東京五輪(以後、五輪)が開催される2020年。財務省が公表した「令和2年度政府経済見通し」によると、今後の経済動静について「雇用・所得環境の改善が続き、経済の好循環がさらに進展する中で、内需を中心とした景気回復が見込まれる」と楽観的な見方が示されています。不動産価格が今後どう推移するかについては、各所で活発に議論が行われており、様々な見解が出されています。例えば、独立行政法人経済産業研究所は、2020年景気見通しについて、「五輪後の景気反動減は限定的」と予測しています。さて、消費者は、五輪後の不動産価格をどう見ているのでしょう。
不動産のセカンドオピニオンサイト「住まいサーフィン」(スタイルアクト株式会社)が、直近3ヶ月の間に新築マンションの販売センターに足を運んだ登録会員に向けて、「一年後のマンション価格予測」をテーマにアンケート調査を実施。五輪一年後のマンション価格予測、ならびにマンションの買い時感、売り時感について尋ねました。
五輪一年後にマンション価格「下がる」が過去最高に!
今回の意識調査アンケート結果をグラフで見てみましょう。マンション価格が、五輪の一年後に「下がる」と予測する人が過去最高の割合になりました。「下がる」は特に都区部で顕著であり、3割を越えています。
回復の兆しを見せ始めるマンション「買い時」感
次に、マンションの「買い時」感の推移を見てみましょう。空前の低金利が続く中、1年後のマンション価格について尋ねた今回の調査では、買い時DI(「買い時だと思う」の数値から「買い時だと思わない」の数値を差し引いた数値)が、2019年10月に実施した調査時からやや回復を見せ、前回比+9.7ポイントとなりました。
高水準をキープするマンション「売り時」感
続いて、マンションの「売り時」感の推移を見てみましょう。「売り時」感は、ここ一年の意識調査を通して高い水準を維持しており、1年後のマンション価格について尋ねた今回の調査では、6割を超える人が「売り時である」「やや売り時である」と答えています。
まとめ
低金利が続き、2019年10月に実施した前回の調査結果と比較すると「買い時」と感じる割合はやや回復傾向ですが、五輪開催を間近に控え、都区部を中心に一年後の価格下落を予測する割合が、過去最高となっています。また、都区部では7割が「売り時」と感じており、五輪終了後に売却を考える人が増える可能性もあります。五輪開催は、マンションの購入意欲や売却意欲に少なからず影響しているといえそうです。
【調査概要】
調査目的:マンション購入検討者の意識調査
調査時期:2020年1月23日〜2月4日
調査地域:全国
有効回答者数:259
調査対象者:Webサイト「住まいサーフィン」会員(同サイトの登録会員25万人のうち、直近3ヶ月間に新築マンションの販売センターに行ったことのある人のみを対象)
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元: スタイルアクト株式会社