台風や大雨、地震など、日本各地で続いている自然災害。防災意識も高まる中、総合マーケティング支援を行う株式会社ネオマーケティングが、5年以内に被災によって避難所へ宿泊した経験がある全国の20~69歳の男女500人を対象に、「災害時避難所」をテーマにしたインターネットリサーチを実施。今回はその結果から、「避難所での困りごと」を紹介します。
宿泊した避難場所の約半数は「小中学校・高校」、最も多い原因は「台風」
5年以内に被災により避難所へ宿泊した人に避難場所について尋ねた質問では、「小中学校・高校(246人・49.2%)」が最も多く、続いて「公民館(190人・38.0%)」、「社会福祉施設(42人・8.4%)」となっています。原因となった災害については、「台風(254人・50.8%)」が第1位で、「豪雨(153人・30.6%)」、「地震(92人・18.4%)」、「火山噴火(1人・0.2%)」と続いています。
「台風」による災害は近年数多く発生していて、内閣府が公開している「防災情報のページ」によれば、2015~2019年の5年間だけでも、30もの台風が内閣府による「激甚災害」に指定されています。台風による避難経験者の多さは、近年発生する台風の激甚化を物語っているといえそうです。
避難所で困ったことの第1位は「トイレ」で、数の不足が深刻
避難所での生活で困ったことについて尋ねたところ、「トイレ(297人・59.4%)」が最も多い回答でした。さらに「トイレ」で困ったことを尋ねた質問では、「トイレの数が少ない(242人・48.4%)」という回答が最多となり、一度にたくさんの避難者を受け入れる避難所では、トイレの数不足が問題になっているようです。2位には「清潔でない(37.2%)」が続き、他にも、女性や高齢者への配慮がないことにも困った人が多かったようです。こうした声を参考に、避難所へ持っていく防災グッズとして、簡易トイレや携帯トイレ、除菌シートなどを準備しておくとよいでしょう。
避難所に整えてほしいもの1位は「トイレ」。設備の整備に「寄付」をする人は7割前後
避難所で整えてほしいものを尋ねた質問では、やはり「トイレ(344人・68.8%)」が第1位という結果に。世界のさまざまな社会課題を解決するための活動を行なっている「ソーシャル・グッド・プロデューサー」の石川淳哉さんは、「季節によってはトイレが感染症の原因になったりすることもあります。暗がりで犯罪の温床になることもあるのです」と話し、清潔で明るいトイレを整備することの重要性を訴えます。
続いて2位には「プライバシーの確保(257人・51.4%)」、3位が「飲料水(240人・48.0%)」4位に「寒さや暑さ対策(225人・45.0%)」、5位「食料(218人・43.6%)」といった結果になっています。そこで、地域の避難所の設備を整えるために必要な費用について尋ねたところ、いずれの設備でも「寄付する」と回答した人が7割前後。多くの人が避難所の施設の整備のために、寄付することを前向きに考えていることがわかりました。
約8割が避難場所を事前に「知っていた」と回答
避難する前から避難場所を「知っていた」と答えた人は82.8%で、多くの人が自分が住む地域の避難所がどこにあるか事前に把握していたようです。また、避難時にほしい情報についても、過半数が「災害に関する情報(390人・78.0%)」と答えています。災害に関する情報収集については、今はスマホがあれば気象庁の発表や自治体ごとの避難情報なども簡単に調べられるので、スマホはできるだけフル充電の状態にしておきたいものです。とはいえ、充電が切れてしまったり避難場所でなかなか充電できない場合もあるため、予備のバッテリーや電池式の携帯ラジオも備えておくとよいでしょう。
まとめ
最近だけでも2018年に西日本を襲った「7月豪雨」や「北海道胆振東部地震」、2019年に千葉県で続いた豪雨や台風などは記憶に新しく、またいつ災害が起こるかわかりません。また国の地震調査委員会は2020年1月、今後30年で南海トラフ地震が発生する確率は70~80%と発表しています。いざという時に備えて、ハザードマップや避難場所の確認はもちろん、避難場所への移動手段、情報確保の方法、防災グッズの点検など、自分たちの身を守るために必要なことを家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式
調査対象:アイリサーチ登録モニターのうち、5年以内に被災によって避難所に宿泊した経験のある全国の20~69歳の男女
調査実施日:2019年12月23日~25日
有効回答数:500名
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社ネオマーケティング