全国各地に存在する難読地名。読み方が難しい地名は地方に限らず、都内にも多くあるんです。都心部を離れると、不思議な伝説や豊かな歴史を持った魅力あるエリアがたくさんあります。
難読地名の読み方とともに、そのエリアの特徴についてご紹介していく当連載。今回は、23区を除いた東京都内にある3つの難読地名をピックアップしました。皆さんは一体いくつ読めますか。
廿里町
八王子市廿里町は、高尾駅の北側に沿って広がるエリアです。地名の由来は、京都からの距離が百里(約400km)とされ、中国式に「十十里」と書いたことから「廿里」となりました。
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読み「とどりまち」
「廿」は、数字の「20」を表す漢字です。しかし、音読みは「じゅう」、訓読みは「にじゅう」なのに、どうして「廿里(とどり)」と呼ぶのかははっきりわかっていないそう。この地名が読めたら一目置かれること間違いなしですね!
廿里町の大部分は廿里山(標高340m)の山地からなり、八王子八十八景のひとつである武蔵野陵墓地の一部や多摩森林科学園を有します。
多摩森林科学園は、森林に関する研究機関です。日本各地の桜の遺伝子を保存するために約1,500本の桜が植えられており、毎年多くの花見客で賑わいます。
青梅市
青梅市は、多摩地域北西部に位置します。関東山地と武蔵野台地にまたがり、中部には多摩川が流れています。
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読み「おうめし」
「青梅」(おうめ)と江東区にある「青海」(あおみ)を間違えてしまった…なんて話を聞いたことがある人も少なくないかもしれません。
青梅の中心市街地は多摩川の谷口集落です。江戸時代より、青梅街道の宿場町・青梅宿として発達しました。
古くから青梅縞、青梅綿といった綿織物や林業が盛んであり、歴史と伝統が織りなす場所。現在は、青梅大祭や青梅だるま市、青梅マラソンなどが街の風物詩として有名になっています。
地名の由来は、承平年間に平将門が市内天ケ瀬町にある金剛寺を訪れた際、馬の鞭に使用していた梅の枝を地に挿し、「我願い成就あらば栄ふべし。しからずば枯れよかし」と願をかけたところ、見事に梅の枝が根付き、夏を過ぎても実は青いまま枝に残っていたという「将門誓いの梅」という伝説から名付けられました。
青梅市の記事はこちら
【青梅に住む】~JR青梅線青梅駅 古き良き街並みを活かした街づくりが活発な街
福生市
福生市は都心から約40km、多摩地域西部に位置します。1966年ごろから東京のベットタウンとして発展しました。
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読み「ふっさし」
エリアの3分の1が米軍横田基地に利用されていることから、「基地のまち」というイメージが強いかもしれません。1960~70年代にはロック歌手の忌野清志郎さんやミュージシャンの大瀧詠一さん、作家の村上龍さんなど著名なアーティストなどを輩出した、文化の発信基地でもありました。
福生市の国道16号沿いには、飲食店や個性的な店が立ち並び、異文化の香りが漂います。
西側には多摩川、南北には玉川上水が流れ、美しい景観が広がっています。春には多摩川土手沿いの桜並木が美しく咲きます。
福生という地名の由来は諸説ありますが、室町時代に北から来る敵を防ぐ土地として、北方を「ふさぐ」土地を意味することから、「ふっさ」に転じたといわれています。
普段行き慣れていない場所だと、「読めない」と感じる地名があるものです。都心部を離れると、都内でも自然豊かで独自の街並みが感じられます。読み方とともに、それぞれのエリアの魅力を感じ取ってみてくださいね。
次回の難読地名コラムもどうぞお楽しみに!