【トップは福岡市】愛着ある街は「定住したい街」と感じている人多く(調査)

世界中の人々が豊かで幸せに暮らす未来のため、2015年9月の国連サミットにおいて、「SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)」が採択されました。この目標は、地球全体の視点で作られたものですが、少子高齢化や東京一極集中などが大きな課題となっている日本では、それらの実態を加味した上で、人々が住みやすい地域を作るという「地域版の持続的な開発目標」も必要になると考えられます。

そこで、地域ブランドの研究とコンサルティングを手掛けるブランド総合研究所が、47都道府県(83市)の住民15,926人を対象にした「地域版SDGs調査」を実施しました。これにより、市民が感じている悩みや、社会の課題、幸福度、定住意欲度などが明らかになっています。

SDGs指数が最も高い都市は、埼玉県川越市

株式会社ブランド総合研究所の調査では、市民の生活についての評価指標である「幸福度」と「満足度」、社会や居住市に対しての持続性につながる指標である「愛着度」と「定住意欲度」という4つの指標の平均点である「SDGs指数」を算出しています。その結果、83市のうち最もSDGs指数が高かったのは、川越市(埼玉県)でした。同市の指標は、幸福度が全国1位、満足度は4位、愛着度は10位、定住意欲度13位といずれも高くなっています。続く2位は金沢市(石川県)で、4指標すべてが10位以内となっていました。以下、3位は西宮市(兵庫県)、4位は明石市(兵庫県)、5位は福岡市(福岡県)と豊橋市(愛知県)、札幌市(北海道)が並ぶ結果となっています。

出展:ブランド総合研究所「市版SDGs調査2020」

家庭の悩みは「低収入・低賃金」、社会の課題は「高齢化」と答えた人が多数

「家族の問題として抱えている不満や悩み」についての調査では、全都道府県で「悩みがある」と答えた人が83.3%に上っています。具体的な悩み(複数選択可)として最も多かったのは、「低収入・低賃金」で34.6%でした。次に「貯蓄・投資」が29.1%、次いで「ストレス」が27.1%、「運動不足」が23.6%と続いています。
また、「社会として取り組むべき課題」として最も多く挙がった回答は、「高齢化」27.5%でした。

出展:ブランド総合研究所「市版SDGs調査2020」
出展:ブランド総合研究所「市版SDGs調査2020」

地域への「愛着」「定住意欲度」が高いのはいずれも福岡県福岡市!

少子高齢化による人口減少が急速に進む日本では、地方圏から東京圏への転出が年間10 万人以上の規模で続き、地方地域の過疎化が深刻な問題となっています。地方の人口を増やすためには、地元地域の愛着や定住意欲を高める必要があるでしょう。
今回の調査によると、そんな地元への愛着度が最も高かったのは福岡市で、83.5%が「愛着がある」という結果になりました。しかも、そのうち半数が「とても愛着がある」と答えています。続く2位は札幌市と金沢市、3位は神戸市でした。これらは、いずれも人口が多く、観光面でも人気の高い地域となっています。
定住意欲度についても1位は福岡市でした。2位以下も神戸市、札幌市、金沢市と、愛着度で上位の市が占めており、愛着と定住意欲度には繋がりがあると考えられます。

出展:ブランド総合研究所「市版SDGs調査2020」

福岡市で特に人気のエリアは?

そんな愛着と定住意欲度の高い福岡市の中で、特に人気の高いエリアはどこなのでしょうか。アルヒ株式会社がサービスをご利用のお客さまのデータをもとに選定した「本当に住みやすい街大賞2019in福岡」によると、1位は「藤崎(福岡地下鉄 空港線)」、2位は「大橋(西鉄 天神大牟田線)」、3位は「博多南(JR 博多南線)」でした。いずれも市街地までのアクセスが良く、商業施設や駅、住宅施設などの開発やリニューアルが進んでいることから、都市の発展性も高く評価されているようです。

このような地域住民の視点に立った評価を参考にして住む場所を絞っていけば、長く快適に住み続けることができる場所を見つけられるのではないでしょうか。

【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象:政令指定都市、中核市、県庁所在市の計83市
回答者:登録調査モニター(15歳以上)から、対象市ごとに市民を抽出
回収数:13,753人(各市から約200人を目標に回収)
有効回答数:13,270人 各都道府県は約160人(一部で有効回答数が少ない市がある)
調査時期:2019年11月19日~12月23日
調査項目:基本指標(幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度、SDGs認知度、金融商品への投資経験など6項目)
     市民の悩み(「低収入・低賃金」など50項目)
     社会として取り組むべき課題(「農林水産業の衰退」など50項目)
回答者属性:年齢や性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社ブランド総合研究所

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