国土交通省では、平成30年度中に住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯を対象に「住宅市場動向調査」を実施しました。調査の結果、マンション購入価格は新築・中古ともに平成27年度調査と比べ1~2割、上昇していることが明らかになりました。今回は調査をもとに、マンションの購入価格と年収倍率の推移、また購入の際、重視したポイントとして多く挙がった意見をご紹介します。
マンションの年収倍率は、新築・中古とも上昇
調査の結果、三大都市圏におけるマンションの平均購入価格は、分譲マンションでは4,457万円、中古マンションでは2,746万円という結果になりました。またマンション価格が年収の何倍に相当するかを算出した「年収倍率」で見てみると、分譲マンションでは年収の約5.6倍、中古マンションでは約4倍となっています。
この結果を平成27年度調査と比べると、購入価格は新築・中古ともに1~2割上昇し、年収倍率は分譲マンションの場合14.2%増(年収の5.2倍→5.6倍)、中古マンションの場合22.9%増(年収の3.4倍→4.0倍)といずれも上昇傾向を見せました。
分譲マンション取得世帯では、「立地環境」を重視する声が多い
購入した住宅の選択理由について尋ねたところ、分譲マンション取得世帯では、「住宅の立地環境が良かったから」という意見が、昨年度調査からは減少したものの、引き続き高水準(61.3%)で挙げられています。また、立地環境とほぼ同水準に「新築住宅だから(61.0%)」があり、次いで「マンションだったから(48.3%)」、「デザイン・広さ・設備等が良かったから(40.5%)」という意見が挙がりました。
一方、中古マンション取得世帯では、「価格(家賃)が適切だったから(65.1%)」という意見が最も多く、以下、「立地環境が良かったから(63.1%)」、「マンションだったから(40.4%)」という順の回答となりました。
設備については「間取り・部屋数」を重視
続いて、設備面における住宅の選択理由を見てみると「間取り・部屋数が適当だから」という意見が、分譲マンション取得世帯(71.6%)、中古マンション取得世帯(71.0%)ともに最も多く挙がりました。次いで「住宅の広さが十分だから」が、分譲(53.2%)、中古(61.6%)となっています。分譲・中古ともに住居の広さ以上に、間取りや部屋数を重視する人が多いようです。
また、「住宅のデザインが気に入ったから」、「火災・地震・水害などへの安全性が高いから」、「高気密・高断熱住宅だから」という項目においては、分譲マンション取得世帯の方が中古マンション取得世帯より重視している傾向が強いことが分かりました。分譲マンションでは、新築ならではの設備の充実度も購入の理由となっているようです。
まとめ
マンション購入時に重視した点について、分譲マンション取得世帯の場合は「立地の良さ」で、中古マンション取得世帯は「価格」となっており、それぞれ重視するポイントが異なります。マンション購入をお考えの方は、この調査結果を参考に、価格だけでなく設備なども選択時の基準として考慮してみてくださいね。
【調査概要】
調査名:令和元年度 住宅市場動向調査
調査時期: 平成30年4月~平成31年3月
調査対象者: 平成30年度中(平成30年4月?平成31年3月)に住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯。注文住宅、既存(中古)住宅については全国を、分譲住宅、民間賃貸住宅、リフォーム住宅については三大都市圏を対象に実施。
「令和元年度 住宅市場動向調査 報告書」
情報提供元: 国土交通省