空き家問題を生み出す一つの要因なのかも知れません。
所有している空き家についての困り事を尋ねた問いでは、「何をするにしてもお金が掛かる(35.0%)」という回答が最も多く見られました。また「建物に価値が無さそう(23.7%)」、「老朽化がひどい(23.3%)」、「リフォームしないと活用できる状況ではない(22.0%)」という意見も多く挙がっていることから、経年劣化などで所有物件が老朽化し、リフォームなど何かしら手を加える必要があるものの、費用が掛かるため空き家の活用に踏み切れない、というケースもあるのではないかと考えられます。
空き家をそのままにしておくことは、街の景観を損ねるだけでなく、防犯上のリスクや建物倒壊のリスクなどが心配されるので、社会問題にもなっています。増え続ける空き家に対し、国は特例措置を設け、その増加に対策を講じています。
知っておきたい!空き家に関する節税対策
国が設けた措置のひとつに「空き家に関する3,000万円特別控除」があります。
これは、被相続人の居住していた家屋を相続した相続人が、相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに土地を売却した場合、土地の譲渡所得から3,000万円を控除するというもの。取り壊して土地だけになったものでも控除可能です。また、住宅に耐震性がない場合は耐震リフォームをしたものに限り、同措置が適用されます。
通常、自宅ではない不動産を売却したときは、譲渡益に対し15~30%の高い所得税率(保有期間により税率は異なる)が課されるため、この適用を受けられれば、大きな節税になるでしょう。適用にはいくつか要件があるので詳しくは国土交通省のホームページを確認してください。
また2020年度の税制改大網では、空き家の売却を促す特例も新設されています。例えば、令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間に、5年以上所有していた都市計画区内の低未利用地を500万円以内で売却した場合、譲渡益のうち100万円を控除することができるようになります。
このほかにも、空き家の売却を促すための特例があるので、空き家の所有者は事前に調べてみるとよいでしょう。
まとめ
本来であれば、空き家を所有することになってからではなく、住人が元気なうちに誰が相続するのか、誰もいない場合にはどうするのかなどを家族で話し合っておくことがベストです。いざという時に困らないよう、リフォームする場合には費用、売却する際には税金をどのくらい払わなければならないか、また特例措置を受けるにはどうすればよいか、など具体的に調べておくとよいでしょう。
【調査概要】
調査タイトル:「空き家所有者」の意識・実態に関する調査
調査対象:一都三県に空き家を所有する30代~60代の男女300名
調査方法:インターネット調査(調査地域:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)
調査時期:2020年1月27日(月)~1月30日(木)
実施機関:株式会社ジェクトワン
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社ジェクトワン