年末の恒例行事といわれてきた大掃除ですが、年末に大掃除の時間を確保できない人や普段からこまめに掃除を行う小掃除をする人の増加といった、生活スタイルや価値観の変化から、近年は実施する人が減少しているようです。花王株式会社が実施した「2018年の年末大掃除」の調査では、2011年の66%から8ポイント減少しており、2018年の大掃除実施率は58%となっています。そんななか、近年注目を集めているのが家事や掃除代行サービスです。暮らしの困りごとを解決するプラットフォーム「生活110番」を運営するシェアリングテクノロジー株式会社が実施した、「年末年始の掃除に関する実態調査」から、掃除代行サービスの利用者の実態について考えました。
年末年始の掃除代行・人気の依頼箇所ベスト5
2019年~2020年の年末年始掃除で、掃除代行サービスを依頼した人を対象に、依頼した掃除箇所について尋ねた質問で、人気の掃除箇所が明らかになりました。
トップは「キッチン」の63.3%。続いて2位「換気扇・レンジフード」63.1%、3位「浴室・洗面所」62.9%、4位「トイレ」49.2%、5位「エアコン(室内側)」40.4%となりました。特に上位を占めた水回りやエアコンは、蓄積したがんこな汚れやカビなどを除去するのが個人では難しい場合もあるため、プロに依頼する家庭が多いようです。
次に、掃除代行サービスを依頼しなかった年と比較して、依頼したことで年末年始を満足して過ごせたか尋ねた質問では、以下のような結果になりました。
「満足」50.2%、「やや満足」28.1%を合わせた78.3%が、年末年始を満足して過ごせたと回答していることが分かります。具体的には以下のような声が寄せられました。
■年末年始に実現できたことの回答例
・自分で掃除をおこなうよりずっときれいになった
・1日で大掃除を終わることができた
・ほかの場所の掃除や家事ができた
・エアコンを掃除してもらい、安心して使用することができた
・掃除時間を「趣味」「勉強」「仕事」などへあてることができた
・ゆっくり家族と過ごす時間が増えた
・時間に余裕ができ、旅行へ行くことができた
・友達を呼び、忘年会ができた
・自分では得られない、プロ仕様の掃除ノウハウの一部を教わった
掃除代行を依頼することにより、時間を有効活用することができ、心に余裕が生まれた人が多いようです。
世帯年収が高くなるにつれて、掃除代行サービス利用者が増加
年末年始の掃除スタイルについての質問では、以下のような結果になりました。
年末年始に「ハウスクリーニング・家事代行を依頼」したのは3.3%にとどまっています。シェアリングテクノロジーによる調査では、掃除代行の依頼箇所は1~3ヶ所が4割以上と、少ない箇所を集中的に依頼することが分かっており、基本的には自分や家族で掃除し、一部掃除代行を依頼するスタイルが一般的なようです。また、そもそも年末年始に「掃除しない」人が22.0%おり、近年のライフスタイルが変化してきているといえます。
次に、世帯年収と掃除代行サービスの利用関係についての調査では、世帯年収に比例して掃除代行サービスの利用率が高くなる傾向が見られました。
平均世帯年収560万円のゾーンである400~600万円の利用率は2%、世帯年収が800万円以上は10%弱となっており、掃除代行サービスの利用率がまだまだ低いことは否めません。掃除代行をはじめとする家事代行の利用率が上がらない背景には、費用面の心配のほか、他人を家の中に入れることに抵抗があるという、日本人独特の価値観があると考えられています。
まとめ
ハウスクリーニングや家事代行は費用がかかるため敷居が高いと思われがちですが、最近はマッチングプラットフォームの登場により、比較的安価に利用できるサービスも登場しています。また、共働き家庭が増加しているなかで、今後徐々にお金と時間の使い方について、価値観が変化していくと考えられています。掃除代行サービスは、必要な箇所の掃除を依頼できるため、試しに1ヶ所だけ依頼することも可能です。まずは一度利用して時間の有効活用をするとともに、プロならではの掃除テクニックを体感してみてはいかがでしょう。
【調査概要】
調査名:家の掃除に関するアンケート
調査実施:2020年1月上旬~中旬
調査方法:インターネットリサーチ
調査人数:全国の男女502人(スクリーニング:17.408人)
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:シェアリングテクノロジー株式会社