厚生労働省は、「平成30年度雇用均等基本調査」から、2018年度に育休を取得した男性の割合は6.16%になったと発表しており、男性の育休取得率は依然低いままであるといえます。一方で、小泉進次郎環境大臣の育休取得宣言や、政府による国家公務員の男性1ヶ月以上の育休取得を促すという発表、自民党の議員連盟による安倍晋三首相への、男性の育休取得義務化に関する提言の提出など、男性の育休取得に関する動きが活発化しています。
主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」(株式会社ビースタイル)の調査機関である、しゅふJOB総研が「男性の育休取得義務化」をテーマに、働く主婦層に行ったアンケート結果から、働く主婦層が男性の育休取得についてどう考えているのか、見えてきました。
男性の育休取得義務化、過半数が賛成の一方で、3割近くが否定的な意見
男性の育休取得を義務化すべきかどうか尋ねた質問では、「思う」21.3%と「どちらかというと思う」31.0%を合わせた52.3%が、男性の育休取得義務化に対して肯定的であることが分かりました。一方で、「どちらかというと思わない」17.1%や「思わない」10.6%を合わせた27.7%は否定的な意見を持っていることが判明しました。
肯定的な意見としては、「義務化をしない限り、世の中全般の育児に対するスタンスが変わることはないと思う(40代:正社員)」、「うまれてきてからが勝負だという事を短い期間でも構わないからきちんと体感して欲しい(40代:派遣社員)」といった、男性に子育てに対する理解を求める声が目立ちました。
一方、否定的な意見として、「居ない家庭の人からみたら育休は会社を長期サボる為の口実ネタ(50代:派遣社員)」、「男性が育休を取得しても実際に家事育児をするとは限らない(40代:派遣社員)」といった、男性の育休取得に対する周囲の誤解や、形だけ育休を取って育児をしない“とるだけ育休”になることを懸念する声が挙がりました。
年代別では低い年代ほど肯定派が多い。妻が家計を支えている場合は、60.3%が肯定的
男性の育休取得の義務化への賛否について、回答者の年代別に見ていきましょう。
年代が下がれば下がるほど肯定派が増え、主に妊娠・出産をする年代である30代以下では、義務化をするべきだと「思う」が60.9%(「思う」36.3%と「どちらかというと思う」34.6%の合計)と、義務化を求める人が多くなることが分かりました。
次に、家庭収入の主な支え手別に見てみましょう。
「思う」と「どちらかというと思う」を合計した、義務化に肯定的な立場を取ったのは、家計を主に支えているのが自分の場合は60.3%、配偶者またはパートナーの場合は51.6%と、8.7ポイントの差が出ました。自らが家計の主な担い手であれば、仕事への負担をより強く感じることが影響していると考えられます。
まとめ
厚生労働省によると、共働き世帯は2018年に67%になった報告されており、数字の上では専業主婦世帯よりも共働き世帯が多くなっています。
しかし、同調査でも、家庭の収入を主に支えている人について、86.9%が配偶者またはパートナーと答えていることから、主な家計の担い手は夫で、妻はパートやアルバイトなど、補助的な役割を担っているケースが多いと考えられ、男女の働き方が対等になったとはいい切れないのが現状です。
しかし、今後は制度や価値観の変化により、男女の働き方に差がなくなってくると考えられます。家事や育児といった昔は女性が負担していた仕事を、男性も担うことが必要になってくるでしょう。
自由回答のなかには、「本心で子育てに関わりたい。とか、妻の負担を減らそうと思うのなら良いと思う。義務や見栄だったらいらない(40代:パート/アルバイト)」という声もありました。男性の育休義務化を検討することで、夫婦間の育児のあり方を考え直すきっかけとなると良いですね。
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:715名(女性のみ)
調査実施日:2019年11月13日(水)~2019年11月22日(金)まで
調査対象者:ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社ビースタイル