「楽しみながら生活を豊かに」をコンセプトのウェブマガジン『REISM STYLE』より、生活の中のさりげないワンシーンやアイテムを通して自己表現できる、とっておきの楽しみ方をご紹介いたします。
大人の一人暮らし。狭い部屋で十分な収納スペースはなかなか望めないものだが、そんな中でも工夫次第で上手におしゃれな収納を実現することは可能だ。クローゼットを整えることは、日々の暮らしに潤いと時短を与えてくれるもの。ここでは、片づけの専門家である香村薫さんに、「自分らしいクローゼット」の作り方を2回にわたって紹介してもらおう。
まずは頭を整理する
「自分らしいクローゼット」を作るにあたって最初に取り組んでほしいのは、「頭の整理です」。
まずは下記3つの質問にお答えください。
・あなたは自分自身をどんな人だと思われたいですか?
・どんな服を着ているときに自分に自信が持てますか?
・5年後の自分を想像したときにどのような服を着ていたいですか?
これらをじっくりと考え、自分の未来像を具体化することから始めてみましょう。なぜなら、大人にとって「服」は自分の名刺代わりになるからです。
しかし、頭を整理していると、こんな壁にぶつかることがあります――「おしゃれな服」がわからなくなってきた。
ここで、もうひとつ質問させてください。「おしゃれな服」とは、いったいどんな服なのでしょうか?
実は、万人が納得するおしゃれな服は存在しません。おしゃれな服とは、自身の短所を目立ちにくく、同時に長所を引き立たせ、「なりたい自分」に近付けてくれる服なのです。
手元に残す服の選び方
頭の整理が終わったら、「なりたい自分」をしっかりイメージしながら、実際に自身の服を見ていきましょう。このとき、「捨てる服」にフォーカスしてはいけません。「残す服」を選ぶことに注力してくださいね。では、服を選ぶときのステップをご紹介いたします。
1 服を全部出す
クローゼットの中にある服をすべて出しましょう。「そんなことをしていたら1日で終わらない」と思われるかもしれません。
しかし、自分が溜めた服の総量を目で確認するのも大切なこと。ここは覚悟を決めて「全部出す」を行ってください。
2 服を分ける
出した服を選びやすいようにジャンルで分けましょう。
クローゼットから出すときに、「夏物 トップス」「夏物 ボトムス」「冬物 トップス」「冬物 ボトムス」と、ざっくり4つに分けていくとスムーズに進みますよ。
3 服を選ぶ
分けた服の中から、オンシーズンの衣類を見てください。そこから「今週着たいと思う服」を、トップス7着+ボトムス7着選びます。さらに、コーディネートとして合わせたいインナーとアウターをプラスし、ワンシーズン25着を目指しましょう。これをオールシーズンで実施すると、合計100着になります。数をしっかり数えながら選ぶことで、減らしすぎ・増えすぎを抑制できます。
4 服を戻す
クローゼットへの戻し方は2種類。「ハンガー収納」と「畳み収納」です。
収納スペースに余裕があれば、衣類はすべてハンガーに掛けてしまいましょう。ご自身の収納スペースに合わせてアレンジしてください。
【ハンガー収納のメリット】
・見やすい
・手に取りやすい
・戻しやすい
・シワになりにくい
ハンガー収納は畳む収納よりも時短になり、確実に着る頻度が上がります。
【畳む収納のメリット】
・たくさん収納できる
・ハンガーに掛けられないデザインの服を収納できる
・伸びてしまう素材の服を収納できる
畳む場合は、できる限りすべてを見渡せるカゴのような物に収納することをおすすめします。棚に直接置く場合は、重ねる枚数を2枚程度に。
引き出しにしまうなら、手前は今着る服、奥は今着ない服と分けて収納するといいでしょう。
「高かった服」「やせたら着る服」など、服自体への執着があるのはよくわかります。そんなときは、「この服を持っていることで自分は満たされるか?」を自問自答してください。満たされるのであれば、処分する必要はまったくありません。まとめてバンカーズボックスなどに入れ、「着ないけど満たされる服」として保管しましょう。
このとき保管料は、日本の平均家賃に対して段ボール60サイズ(縦+横+高さの合計が60cm以内に収まる大きさ)あたりの金額である月々約600円をイメージしてください。その金額に値しないなら、持っている価値はありません。
一時置きを兼ねた「開けっ放し収納」のすすめ
一度着たけど洗わない服、どうしていますか?ついソファーに置いたり椅子に掛けたりしてしまう方も多いと思います。しかし、部屋のインテリアがいくら素敵でも、衣類が散乱していると台無しですよね。
そこで、一人暮らしの方にこそ「開けっ放しクローゼット」をご提案します。
衣類が傷む一番の要因は「洗濯のしすぎ」です。なるべく汚れがつかないよう、帰宅後は服にブラシを掛けたり、家事をするときはエプロンを着用したりするよう心掛けましょう。
すぐに洗わない衣類は、汗を飛ばすためにハンガー収納に戻します。このとき、衣類と衣類のあいだを5cm以上空け、風が通るようにしてください。「服の一時置き収納」なんて、特別な物は必要ありません。開けっ放しのクローゼット収納は、服の換気を兼ねた自分らしいクローゼットになっているはずです。
以上、クローゼットの収納ポイントをお伝えしました。次回は、思わずうっとりしてしまう「魅せる」収納についてご紹介します!
<PROFILE>
香村薫さん(ミニマライフ.com)
愛知県岡崎市在住のライフオーガナイザー/片づけの専門家。2014年に片づけサポート業務のミニマライフ.comを開業。自宅で開催する「モノの減らし方講座」には全国各地から受講者が集まり、片づけ出張サービスは予約が絶えない。2017年に初の著書「トヨタ式おうち片づけ」(実務教育出版)を、2018年には「トヨタ式超ラク家事」(実務教育出版)を発表している。
(この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています)
(最終更新日:2020.02.20)