ヴィンテージマンションと呼ばれるマンションをご存じでしょうか。ワインなどでも耳にする「ヴィンテージ」という言葉からは、「古いもの」「高級なもの」といった印象を受けます。
マンションの「ヴィンテージ」とは、どのような意味を持つのでしょうか? この記事では、ヴィンテージマンションの魅力と特徴、そして購入するときの注意点を紹介します。
ヴィンテージマンションとは
ヴィンテージマンションとは「築年数が経つほど価値が上がるマンション」のこと。一般的に、マンションは築年数の経過とともに資産価値が低下しますが、ヴィンテージマンションは逆に築年数の経過とともに人気や価値が上がっていきます。
ヴィンテージマンションは、ほとんどが高度成長期に高級マンションとして建てられたもので、住んでいること自体がステイタスになるとされています。
本来、「ヴィンテージ」とはブドウの収穫年のことを指す言葉ですが、そこから転じて現在では「古くて価値のあるもの」といった意味で使われており、マンションでも同様の意味で使われています。
ただし、“価値がある”ことに重きを置いているため、ただ古いだけのマンションをヴィンテージマンションとは呼びません。
不動産専門の調査会社「東京カンテイ」は、ヴィンテージマンションの条件として、より具体的に「築10年以上」「平均専有面積90平方メートル以上」「坪300万円以上」といった条件を設定しています。
その他、「デザイン性が高い」「立地が良い」「管理体制が良い」といった条件が挙げられることも。
ただし、実際にこれらの条件をすべて満たすのは困難なため、ヴィンテージマンションの数自体はさほど多くありません。
ヴィンテージマンションの魅力
ここからは、ヴィンテージマンションの魅力と特徴を紹介します。
1.デザイン性が高い
ヴィンテージマンションの最大の魅力は、なんといってもそのデザイン性の高さでしょう。建設当時は最新のデザインだったマンションが時間の経過とともにクラシックな雰囲気を醸し出すようになり、ヴィンテージとしての価値を高めています。
2.立地が良い
「立地の良さ」も、ヴィンテージマンションの魅力のひとつです。単に駅から近いというだけでなく、その街のシンボルとして扱われる由緒ある歴史を持っていることが求められます。
3.管理状態が良い
高級マンションとして建設されているヴィンテージマンションは、良質な建材を使い、丁寧に造られています。その後のメンテナンスや定期的な修繕工事もしっかりと行われており、良好な管理状態を保っているといえるでしょう。
4.コミュニティが良質である
もともとは富裕層に向けた高級マンションであるヴィンテージマンションには、その住まいに愛着を持っている居住者たちによって良質なコミュニティが築かれている面も。
ヴィンテージマンション購入時の注意点
1.耐震性を確認
ヴィンテージマンションは、言ってしまえば中古マンションの一種です。一般的にヴィンテージマンションと呼ばれるマンションは、1981年以前の旧耐震基準にて建築されたものが多いとされています。
しかし、ヴィンテージマンションはもともと高級マンションとして建設されているため、強度が高いものも少なくなく、現在の新耐震基準を上回っていることもあるといわれています。
したがって、旧耐震基準で建築されたヴィンテージマンションが、必ずしも危険であるとは判断できません。旧耐震基準で建築されたマンションであっても、耐震診断・耐震補強工事が行われていれば、耐震面での問題はないため、購入を検討する際に確認することをおすすめします。
2.設備の老朽化
管理が行き届いていることがヴィンテージマンションの特徴ではありますが、それでもやはり設備は老朽化しています。そこで、過去に行われた修繕や今後行われる修繕予定を確認しておきましょう。過去の修繕は「修繕履歴」で、また今後の予定は「長期修繕計画」から知ることができます。
3.建て替え
ヴィンテージマンションは、建て替えの話が出るのもそこまで先の話ではありません。建て替え時に同規模のマンションが建てられるのかどうか、しっかりと確認しておきましょう。法令等の関係により、同規模のマンションが建てられない可能性があることに注意です。
魅力的なヴィンテージマンションを検討する前に
さまざまな面で非常に魅力的なヴィンテージマンション。現代的な普通のマンションではなく、中古でもこだわりの強い良質な良いマンションを探している人にはぴったりかもしれません。
その一方で、中古マンション特有のデメリットも存在します。購入を検討する際には、メリットとデメリットを比較しながら、ヴィンテージマンション購入後の生活をしっかりとイメージすることをおすすめします。