住宅ローンを借りていると、金融機関から「住宅ローン残高証明書」が送られてくることがあります。金融機関によって、「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」や「融資額残高証明書」といった名称になっていますが、住宅ローン控除を受けるために必要な書類です。
金融機関から送られてきた場合は保管しておかなければなりませんが、万が一、紛失してしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。
住宅ローン残高証明書とは?
住宅ローンを借りてマイホームを購入もしくは新築すると、一定の条件を満たしていれば、住宅ローン控除を受けることができます。
具体的には、住宅ローンの年末残高の1%が10年間にわたって納めた所得税から還付されます(2019年10月の消費増税に伴い、2019年10月1日〜2020年12月31日に取得して居住を始めた住宅については、住宅ローン控除を受けられる期間が最長13年に延長されています)。
ただし、控除の対象となる住宅ローンの年末残高は、一般の住宅では最大4,000万円までで、最大控除額は1年で40万円までとなっています(長期優良住宅などは年間の最大控除額が50万円)。
<住宅ローン控除の概要>
住宅ローン控除の金額は、年末の住宅ローン残高によって決まります。その残高を証明する書類が「住宅ローン残高証明書」で、「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」や「融資額残高証明書」と書かれている場合もあります。
この書類がなければ住宅ローン控除を受けることはできません。
住宅ローン控除を受けるには?
住宅ローン控除を受けるには、初年度(1年目)は確定申告を行う必要があります。原則として、住宅を取得した年の翌年2月16日から3月15日が確定申告の期間になりますので、忘れずに申告してください。会社員など、給与所得者の場合は、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。
ちなみに、1年目に住宅ローン控除の確定申告をすると、税務署から「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金特別控除証明書」が、残りの9年分まとめて送られてきます。
2年目以降、勤務先の年末調整を受ける場合に、ローン残高証明書とあわせて提出しなければいけない書類なので、大切に保管しておいてください。
住宅ローン残高証明書の入手方法は?
では、住宅ローン残高証明書はどうやって入手すればよいのでしょうか。
住宅ローン残高証明書は、融資を受けている金融機関が発行するものです。多くの場合、10月上旬から中旬に郵送されてきます。ただし、住宅ローンの契約をした時期が9〜10月以降になった場合には、翌年1月になってから発行される場合が多いようです。
なお、勤務先から住宅取得資金の融資を受けている人もいるでしょう。その場合は、勤務先から融資残高証明書を発行してもらってください。金融機関から発行される住宅ローン残高証明書と同様に確定申告、年末調整に必要となります。
住宅ローン残高証明書は、住宅ローン控除を受けるための書類です。借り入れから10年を過ぎると住宅ローン控除自体を受けられなくなるため、11年目からは送られてくることはありません。
また、ローンを完済して残高がゼロになった場合には、当然、年数に関係なく送られてくることはなくなります。
住宅ローン残高証明書が発行されなくなっても、住宅ローンの残高は、金融機関が作成する支払い予定表を見れば確認できます。詳しくは、金融機関に問い合わせてください。
住宅ローン残高証明書を紛失したら?
もしも、住宅ローン残高証明書を紛失してしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。
紛失してしまった場合は、金融機関に再発行を依頼しましょう。融資を受けている金融機関に問い合わせてみてください。
(参考)
三菱UFJ銀行:Q&A(よくあるお問い合わせ)
みずほ銀行:FAQ(よくあるご質問)
三井住友銀行:住宅ローン残高証明書
ソニー銀行:よくあるご質問
イオン銀行:よくあるご質問
ARUHI:よくあるご質問
【フラット35】:住宅金融支援機構「住・MyNote」
住宅ローン残高証明書が届かない場合はどうする?
もし、送付時期になっても住宅ローン残高証明書が届かない場合には、早めに金融機関に問い合わせるようにしてください。また、何らかの事情で送付時期よりも前に住宅ローン残高証明書が必要な場合についても、同様に金融機関に連絡を入れましょう。
なお、繰り上げ返済をしたことで、住宅ローン残高証明書と、その年の年末の実際の残高が異なる場合には、実際の年末残高が書かれた住宅ローン残高証明書を再発行してもらう必要があります。この場合も、金融機関に早めに相談するようにしましょう。
住宅ローン残高証明書は、住宅ローン控除を受けるために必要な大切な書類です。金融機関から送付された場合は、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。また、もし紛失してしまった場合にはすぐに金融機関に再発行を依頼するようにしてください。