災害リスク・治安・地域イベント…。住宅購入前の「街選び」で知っておきたい点は?

ストレスなく暮らすためには、住宅選びは慎重にすることが大切です。特に、持ち家の場合は、賃貸住宅のように簡単に引っ越すことができません。住み始めてから悔やまないためにも、街選びが鍵を握る場合もあります。街選びに際しては、外せない条件はあるのでしょうか。そこで、街選びの必要性やポイントを知るために、住宅購入経験者を対象にアンケートを実施しました。

【質問】

住宅購入経験者にお聞きします。住宅購入前に、「エリア・街・立地選び」で知っておきたかったことはありますか?

【回答数】

ある:85
ない:15

事前に知りたかった人は約8割! 人的環境のほか自然環境なども

アンケートの結果「ある」と答えた人が圧倒的に多いことがわかりました。その中では、スーパーや郵便局などの近隣施設や交通アクセス、お子さんの教育環境や通学環境に関するものが多く占めます。また、災害リスクや治安、地域イベントについて事前に知っておきたかったという声も挙がっています。

【近隣施設】
・今の住宅エリアには24時間営業のスーパーやコンビニエンスストアがないため、当たりまえのように24時間だと思って行くと閉店していた経験があります。(30代/女性/正社員)
・学校や最寄りの駅などは条件で入っているが、普段の日用品の買い物をする店の情報が細かく欲しかった。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅を購入すると、一生その場所に住む可能性が高いので、スーパーやコンビニ、交番等の場所については知っておきたい。(30代/女性/パート・アルバイト)
・病院や郵便局、警察署、コンビニやスーパー、学校が近くにあるのか知りたいと思いました。(40代/女性/パート・アルバイト)
・駅やスーパーが近いか、家の近隣が騒がしくないかなど、利便性や住みやすさは重要な要素だと思います。(30代/女性/個人事業主)
・近くに買い物施設、病院、学校があるかどうかを知っておきたかった。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・最寄り駅やスーパー、病院までの距離や、スーパーの営業時間についてです。(50代/男性/正社員)

【交通アクセス】
・駅からの距離と都市部への電車での移動時間です。遠いのは苦手な為。(40代/男性/正社員)
・電車やバスの駅からの距離や、幹線道路にでやすいかどうかなどの交通の便について。(40代/女性/パート・アルバイト)
・電車やバスの公共交通機関が発達している街、市役所や商業施設が割と近くにある街はチェックしました。(40代/男性/正社員)
・駅から近いか、駅から便利か、バスとかも。交通機関がどうなのか。(20代/女性/学生)
・交通機関の利便性です。最寄りの駅まで何分か、その駅はどれくらい電車が停まるかも知っておくと通勤・通学に役立ちます。(40代/女性/個人事業主)

【子どもの教育・通学環境】
・子どもの塾や教育環境。周辺のお店や子どもが遊べる場所など、子育てをしていく上で重要です。(30代/女性/個人事業主)
・子どもができた時に通わせる学校や幼稚園は近いのかとか、買い物に行くときに一番近いのはどこか知っておきたかったです。(30代/女性/無職)
・子どもがまだ幼い頃に住宅を購入しましたが、エリアにある幼稚園や保育園、小学校だけではなく中学や高校についても前もって調べておけばよかったです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・特に知りたかったのが学区。子どもを安心して通学させられる治安のよい立地で、死角が極力少ない、車等の交通量も多すぎない街選びが必要だった。(30代/男性/個人事業主)
・子どもが幼かったので、小中学校の有無やその距離、また買物に便利な場所かどうかも知りたかったです。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・子どもが通うことになる学校までの距離、ゴミステーションの位置、避難所の場所などは、見落としがちですが、結構大事なことです。(50代/女性/パート・アルバイト)
・子どもがいない時に購入した為、学区や保育園の事情等は全く考慮しなかった。結果的には問題なかったが、少しは調べておくべきだった。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・子どもが学校に行く通学ルートは安全なエリアであるかという点が一番知っておきたいと感じました。昼間だけではなく、部活等で遅く帰ることもあるので暗くなってからの様子も確認したいと感じました。(30代/女性/パート・アルバイト)

