毎年の確定申告。準備も大変ですが、提出期間が始まると申告会場や税務署は大混雑となり、気が重くなる……という人もいるのではないでしょうか。でも、実は確定申告の提出は郵送でも行うことができるのです。確定申告で郵送するときのメリットや手順、注意点についてまとめました。
確定申告で郵送するメリット
確定申告を郵送するのにはどんなメリットがあるのでしょうか。
混雑の回避
確定申告の時期の申告会場や税務署は、大混雑しています。提出するだけに何時間も並ばなければならないこともあります。申告締切間近になると、その状況はさらに顕著なものに。
しかし、郵送ならそんな心配もありません。郵便局に持っていくにしても申告会場ほどの混雑に巻き込まれることもありませんし、ポスト投函なら一瞬で終わらせることができます。
税務署まで行く手間と時間を節約できる
住んでいる場所にもよりますが、税務署や申告会場が遠いという人もいるのではないでしょうか。なかには交通機関を利用して向かわなければならない場合もあるはず。
税務署や申告会場に行くまでの時間や手間、交通費も郵送での申告なら回避することができます。なかなか時間を作れない人にとっても郵送はオススメです。
デメリットと注意点
ただ、確定申告の書類への記入の仕方が分からないという場合は、自分で調べる必要がありますので、職員に相談しながら申告書類の作成を進めたいという人には郵送は不向きです。
また、書類に不備があった場合は、その場で修正することができないので注意が必要です。自分がどのように確定申告書類を作成するのかを確認、そして書類の不備がないように気をつけることが大切です。
確定申告で郵送する書類や封筒について
それでは確定申告の書類を郵送する際には何を用意すればいいのでしょうか。
同封する書類
まずは忘れてはならないのが「確定申告書」。そして「本人確認書類」です。本人確認書類は、添付書類台紙にコピーを貼り付けて送付します。
マイナンバーカードがあれば1枚で本人確認書類とできますが、マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類(通知カードやマイナンバーの記載がある住民票の写し、またはマイナンバーの記載がある住民票などのいずれか)と身分確認書類(運転免許証、パスポート、公的医療保険の被保険者証などのいずれか)を同封しましょう。
そのほか、国民年金保険料の控除証明書、生命保険料の控除証明書、医療費の領収書といった書類を必要に応じて添付しましょう。
※源泉徴収票は2019年4月1日より提出する必要がなくなりました。
書類を入れる封筒は?
封筒は確定申告書が入ればなんでもOKですが、一般的には書類を折り曲げずに入れられる「角形2号」(A4サイズが入るもの)がオススメです。
角形2号の送料は120円(50g以内)から140円(100g以内)程度。ただし、紛失などを避けるため「特定記録」「簡易書留」「レターパック」など、書類の追跡が可能なものがベターです(別途料金がかかります)。できれば郵便局へ足を運んで料金を確認すると良いでしょう。
郵送する書類は念入りに確認を。そして、送料に不足がないか十分に気をつけてくださいね。
確定申告で郵送するときの手順は?
書類などの準備ができたら、早速郵送してみましょう。
送付する税務署を確認
自分がどの税務署に送付すればいいのか把握していますか? これは住んでいる地域を管轄している税務署になりますが、確定申告会場が別に設けられていたりする場合、どこに提出すればいいのか分からなくなってしまいますよね。
国税庁のウェブサイトでは全国の税務署一覧が掲載されています。こちらから税務署の住所や管轄区域を調べることができます。
添付書類を再度確認
添付書類は全て揃っていますか? また忘れてしまいがちなのが確定申告書の控えと返信用の封筒です。
同封すると、受付印が押された確定申告書の控えを返送してもらえます。確定申告書の控えは、例えばローンを組むときなどに収入証明書として提出を求められることがあります。確定申告書のコピーでいいのではと思われるかもしれませんが、税務署の受領印がないと正規に税務署に提出したものか分かりません。
また、返信用封筒に切手を貼り、宛名を記載することを忘れずに!郵送で確定申告の書類を送った場合、添付書類の不備があると受理されませんので、十分に確認するようにしましょう。
確定申告で郵送する際の注意点
確定申告書類の郵送は、書類を封筒に入れて、投函するだけ!…ではあるのですが、いくつか気をつけておきたい点があります。
宅配便やゆうパックでは送れない!
確定申告書は「信書」となり、「郵便物」もしくは「信書便物」として送らなければなりません。つまり、宅配便などの「荷物」として送ることはできないのです。
消印に注意!
確定申告の締切ギリギリになると気になるのが、「いつまでに郵送すればよいか」ということです。消印の日付が提出日になるので、提出期限の当日の消印があれば間に合ったことになります。
ただ、ポストに投函だと翌日受付になる場合もあるので注意が必要です。提出期限の当日に郵送する場合は、郵便局の窓口で受け付けしてもらったほうが安心できます。税務署にちゃんと届いたかどうか不安だという人は簡易書留を利用すると良いでしょう。
税務署から控えが戻ってきたら受付印を確認
まれに、返送されてきた確定申告書類の控えに受付印が押されていない場合があります。後から受付印を押してもらうことはできますが、提出日の日付では押してもらえません。それでは期限後に申告したと誤解されてしまう場合もあります。そういう場合は、「期間内申告」という印を押してもらうようにすれば問題ありません。
確定申告書類の締切から余裕を持って郵送すれば、基本的には大丈夫です。封をする際の書類の確認は十分にしてくださいね。
まとめ
郵送することで、税務署に行く手間や時間を省くことができます。ただし、締切ギリギリの郵送となると、慌ててしまって添付する書類を同封し忘れるなど、ミスが起こる原因にもなります。時間を有効活用して、余裕を持って申告を済ませるようにしましょう。
(参考)【申告書の提出】:国税庁
(最終更新日:2021.02.05)