住宅は高い買い物だけに、購入に二の足を踏む人が少なくないでしょう。また、住宅購入に際しては、長く住むことを考えておく必要もあるでしょう。快適な暮らしを実現するためには、間取り選びのコツを知ることが大切かもしれません。ここでは、住宅の「間取り選び」で失敗しないために、住宅を購入したみなさんから経験者だからこそわかる貴重なお話をうかがいました。
【質問】
住宅購入経験者にお聞きします。住宅購入前に、「間取り選び」で知っておきたかったことはありますか?
【回答数】
ある:67
ない:33
間取りの確認は大切! 動線はイメージしておきたい
アンケートの結果「ある」と答えた人が約7割いることがわかりました。実際に暮らし始めて動線の不自由さを感じている方や、将来の間取り変更が可能であるか、収納力を確認すればよかった、などの声が寄せられています。
【動線】
・部屋の広さ、間取り、内装などは誰しも気になりますが、実際に住み始めた時の「家族の動線」がけっこう重要です。実際の生活をイメージすれば、間取りの考え方も変わると思います。(50代/男性/正社員)
・子どもが反抗期になり親を避けるようになってきました。リビングに家族が集まる動線を活用した間取りの事を知っていたら、もう少し子どもとコミュニケーションがとれたのではないかと思っています。(40代/男性/正社員)
・母と同居しており、リビングをはさんでお互いの部屋があります。起床時間が違うと、リビングに隣接したキッチンで料理をしてリビングで食べることで、起こしてしまわないか気になってしまいます。玄関から廊下を通って奥にリビングとキッチンがあるタイプであれば、そのようなことはなかったのにと思います。(40代/女性/個人事業主)
・生活動線をもう少し考えればよかった。カッコよさを優先してしまった。(40代/女性/個人事業主)
・理想よりも、家族の動線のスムーズさなどをシミュレーションしておけばよかったです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・家事動線を考慮しておらず、購入後、実際に入居を始めてから家事がやりにくいため。(30代/女性/正社員)
・注文住宅の場合は設計や模型でしか仕上がりを想像することしかできない。希望した箇所は自分の思い通りに出来上がったが、細かく注意しなかった部分で気に入らない点があった。来客がリビングに入るときに、キッチンが見えてしまうことに気がついていなかったために後悔した。図面上は書いてあるが想像が足りなかった。(40代/女性/公務員)
【間取り変更が可能か】
・間取りを決めるときに確認したのは、“将来間取りを変更することができるかどうか”でした。その時は和室6畳をリビングルームに並べたのですが、“和室の床を変えてリビングルームを広くできるかどうか”について確認をしました。(50代/男性/正社員)
・子どもが成長することも考えて、間取りを変更できるような物件も知りたかった。(20代/男性/正社員)
・「間取り選び」で知っておきたかったことは、間取りが変更できるかどうかです。(40代/女性/個人事業主)
【収納】
・各部屋に収納がどれだけあるか知っておきたかった。部屋に収納家具を置くとその分狭くなるので、作り付けの収納ができれば欲しかったからです。(50代/女性/無職)
・荷物が多いため、収納できる部屋数がいくつあるかどうか知りたかった。1部屋が広いかどうかも気になる点でした。(40代/男性/個人事業主)
・間取りでつい洋間主体で考えてしまいましたが、ウォークインクローゼットならともかく、普通のクローゼットの場合と和室の押し入れではやはり荷物の収納力が違い、後々和室にすれば良かったと後悔しました。(50代/女性/正社員)
・グルニエと小屋裏収納のメリットとデメリットをもっとよく検討しておけばよかったです。(40代/男性/正社員)
実際に住み始めてから「使い勝手が悪い!」とならないためにも、スムーズな動線がかなう間取りにすることは大切であることがうかがえます。また、ライフスタイルの変化に応じて間取りも変化させていくことが可能かどうかも事前に確認しておきたいところです。荷物が多い方や、すっきりとした住まいがお好みの方は収納力や作り付け収納の有無もしっかり検討したほうが良さそうですね。
快適な暮らしをかなえる間取りを知っておきたかった!の声も多数
「標準的な間取りと配置は知っておきたかった」「快適な生活ができる間取りを知りたかった」など、間取りを考える際にそもそも気を付けるべきポイントを知りたかったという声や、「プロのアドバイスが欲しかった」といった声が上がっている点にも注目です。
