人や動物の間で広く感染症を引き起こすコロナウイルス。2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において、新型コロナウイルスが原因とみられる肺炎の発生が報告されたことを皮切りに、中国を中心に世界各国で新型コロナウイルスに関連した感染症の症例報告が相次いでいます。日本でも、2020年1月に新型コロナウイルスが原因とみられる肺炎の患者の報告だけでなく、2月8日には現地で入院中だった日本人男性も亡くなる報道があるなど、連日ニュースで大きく取り上げられています。医療法人社団SEC新宿駅前クリニックが社会人を対象に行った「新型肺炎の対策及び意識調査」から、新型肺炎がどのように捉えられているのか見えてきました。
新型肺炎に対し、約9割が不安と回答。接客業など、対策を実施する企業も
9割近くが不安を感じている現状
中国武漢を中心に拡大する新型肺炎について、不安を感じているか尋ねた質問では、「不安」45.5%と「やや不安」41%を合わせた86.5%が不安を感じていることが分かりました。
どういった点に対し不安を感じるか尋ねたところ、「子どもが小学校と保育園なので子どもたちに感染したらと思うと不安になります。(30代:女性)」といった感染に対する不安のほか、「観光客が減少して商品の売り上げも悪くならないかということ。(30代:男性)」など、インバウンドによる収益を見込んでいた人からは、経済活動に関する不安の声が挙がりました。
今後日本でも感染が広がると予想
また、今後新型肺炎の感染が日本で広がると思うか尋ねた質問では、「思う」41.5%、「やや思う」40%と、多くの人が今後日本での感染拡大を予想しているようです。
中国のお正月である春節に際し、日本への観光客や日本在住の中国人の出入国が増えることから、感染を警戒して外出を控える人も多いようです。回答者からは、「外国人観光客が集まりそうな観光スポットや人口密度が高い所には近寄らないようにしている。(40代:男性)」、「国内ではないが、中国(上海)への旅行を計画していたためキャンセルした。(30代:女性)」といった意見も出ています。
勤務先で新型肺炎についてアナウンスや対策がなされているかを尋ねた質問では、「あった」23%、「ない」77%となっており、アナウンスや対策をしている会社は約2割にとどまっています。なかでも、接客業やサービス業のほか、海外との取引が多い会社では「中国への海外出張の制限、海外とはテレビ電話などの活用、出張からの帰国時の注意などの指示が出された。(団体職員/50代:男性)」、「もともとマスクの着用は病気などの時の許可制だったのが、自分だけの判断で着用してもいいことになった。(販売員/50代:女性)」といった対策が実施されているようです。
自主的に対策を行っている人は約半数。正しい対策法とは
約半数は個人的な対策を講じている
大多数の会社で対策がなされていない現状があるなか、個人で行っている新型肺炎の対策について尋ねた質問では、以下のような結果になりました。
個人的な対策を「行っている」18.5%、「やや行っている」35.5%を合わせた54%がなんらかの対策を行っていると回答しており、マスクを対策として活用したいと考えている人は70%(「購入した」39.5%、「購入したいと思っている」30.5%)にのぼりました。
厚生労働省は、正しい予防法として咳エチケットや手洗い、うがい、アルコール消毒などを紹介しており、風邪や季節性インフルエンザの予防と同様の対策が有効であるとしています。また、新型肺炎は現時点で、飛沫感染と接触感染が感染ルートと考えられているため、咳やくしゃみなどの症状のある人は積極的にマスクをつけ、感染拡大を防ぐことも重要です。
まとめ
同調査では、新型肺炎に関する情報収集源として、51.5%が「Web、SNS」、43%が「テレビ」と答えており、9割以上の人がネットやテレビで情報収集を行っていることが分かりました。一方で、ツイッターでフェイクニュースが広まったことや、一部マスコミが不安をあおる情報を発信したことも問題になっており、受け取り手による正しい情報の取捨選択が必要とされています。誤った情報に惑わされないためには、厚生労働省や首相官邸、国立感染症研究所などの公的機関からの情報を参考にすることも大切です。新型肺炎は風邪やインフルエンザと同様の予防法が有効とされていることから、必要以上に怖がらず、しっかりと対策をしたいですね。
【調査概要】
調査対象: 社会人の男女
実施時期: 2020年1月28日(火)~2020年1月29日(水)
調査手法:インターネット調査
有効回答数:200名(調査)
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:医療法人社団SEC新宿駅前クリニック