マンションの鍵をうっかり紛失してしまった、といったことは誰にでも起こりうる話です。多くの人が住む集合住宅では、鍵の紛失時に対処を誤ってしまうと後々までトラブルが尾を引くことも。鍵をなくした際も正しく対処し、近くに住む人や大家さん、管理会社とも良好な関係を継続したいものです。
そこで、マンションの鍵を紛失したときの対処法と紛失防止の対策についてまとめました。鍵を紛失して慌てることのないよう、あらかじめ適切な対処法を知っておきましょう。
マンションの鍵を紛失したときの行動
1.まず落ち着く
マンションの鍵を紛失したことに気づいたら、まずは落ち着きましょう。慌てて行動したからといって鍵が見つかりやすくなるわけではありません。
一呼吸置いたら、立ち寄った場所や利用した乗り物を思い出しつつ、自分の行動を振り返りましょう。思い当たる場所があれば、そこに戻ってみたり、鍵の忘れ物がないか問い合わせしたりするのもよいかもしれません。
電車に乗った場合は鉄道会社、タクシーに乗った場合はタクシー会社への連絡も忘れずに。自家用車に乗っていたということであれば、鍵がシートの下や隙間に落ちていないか確認しましょう。
2.警察に遺失届を出す
その日の行動を振り返っても手掛かりが見つからない場合は、警察に遺失届を出しましょう。落とした鍵を親切な方が拾って、警察に届けてくれている可能性があります。
このとき、警察署まで行かなくても最寄りの交番へ行けば問題ありません。もし、なくした鍵が落とし物として届いている場合は、警察署に保管されますので、2ヶ月以内に受け取りましょう。受け取る場合に必要なものなどは、警察署のホームページに記載されていますので、事前に必ず確認を。
3.大家さんや管理会社に連絡
次は、大家さんや管理会社への連絡です。鍵を紛失したことを申し出て、その後の対応を相談しましょう。大家さんが近くに住んでいれば、マスターキーで開錠してくれるかと思います。近くにいない場合には鍵業者を紹介してくれるなど、対応を指示してもらえることも。
後々のトラブル防止のためにも、自分勝手な判断をせずに大家さんや管理会社からの指示通りに行動しましょう。
4.鍵業者への連絡
鍵の紛失に気づいたのが深夜もしくは土日で、大家さんや管理会社に連絡が取れない場合などは、鍵業者に連絡をして鍵を開けてもらいましょう。
ただし、この日は鍵を開けてもらうにとどめておくこと。大家さんや管理会社の許可なく鍵を交換した場合、契約違反となる場合があります。後日の鍵の交換については、大家さんや管理会社からの指示を待ちましょう。
分譲マンションの鍵を紛失したときは?
賃貸マンション・分譲マンションとも、鍵を紛失した後の対処は、基本的には同じ手順となります。
分譲マンションの鍵の交換は自身の判断で行うこともできますが、念のため管理組合や管理会社に確認を取りましょう。
オートロックマンションの鍵を紛失するとどうなる?
オートロックマンションの鍵を紛失してしまったら、オートロックの種類によってはやや面倒なことになります。
1本の鍵でエントランスの開錠、部屋の開錠を行う「集合キー式」の場合は、鍵を紛失してしまうと他の住人に被害が及ぶ可能性も。紛失した鍵を使用すれば、住人でなくてもマンション内に侵入することができます。
したがって、被害を防ぐために入居者全員の鍵を交換することになるかもしれません。全ての鍵シリンダーを取り替えることになった場合、管理会社から交換費用の負担を求められる可能性があります。
国土交通省作成の「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」によると、「鍵の紛失の場合は、経過年数は考慮しない。交換費用相当分を借主負担とする。」とあるので、費用の全額を請求されてしまうことも十分にあり得るでしょう。
マンションの鍵を紛失したときにかかる費用
マンションの鍵を紛失したときにかかる費用は、鍵業者を呼んだときにかかる鍵開けの費用、そして鍵の交換が必要となったときの作製・交換費用です。
鍵業者に鍵を開けてもらったときの費用はおおむね5,000円台~です。深夜に開錠してもらった場合は深夜料金がかかることがあります。鍵の作製・交換費用は通常のドアであれば15,000円~、オートロックの場合は20,000円~。いずれも、鍵の種類やメーカーによって異なるのでご注意ください。
マンションの鍵を紛失したときは保険で対応できる?
マンションへの入居時に加入した火災保険の特約に、鍵開け・鍵交換などのサービスが付帯されていることがあります。契約者のさまざまなトラブルに対応してくれるサポートサービスが鍵開け・鍵交換に対応している場合も。契約内容等をよく確認しておきましょう。
マンションの鍵を紛失しないために
それでは、マンションの鍵の紛失を防ぐには、どのような対策をとればよいのでしょうか。
1.キーホルダー
鍵をそのまま持ち歩くよりも、キーホルダーを付けておくほうが紛失リスクを軽減できます。落としたときに音がする、鈴付きのものがおすすめです。
2.スマートタグ
また、鍵を紛失したときに探しやすいということも重要です。便利なのは、BluetoothやGPS機能を使って、紛失物を見つけられる「スマートタグ」。
スマートタグを付けたものから離れると、登録したスマートフォンに通知が送られてきたり、ありかを地図で確認できたりするので、紛失したことにすぐ気づいてスムーズに探せます。
ただし、市販されているスマートタグの一部には、使用すると電波法違反になる商品があります。購入時に注意しましょう。
3.スペアキー
鍵の紛失を防ぐ対策だけでなく、紛失したときに困らないための対策も必要です。
マンションに入居したら必ずスペアキーを作りましょう。契約により、スペアキーを作ることができない場合もありますので事前に確認を。
スペアキーを自宅に保管している方が多いかもしれませんが、もし近くに家族や信頼できる友人が住んでいればその人に預けるというのもひとつの手です。鍵を紛失したときに鍵業者を呼ばずに済み、出費を防ぐことができます。
4.大家さん、管理会社の連絡先を登録
鍵を紛失したときに大家さんや管理会社にすぐに連絡を取れるよう、連絡先をスマートフォンに登録しておきましょう。大家さんや管理会社への連絡が遅くなると、トラブルの原因になりかねません。
マンションの鍵の紛失は防げる!?
マンションの鍵の紛失を100%防ぐのはまず無理でしょう。そのため、事前の対策と、実際に紛失したときの対処法を頭に入れておくことが大切です。
マンションの鍵を紛失してしまうと、お住まいのマンションによっては近くに住む方に大きな迷惑をかけてしまいます。場合によっては高額な請求を受けることも。
快適なマンションライフを送るためにも、鍵の管理には十分に注意しましょう。