それ本当? 「ひな人形」をしまい遅れると晩婚になる説、言い伝えの背景

美しいひな人形や桃の花を飾り、女の子の健やかな成長を祝う桃の節句。女性にとって心が華やぐ風習ですが、一方で「ひな人形をしまうのが遅いと婚期が遅くなる」という言い伝えを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。そこで、婚活関連のWEBメディア「縁結び大学」を運営する株式会社ネクストレベルが30歳以上の女性330人を対象に行った「ひな祭りアンケート」から、このウワサの真偽を検証しました。

大人も子どもも気にしている「婚期」の言い伝え

50歳の時点で一度も結婚したことのない人の割合を表す生涯未婚率。内閣府が発行した平成30年少子化社会対策白書によると、女性の生涯未婚率は1995年頃から急激に上昇し、2015年時点で14.1%となっています。一方で、18~34歳の未婚女性のうち、「いずれ結婚するつもり」と回答した人は89.3%と高く、およそ9割の女性は結婚願望があると考えられます。「結婚したいのにできない」、そう思っている人の中には、ひな人形の言い伝えを信じる人もいるのではないでしょうか。

では、「ひな人形をしまうのが遅いと婚期が遅くなる」という言い伝えは、どの程度浸透しているのでしょうか。この言い伝えについて知っているかを尋ねた質問では、97.3%が「はい」と回答しています。

出典:株式会社ネクストレベル「ひな祭りアンケート」

この言い伝えはほとんどの人に認知されていることから、日本人にとってなじみ深いものであるといえそうです。さらに、87.2%の人がこの言い伝えを周りの大人から聞いたと答えており、言い伝えに従っていたかを尋ねた質問では、61.5%が「はい」と回答しています。

では、この言い伝えを実際に信じている人はどの程度いるのでしょうか。言い伝えを信じるかを尋ねた質問では、以下のような結果になりました。

出典:株式会社ネクストレベル「ひな祭りアンケート」

「はい」は7.3%にとどまり、言い伝えを信じている人は少数派のようです。一方で、「なんとも言えない」と答えた人が46.2%に上ることから、迷信とは思いつつも、言い伝えを気にしている人は少なくないと考えられます。

言い伝えの背景を紹介。科学的な根拠は?

そもそも、「ひな人形をしまうのが遅いと婚期が遅くなる」という言い伝えにはどのような背景があるのでしょうか。この言い伝えの背景として、しつけ説、厄払い説、結婚象徴説の3つがあるようです。

しつけ説

「行事が終わった後も出しっ放しで、片付けもできないようでは立派な女性になれない。またそんな女性は、お嫁に行けなくなりますよ」という教育的視点が通説になったもの。

厄払い説

桃の節句は、ひな人形に子どもの穢れを移して厄を祓う行事でもあるため、いつまでも片付けずにそばに置いておくと、せっかく祓った厄が戻ってきてしまうという考えから、そうならないよう“早くしまって厄を遠ざけなければ厄が戻ってしまう=結婚できない”という言い伝えに変化したもの。

結婚象徴説

ひな人形は、お内裏様とおひな様の婚礼を象徴していることから、ひな人形を飾る時期を女の子の結婚の時期になぞらえたもの。早くから出せば「早く嫁に出す」、早く片付ければ「早く片付く(嫁に行く)」ともいわれる。

こうした背景をみたところ、どれも「ひな人形をしまうのが遅いと婚期が遅くなる」という説については、もちろん科学的・統計学的根拠とはいえないようです。ひな人形をしまう時期が遅れたからといって、必ずしも晩婚になるとは限らないでしょう。ただし、3つの背景が説く「きちんと片付けができる女性」、「厄を引き受けてくれるお人形への感謝を表せる女性」、「当たり前のことがきちんとできる女性」が魅力的なのは事実。ひな祭りに限らず、日ごろから意識して過ごしてみてはどうでしょうか。

いつしまうのがベスト?

実際、ひな人形をしまうタイミングに決まりはありませんが、「啓蟄」(けいちつ)がベストだと言われています。 啓蟄は二十四節気のひとつで、3月6日ごろを指します。遅くとも3月中旬までの天気の良い、乾燥している日にしまいましょう。

まとめ

今回の調査から、「ひな人形をしまうのが遅いと婚期が遅くなる」というのは単なる迷信ととらえる人が多いことが分かりました。一方で、言い伝えを気にしている層も一定数いることから、晩婚を避けたい女性は、ひな人形を早めにしまう方が、気持ちがすっきりするかもしれませんね。

【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
アンケート母数:計330名
実施日または時期:2020年02月21日~2020年02月25日
調査会社:株式会社ネクストレベル

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社ネクストレベル

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