マイホームといえば、結婚後に購入するイメージが強いかもしれません。しかし、昨今は独身のうちから住宅の購入を検討する人も増えてきている印象です。
結婚するパートナーが物件を所有していることに対して、「資産になるから安心」と感じる人もいれば、「自分で住まいを選べない」とネガティブな印象を抱く人もいるかもしれません。結婚前に物件を所有していることは、メリットとデメリットのどちらだといえるのでしょうか。
「住まいは結婚してから買うもの」というのは古い?
2018年に不動産流通経営協会が発表した「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」では、住宅購入検討者のうち、単身で住む家を探している人は全体の21.3%。首都園に限定すると、24.0%にのぼることが分かりました。未婚率の上昇やライフスタイルの多様化が影響しているのではないかと予測されます。また、投資目的とする人も少なくないでしょう。
いずれにせよ、「結婚してから住宅を購入する」という流れは変わりつつあります。独身であっても、持ち家を所有する割合は今後さらに増えていくかもしれません。
「持ち家がある」は婚活において不利なのか
もちろん、住宅購入後に結婚に至るケースも少なくないはずです。「持ち家がある」のは、パートナーにとってどのような印象を抱かれるのでしょうか。
結婚相談事業を行う銀座中央ブライダル・チーフプロデューサーの大貫一生さんに教えていただきました。
同社は不動産コンサルティングを中心に事業を展開する株式会社シー・エフ・ネッツが母体。不動産のプロならではの視点で、単身者が購入するときのポイントについても合わせてお聞きしました。
――登録されている会員の方で、すでに持ち家がある割合はどれくらいなのでしょうか。
会員様の年齢層は、女性は35歳~39歳がメイン、男性の場合は40歳~44歳が最も多くなっています。比較的年齢層が高いという前提の上で、物件を所有されている割合は、25歳から29歳でも5%、35歳~39歳では10%、40歳~49歳になれば15%程度になります。
――男女によって所有物件の違いは?
女性はワンルームなど比較的小ぶりのマンション、男性の場合は将来の家庭生活を考えた2LDK~のマンションもしくは郊外の一戸建てを購入しているケースが見受けられます。
――独身のうちに住宅を購入することは、婚活において有利もしくは不利のどちらになるのでしょうか。
お相手に望む希望条件にもよりますが、弊社は自立された方が多いこともあって、持ち家を所有していることのメリットはさほどありません。
ただし、持ち家を持てるという“裏付け”があるという意味ではメリットといえるかもしれません。頭金を用意する余裕があったり、さまざまな審査を通過したりした証拠でもありますから。
将来設計を通してお互いの意見を聞き、いかに柔軟に対応できるかどうかが婚活においては重要なポイントです。男性は特に、相手のライフスタイルに合わせた柔軟な対応が求められます。
相手の意見を聞かずに将来一緒に住む家を決めてしまうことはあまり良い印象を与えないとは思います。そこで、もしも現在持ち家であった場合、売却や賃貸に出すなども選択肢として考慮した方が無難でしょう。
――もしも独身のうちに購入するならば、どんな物件を選ぶのが良いのでしょうか。
将来のライフスタイルに合わせられるように、資産性の高い物件を選ぶことがポイントでしょう。流動性が高かったり、賃貸に出しやすかったりする立地や間取りを選ぶことをおすすめします。
さらに、経年劣化の影響を受けにくい条件を選ぶと売却価格や賃料が下がりにくくなります。たとえば、新築物件は時間が経てば古くなっていきますが、立地や最寄り駅までの距離、日当たりの良さなどは何かが起きない限り、良い条件のままです。
売却も視野に入れて物件選びを
結婚するパートナーが決まっていない段階で、将来一緒に住む物件を購入することはマイナスになる可能性があるようです。しかし、婚活という視点を除けば、「資産になる」「ローン減税が受けられる」などのメリットもあります。
そのため、メリットとデメリットをよく比較して検討したうえで、もしも購入する場合は資産性の高さを考慮しながら物件探しをおこなうとよいですね。
【取材協力】
銀座中央ブライダル
マリッジコンサルタントにともに「婚活プラン」を設計。お客様のプロフィールをお相手の心に残るようにプランニングし、お相手の印象がよくなるコツや、話し方もアドバイス。交際スタート後も、お二人の気持ちを大切にしながらプロポーズまでサポートをおこなう。
株式会社シー・エフ・ネッツ
不動産投資に関するプロ集団。個別コンサルティングのほか、不動産投資セミナーや不動産業界への研修セミナーなども開催。