少子高齢化や若者世帯の都市部への集中が進む日本では、高齢者だけで暮らす世帯が増加しています。高齢者のみの生活には、室内での転倒や熱中症をはじめ、火の始末など、様々な不安が付きまといます。
セコム株式会社が、親と離れて暮らす全国の40代50代の男女500名を対象に実施した「親の見守りについての調査」によると、離れて暮らす親のことを心配する人は8割を超える実態が明らかになりました。しかし、具体的な対策を行っている人は38.2%と少なく、その方法も週に1度の電話確認が主流のようです。
高齢者が夫婦または単身で暮らす世帯は年々増加している
セコム株式会社が実施した調査によると、親の世帯構成は「夫婦二人」が44.8%、「独居」が26.0%と、高齢者だけで暮らす世帯が多く、「家族と同居」は26.2%という結果になりました。
このように、高齢者のみの世帯が増加していることは、政府の調査でも明らかになっています。内閣府から発表されている『令和元年版高齢社会白書』によると、65歳以上の者がいる世帯の構成割合は、1980年には子や孫と暮らす「三世代世帯」が全体の50.1%を占めていましたが、2017年には11%まで減少しています。その一方で、「夫婦のみの世帯」と「単独世帯」は増加傾向にあり、2017年時点で合わせて58.9%に上っているようです。
離れて暮らす親を心配する人は多い……
「離れて暮らす親に心配や気がかりな事はありますか」という質問では、「ある」と回答した人が80.2%上りました。
具体的に心配している点(複数回答可)は、「病気やケガ・熱中症などの健康面」が最も多く、94%でした。そのほか、「地震・台風などの自然災害時」41.4%、「認知症・徘徊」40.4%、「交通事故」38.4%、「火災(火の元)」36.7%など、日常生活から災害時の対応まで、様々な点で不安を抱えている様子が明らかになっています。
離れて暮らす親の「見守り」はどうしてる?
「親の様子や安否の確認のために、意識して行っていることがありますか」という質問では、「ある」と回答した人は38.2%でした。具体的な方法(複数回答可)としては、「定期的に電話している」81.2%、「LINEやメールなどでやりとりをしている」36.6%と答えた人が多く、定期的に連絡を取ることで安否確認をしている様子がうかがえます。連絡を取る頻度として最も回答が多かったのは、電話・メール(LINE)ともに「週に1回」でした。
一方、安否確認を行っていない人の理由としては、「親はまだ元気なので必要性を感じない」が23.3%と最も多く、「何をしたらいいかわからない」21.4%、「やろうと思いながら、先延ばしにしている」16.2%が続きました。方法が分からない人や、なかなか対応ができていない人については、手軽に安否確認ができるサービスがあれば、行動を起こすきっかけになりそうです。
手間やお金の負担が少ないサービスの需要が高い!?
親の"見守り"サービスを利用するとした場合に重視するポイント(複数回答可)としては、「親も自身も、操作等利用上の負担が少なく実施できる」69%、「費用が安い」65.4%などが挙がりました。心理面と金銭面、両方の負担が少ないことを重視している傾向があるようです。
最近では、親の日常生活に関する通知がスマートフォンに送られてくる"ゆるやかな見守り"サービスが存在しますが、そのようなサービスに「魅力を感じる」人は19%、「どちらかというと魅力を感じる」人は52.8%でした。
高齢者のみの世帯が増える中、それを見守るサービスは各社から色々と発表されています。まずは手軽なサービスの利用から検討してみるのも良いかもしれませんね。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート調査
調査対象者:70歳以上の親と違う県に住んでいる全国40代・50代の男女500名
調査実施日:2020年2月4日~6日
調査主体:セコム株式会社