新型コロナウイルス感染拡大の対策として、イベントの開催や不要不急の外出の自粛、休校などが続く中、人々の行動範囲はどのように変化しているのでしょうか?
クロスロケーションズ株式会社が、同社が開発する位置情報データ活用プラットフォーム「Location AI Platform?」の特徴エリア別定点観測機能によって得た位置情報ビッグデータをもとに、AIで解析したこれにより、新型コロナウイルス感染症に関する人の流れの変化の調査報告を発表しました。これにより、政府から「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が発表された2月26日以降の人の流れの変化が明らかになっています。
都心では繁華街への外出自粛が顕著
新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるう中、日本では2月25日に政府から「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が発表され、翌26日にはイベントなどの自粛要請が出されました。
クロスロケーションズ株式会社の調査によると、イベントの自粛要請が出された2月26日以後(3月第1週)は全国の繁華街・観光地の訪問者数が減少していることが分かりました。都心の繁華街(池袋、新宿、渋谷、銀座、上野、六本木)に関して見ると、すべてのエリアで昨年の同週より訪問者数が減少しています。
具体的には、新宿歌舞伎町エリアでは約35%、銀座エリアでは約30%の減少率でした。銀座エリアに関しては、2月初旬からすでに減少傾向にありましたが、3月第1週は2月中旬週よりさらに約30%も減少しています。また、新宿や池袋エリアでは、遠方からの訪問者数が減少し、商圏が縮小している様子も明らかになりました。
東京以外の全国各都市の繁華街については、全体的な減少傾向はあるものの、鹿児島や宮城といった新型コロナウイルス感染者が「出ていない」もしくは「少ない」地域では、大幅には減っていないようです。
住宅地付近の公園を日中に利用する人は増えている
繁華街への訪問者数が減少する一方、都内では小中高等学校の休校が始まった3月2日以降に住宅地付近の公園へ出かける人が増えているようです。東京都世田谷区にある『駒沢オリンピック公園』では、平日午前10時から午後4時の利用者数が増加。『世田谷公園』においても同様の傾向が見られました。
また、東京都目黒区下目黒と品川区小山台にまたがって所在する『林試の森公園』においては、昨年の同週より訪問者数が2倍になるという顕著な増加傾向が現れています。
文部科学省が2020年3月4日に公表した新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業状況によると、4日の午前8時時点で休校している市町村立の小学校は98.8%、中学校は99.0%、都道府県立高校は99%、国立の小中高校は100%とされています。このような状況の中、自宅にこもりがちな子どもたちを保護者が連れて遊びに出た可能性が考えられます。
駅前スーパーの来店客数は増加傾向
都内駅前スーパーの訪問者数を見ると、昨年同週比で約5?20%増加しており、特に休日夕方のピークタイムは130%超となる時間帯もあるようです。平日については、従来来店者数が減少しがちなランチタイム後(午後1時?午後4時)の時間帯の利用者が増加していることが分かりました。
新型コロナウイルスの影響によって、人々が集まる場所や時間は平常時と変わっているようです。普段は空いているからと出かけても、思わぬところで混雑に巻き込まれるかもしれません。
また、これは3月初旬のデータを基にした調査結果ですが、3月25日以降に週末の不要不急の外出自粛の要請が各地で発表されるなど、人々の動きに関する制限は日々刻々と変わっています。
今後はさらに人の流れが大きく変化しそうです。
【調査概要】
期間:2020年3月1日ー7日 および2019年3月1日ー7日、2020年2月16日ー22日他
場所:繁華街・観光地となっている都心市街地、および全国市街地など複数箇所
その他、都内公園約10ヶ所、都内駅前スーパー複数店舗
指定したエリアのサイズに関しては、各エリアで異なる
調査に使用した製品:Location AI Platform
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:クロスロケーションズ株式会社