「ファミリー層の多い、閑静な街に住みたい」「にぎやかで活気のある街がいい」など、人それぞれ住まいのエリアに求める条件は異なります。できるだけ自分の希望に近い場所を見つけるためには、さまざまな視点から探してみるのがおすすめです。そこで、東京23区をさまざまな観点から徹底比較。今回は、「住んでいる人」にスポットを当て、住民の平均年齢・婚姻率・世帯数などをランキング形式でご紹介します。
1日のうち、自宅で過ごす時間はどのくらい?
働き方改革によってリモートワークや在宅勤務も増加するなか、「家」に住み心地の良さを求める人も多いのではないでしょうか。NHK「国民生活時間調査(2015年調査)」によると、男女年層別・職業別の在宅時間は以下のとおり。
平日<土曜日<日曜日の順に長くなる傾向にあります。
<年層別 平均在宅時間>
<職業別 平均在宅時間>
調査結果によると、20代~40代男女は日曜日に最大17時間もの時間を自宅で過ごしていることが分かります。つまり、充実した時間を過ごすためには、生活環境が重要なカギとなるのです。
治安・立地・住宅の価格帯など、住む場所を選ぶときにはさまざまな条件を吟味しなければなりません。とくに東京や大阪をはじめとする主要都市は、エリアによって住み心地が異なることも多く、幅広い観点から慎重に選んでいく必要があるでしょう。そこで住む場所に迷ったときのために以下にエリア別のランキングをまとめてみました。
平均年齢のもっとも高い&低いエリアはどこ?
住んでいる人々によって街の雰囲気は異なるもの。「若い世代が多い街は活気に満ちていてにぎやか」「シニア世代が中心のエリアは静かで落ち着いた印象」など、年齢層によっても雰囲気は変わります。では、23区内の平均年齢はエリアによってどのくらい異なるのでしょうか。平均年齢の高い街、低い街をそれぞれチェックしてみましょう。
<平均年齢の高いエリア トップ5>
<平均年齢の低いエリア トップ5>
平均年齢の高いエリア1位は、面積が23区内で最小の台東区。上野や浅草など昭和初期の街並みを残す場所も多いものの、近年商業地化も進んでいる場所です。一方、平均年齢の低い街のトップは中央区で、平均年齢は約41歳。次いで、千代田区や港区など比較的ビジネスエリアの多い街がランクインしています。
1位は面積が広いあの区! 「世帯数」ランキング
世帯数とは、“家族”として独立して生活している集まりを指す言葉です。単身世帯が増加するなか、23区の世帯数はどのようなランキングになるのでしょうか。
<世帯数ランキング トップ5>
世帯数1位は、23区トップクラスの人口を有する世田谷区です。都心15km圏というほど良い立地でファミリー層からの人気も高いエリアです。都内でも指折りの住宅密集地域であり、広い範囲で住宅街区が存在します。
住民のうち何割が結婚している? 「婚姻率」ランキング
1990年代から徐々に進んでいる未婚化、晩婚化。2015年実施の国勢調査にも結果が顕著に表れており、単身世帯率は34%を超えていました。なかでも単身世帯率がもっとも高いのが東京で、世代別に見ても全国平均を上回るパーセンテージです。では、23区内でもっとも婚姻率が高いエリアはどこなのでしょうか。
【婚姻率って?】
婚姻率とは人口1,000人あたりの婚姻件数のことで、「全体の婚姻件数÷人口×1,000」で算出されます。つまり、婚姻件数が多いからといって婚姻率が比例して高くなるわけではありません。
<婚姻率ランキング トップ5>
23区内でもっとも婚姻率が高いのは、東京23区のほぼ真ん中に位置する「中央区」。区内には、日本橋・八重洲・銀座・築地などの街があり、近年は都市部再開発が進む臨海部への大規模マンション開発、建設が進められています。再開発によるマンションや団地の増加が婚姻率の増加にも影響していると推察されます。
次いで、千代田区が婚姻率の高い区にランクインしています。
千代田区は婚姻件数がわずか584件と少なめですが、婚姻率では23区内で第3位です。オフィス街のイメージが強い千代田区は、夜間人口(住民や夜間勤務の人数)が23区でもっとも少なく、中心市街地で生じている人口減少の象徴ともいえる街。そのため、婚姻件数自体は少なくとも、婚姻率が高い状態になっています。
数字で見比べてみると、それぞれの街の特色や雰囲気がイメージできるもの。住まい選びの際は、各エリアのランキングを参考にしてみてくださいね。
<参考>