【災害リスク】
・ある程度長く生活をする拠点となるので、治安はもちろん、地震や大雨などの自然災害への備えなどを把握しておきたいと思いました。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・長く住むつもりで買うので、やはりエリア選びはこだわった方がいいと思うから。具体的には「水害などで浸水するかどうか」という点です。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・家ができてから自治体から配られたハザードマップをみたら浸水地域だったこと。また、避難場所が川の近くで避難する過程が危険そうなこと。(40代/女性/派遣社員)
・自然災害の多い昨今なので、現在のことではなくて、過去にその土地がどんな風だったのか。川だったり、盆地だったり、特に海水面からの高低差は確認しておきたかったです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・地盤や、海抜の高さなども、事前に知っておいたほうがいいと思います。(40代/男性/個人事業主)

【地域イベント】
・地域で開催する祭について知っておきたかったです。寄附金の集金が毎年あります(30代/女性/専業主婦(主夫))
・地域交流が盛んで、イベントも多いところで、住んでみて少し驚いた。(40代/男性/正社員)
・風土や地域イベントなどが分からなくて、しばらく近所との交流が取れなかった事。(40代/女性/個人事業主)

【治安】
・昼間と夜で駅からの道の印象が異なるので、事前に下調べしておけばよかった。(20代/男性/正社員)
・やっぱりエリア全体の雰囲気や治安については知っておかないといけないと思いました。(30代/女性/正社員)
・昼間にばかり立地をチェックするので、夜間も見ておくべきだったと思います。(50代/女性/個人事業主)

安心して暮らせるのはもちろん、不便を感じない環境は、快適な生活には欠かせないようです。子育て環境も条件のひとつですが、子どもがいない人は将来を見据えて考えておくとよいかもしれません。また、地域の付き合いについて把握することも大切だとわかりました。そのうえで、自然災害のリスクの確認も必要になるようですね。住宅購入に際しては、人的環境や自然環境など、いろいろな角度からの総合的な判断が重要だとわかる結果となりました。

将来を見据えて、開発計画なども要チェック!

たくさんの回答の中で注目したいのが、「店舗の出店計画や開発計画等を知っておけばよかった」という声です。利便性の向上や地域の発展につながる計画だけでなく、逆に騒音等が発生する可能性もあります。事前に確認しておくとより良いと言えるでしょう。

・周辺エリアの再開発計画や大型店舗の出店計画などがあれば、将来的に便利な立地の物件を選べたのにと思う。(50代/男性/正社員)
・長いスパンでのそのエリアの開発計画を知っておきたかったです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・建設予定の大手テナントがあることを知らず、閑静な住宅街だと思っていたのですが、建設された後には車の往来が増え、夜中まで音が気になるようになりました。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・近くに建設予定されているもの。今の家を購入したあとに近くに買い物ができる場所ができて、本当によかったと思うため。(20代/女性/正社員)
・その地域の発展性や利便性について確認したかったと思いました。開発の状況や小売店の出店など、毎日の暮らしの利便性に繋がる事柄を詳しく知る必要があったと痛感しています。(40代/男性/正社員)

約2割の人は事前に知っていた! ただし状況変化の確認は必要

一方で知っておきたかったことが「ない」と答えた人には、どのような意見があるのでしょうか。気になるところです。

・昔からよく知っている立地だったのでその必要はありませんでした。(40代/女性/個人事業主)
・団地からマンションに引っ越したが、隣接地なので、すべて知っていた。(60代/男性/個人事業主)
・もともと地元の近くの物件を探したのでよく知っていた。駅にも近く都心に出やすく、少しの自然があればよかった。(40代/女性/個人事業主)
・土地が親名義であり、実家の近くだったため土地勘はあった。駅から徒歩10分の距離なので大変便利。ただ、自宅前の通路が狭いために、よく車が渋滞することを住み始めてから知った。(40代/女性/専業主婦(主夫))

土地勘がある人や、近隣に引っ越す場合は、改めて情報収集する必要がないようです。また、地元に住んでいると、交通機関情報や自然環境など、具体的な情報が得られやすくなるかもしれません。一方、暮らしてから気づくこともあったという、親の土地に家を建てた人からの声にも注目です。このような経験もあり、知識や先入観に頼るのはよくないことがわかりました。住宅購入に際しては、交通事情など状況の変化を把握しておく必要があるようですね。

購入した住宅で快適に生活するためには街選びも慎重に!

アンケート結果では、住宅購入前に知っておきたいことの「ある」「なし」について貴重な意見を聞くことができました。どちらにも共通しているのは、まわりの環境を重視するという点です。知らない土地で暮らす場合は新たな情報収集が必要ですが、地元から選ぶ場合でも先入観にとらわれないことが大事なようです。購入した住宅で快適に生活するには、不安要素を取り除くことが大切です。そのためには、住宅の間取りや設備だけではなく、街選びも慎重に検討しましょう。

■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル

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