・間取りは日当たりを考慮するべきだということを先に知っておきたかったです。住んでみると明るさが全然違いました。(20代/女性/パート・アルバイト)
・快適な間取りをあらかじめしっかりと知っておきたかったです。(30代/女性/個人事業主)
・同じ間取りでも水回りの動線や和室の有り無しなど、プロの立場からアドバイスが欲しかった。(50代/男性/正社員)
・日当たりの良い部分には、リビングをもってくるべきであるということ。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・日当たりの良い部屋、水回りの動線、家族の顔が見える配置などを知っておきたかったです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・家族4人が暮らす場合の標準的な間取りと配置は知っておきたかった。家を選ぶ際の基準の一つになりました。(40代/男性/正社員)
・どういう点に着目して選ぶべきなのかあらかじめ知っておきたかったと思いました。(40代/男性/個人事業主)
・どのような間取りにすれば快適に生活することができるか気になりました。(30代/男性/個人事業主)
まずは、間取りの基本的なポイントは把握しておいたほうが良いと言えるでしょう。家づくりに関する書籍を参考にしたり、住宅会社の担当者に聞いてみるのもよいでしょう。そこから、現在のライフスタイルや叶えたい理想の暮らし、さらに将来の家族構成なども視野にいれながら間取りを検討することが大切と言えますね。動線で後悔しないためには、しっかりと生活をイメージするのが良さそうです。
間取りの優先順位は低い! 重視すべき点はほかにもある
一方、約3割の人は「ない」と答えています。ここでは、その理由を紹介していきましょう。
・予算内で収めることが第一だったので、間取りはそれほど気にしませんでした。(40代/男性/正社員)
・購入する住宅の立地には関心がありましたが、自分の部屋も不要で、間取りにはこだわりがなかったからです。(50代/男性/正社員)
・間取りに関しては、主人に任せていたので、特に知っておきたい情報はありませんでした。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・何度も引っ越しをしたことがあり、どの間取りが使いにくいとか使いやすいというのを知っていたので、事前に担当者に詳しく何度も質問をして、好みの間取りを選んだので特にない。(40代/女性/正社員)
・不動産会社から詳しい説明があったので、知っておきたかったことは特にありません。(20代/女性/個人事業主)
・間取りに関しては理想的なイメージがハッキリしていたので、困ることはありませんでした。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・購入前に内覧してイメージをつかんでいたので、間取りに関して特に不満がないからです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・間取りに関しては、部屋数が確保されていれば、そんなにこだわりはなかったです。(40代/女性/正社員)
住宅購入に際して、間取りよりも購入資金や周辺環境を優先した人が多いことがわかりました。間取りへのこだわりや関わりが少なかった人も多く見受けられました。住み替えの経験が間取りの把握に役立った人もいるようです。また、必要な情報を住宅会社の担当者から聞いていると、それで納得できるのかもしれません。もちろん、間取りに無関心というわけではありませんが、重視したい点がほかにもあると間取りへの関心度が低くなるようですね。
住宅購入のためにはいろいろな点と向き合うことが大事!
住宅を購入する際には、生活スタイルに合わせて間取りを変更できるかどうかが大事なポイントになることがわかりました。住宅設計段階から関わった人、間取りは配偶者に任せた人など、住宅購入に至るまでにはいろいろなドラマがあるようです。もちろん、住宅を購入するための資金確保も大きな課題になってきます。住宅購入を目標としている人は、間取りだけでなく、いろいろな点と向き合うことが大切なようですね。そのためには、自分で情報収集するのはもちろん、住宅会社との連絡を密にすることも考えましょう。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル