日本は、地理的環境から地震や台風などの自然災害の多い国といわれています。国の地震調査委員会が、今後30年で南海トラフ地震が起こる確率を70~80%と想定していることからも、今後も地震をはじめとした自然災害への備えが必要と考えられています。そこで今回は、日本全国でホームセンターを展開するDCMホールディングス株式会社(以下DCM)が、東北地方の自社ホームセンター4店舗で行った「え!?知らなかった!防災DIYの新常識」についてのアンケート結果から見えてきた防災対策の現状と、最新の防災知識について解説します。
じゅうぶんに対策ができている人はわずか7%
内閣府が、東日本大震災の経験者を対象に行った「避難に関する総合的対策の推進に関する実態調査結果報告書」によると、震災の際にいくつの避難所に行ったかを尋ねたところ、「避難所には行っていない」と回答した人が全体の71%に上りました。すでに避難所が他の避難者でいっぱいの場合や、ペットや小さな子ども、高齢者のいる家庭では周りに迷惑がかかることを懸念し、避難所に行くのをためらう傾向にあることから、避難所を利用しない人が多いようです。
こうした避難所を利用しない人たちは、自宅などで過ごすための対策を整えているのでしょうか。今回のアンケートで、対策をしているかどうかを尋ねた質問では、「十分に対策している」と回答した人は全体の7%にとどまりました。
一方、60%の人が「一部対策している」、33%の人が「対策していない」と回答。避難所の利用率が低いことを考慮すると、なおのこと家庭での対策が重要となりますが、93%の人は対策が十分でないと感じているようです。
意外と知らない⁉ 最新防災ノウハウを紹介
過去の災害の経験から、常に新たな対策が生まれています。防災ノウハウが変化した項目について、従来のやり方と最新のノウハウを提示し、周知状況を調査したところ、7割以上の項目で過半数の人が「知らなかった」と回答したことが分かりました。
半数以上が「知らなかった」と回答した5つの項目について、以下で詳しく紹介します。
飛散防止フィルム…従来は地震の揺れでガラスが割れるのを防ぐものと思われていましたが、破片が部屋に散らばるのを防ぐ効果があるため、風水害にも役立ちます。
トイレの流し方…従来は断水時、お風呂の水でトイレを流すと言われていましたが、無理に水を流すと排水管が詰まり汚水が逆流する場合があります。排水管の無事が確認できるまでは流さず、携帯トイレや凝固剤を使うことをおすすめします。
家具の固定範囲…家具は本体を止めても中身や引き出しが飛び出してくる恐れがあります。中身の飛び出し落下防止の対策が必要です。
家具の固定方法…L型金具で家具を固定する場合、強度は高いが壁に穴を開ける必要があります。壁に穴を開けたくない場合は強粘着固定具やポール式器具等、穴を開けずに家具を止める器具を使いましょう。
非常食…これまで非常食は「炭水化物」と「和食」が中心でしたが、避難所等で配布されやすいごはんや揚げ物とは別に、栄養バランスを考え食料を揃えましょう。
次に、対策のためのグッズをどこで購入するかを尋ねたところ、「ホームセンター」の55%がトップで、「100円ショップ」14%、「ドラッグストア」10%、「スーパー」9%と続きます。
まとめ
2019年の台風15号で発生した大規模停電の際には、スマートフォンの充電のために長蛇の列ができる様子が多く報道されました。安否確認だけでなく、情報収集のツールとしてスマートフォンを活用しているためと考えられ、モバイルバッテリーの必要性が再確認されるきっかけとなりました。
ほかにも食料の備蓄方法として、普段から多めに食材や加工品を購入し、使ったら使った分だけ買い足して、常に一定の量の食料を家に備蓄しておくローリングストック法が主流となるなど、対策は、被災経験とその反省により、常に変化しています。いざという時に慌てないためにも、家庭の防災について見直してみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
名称:「え!?知らなかった!防災DIYの新常識」についてのアンケート
実施時期:2020年1月25日(土)、26日(日)
調査店舗:DCMサンワ八食店(青森県)、DCMホーマック盛南店(岩手県)、DCMホーマック石巻蛇田店(宮城県)、DCMホーマック名取店(宮城県)、
調査方法:回答用紙に記入して提出
有効回答数:267名
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:DCMホールディングス株式会社