昨今、テレビや雑誌などでは「終活」が話題となっていますが、皆さんは「住まいの終活」という言葉を聞いたことがありますか?
解体・外構工事の一括見積もりWebサービスを運営する株式会社クラッソーネが、住居用不動産を所有する50歳以上の男女536名を対象に実施した「住まいの終活に対する意識調査」によると、「住まいの終活」の認知度は32.6%と低く、多くの人は子や親族などの相続予定者と住まいについての相談ができていないことが分かりました。
「住まいの就活」の認知度は低いものの、意味を知れば必要性を感じる人が多い
株式会社クラッソーネが実施した調査によると、「終活」と「住まいの終活」という言葉について、「終活」を知っていると答えた人は89%であるのに対し、「住まいの終活」を知っている人は30.6%と少ない実態が明らかになりました。
「住まいの終活」とは、住まいの所有者やその相続予定者が元気なうちに、相続発生前の住まいを将来どうするのか考えることです。この意味を説明したうえで、その必要性を尋ねると、「とても必要だと思う」と答えた人が32.6%、「ある程度必要だと思う」は47.9%でした。言葉の意味が分かると、必要性を感じる人が80%以上に上っています。
「住まいの就活」を知っていても具体的に取り組めている人は少ない
それでは、「住まいの終活」を「知っている」と答えた人は、何か具体的に取り組んでいるのでしょうか。「住まいの終活として、何をやっています(ました)か?(複数回答可)」という質問に対する回答を見ると、「まだ何もやっていないが、今後やるつもり」が最も多く、43.3%でした。また、「何もやっていないし、やるつもりもない」と答えた人も11.6%を占めており、合わせて54.9%の人が今は何もしていないことが分かりました。
一方、「住まいの終活」に取り組んでいる人の回答としては、「子どもや親族と話し合っている/合った」20.1%、「相続、生前贈与、売却などの住まいの対応を決めている/決めた」9.8%、「書籍やインターネット、セミナー参加などで情報収拾をしている/した」8.5%と続いています。この結果から、話し合いや情報収拾などを行う人はある程度存在するものの、住まいの対応が決定している人は少ないことが分かります。
所有不動産は子や親族に受け継ぐ見込みの人が約5割。生前贈与より死後相続が多数
「ご自分が亡くなった後、今のお住まいや所有不動産はどうなることが見込まれますか(複数回答可)」という質問では、「家族や親族に受け継ぐことを見込んでいる人」が49.2%に上りました。そのほか、「どうするか決めていない人」は42.2%、「売却などで生前処分を見込んでいる人」は10.3%となっています。
「売却などで生前処分を見込んでいる人」以外を対象にした「所有不動産をお子さんや親族に、相続、もしくは、生前贈与したいと考えていますか?」という質問では、「まだ分からない」が最も多く57.9%でした。そのほか、「相続を予定している」が32.4%、「相続も生前贈与も予定している」が4.9%、「生前贈与を予定している」が4.7%となっています。生前贈与より相続を考えている人が多いことから、自身が死ぬまで所有不動産に居住し、死後に相続する人が多数派である様子がうかがえます。
子や親族への相続・生前贈与を予定していながら、相談できていない人が多数
相続もしくは生前贈与を予定している人を対象にした、「相続後、もしくは、生前贈与後に受け継いだ人が所有不動産をどのように活用して欲しいと思うか(複数回答可)」という質問では、「そのまま住んで欲しい」が33.2%、「建替/リフォームして住んで欲しい」が19.5%で、合わせて52.7%の人が現在所有不動産のある場所に住んで欲しいと思っていることが分かりました。
しかし、「相続や生前贈与について、子や親族に相談しているか」という質問では、「相談したいと思っているが、まだできていない」が最も多く49.3%に上っています。また、「相談していないし、相談したいと思っていない」も26.8%を占め、相続や生前贈与の意向があるものの、約4分の3が受け継ぐ人と意向のすり合わせができていない実態が明らかになりました。
まとめ
最近では、住む人や相続者のいなくなった空き家の増加が社会問題となっています。そのような空き家を増やさないためにも、早めに親族へ相談したり、売却を検討したりするなど、「住まいの終活」に取り組むことが大切です。
【調査概要】
■調査方法:インターネットによる調査
■調査期間:2020年2月6日~2月8日
■調査対象:住居用不動産を所有する50歳以上の男女536名
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社クラッソーネ