新年を迎えました。気象庁が昨年9月に発表していた今冬(2019年12月~2020年2月)の天候見通しによれば、今冬は寒気の南下が弱いため、気温は全国的に平年並みか、やや高いとされていましたが、年末年始はとても寒く、朝から寝るまでずっと暖房をつけて過ごしました。ただ、暖房を1日中つけていると気になるのは電気代です。今回は水道光熱費についてのデータを見ていきましょう。
私たちはどれだけ水道光熱費を使っている?
私たちはどれぐらい水道・光熱費を使っているのでしょうか。厚生労働省が発表している「平成30年 国民生活基礎調査の概況」によれば、2018年の平均世帯人員は2.44人。また、同じく厚生労働省が発表している「平成30年(2018)人口動態統計(確定数)の概況」によると合計特殊出生率は1.42。このデータを基本として、両親(うち片方が働いている)と子ども1人の3人世帯について見ていきましょう。
総務省統計局が発表している「家計調査報告(家計収支編)2018年」によると、勤労・核家族世帯(有業者1人)の1ヶ月の水道光熱費は20,835円となっています。つまり、1年間では約25万円を水道光熱費に費やしていることになりますね。
水道光熱費の内訳を見てみると、電気代に10,034円、ガス代に4,817円、上下水道料に5,113円、その他の光熱費に872円となっています。水道光熱費のなかでも、電気代に最も多くのお金を払っていることが分かります。ちなみに、一人暮らしの場合は電気代に4,859円、ガス代に3,162円、上下水道料に1,973円、その他の光熱費に424円となっています。単身世帯と核家族世帯において一番大きな差が出るのが上下水道料なのは意外ですね。
水道光熱費の上昇はズバ抜けている?
これら水道光熱費は基本的に単位当たりの使用料金が決まっており、使用量が増加するとそれだけ金額が上昇していく従量課金となっています。もし、水道光熱費を下げようとするのであれば、使用量を減らすか、単位当たり単価が下がるかしかないわけですが、後者は私たちにはどうにもできません。そもそも、それぞれの単価はこの10年でどのように変化してきたのでしょうか。
総務省統計局が発表している消費者物価指数のうち、品目別価格指数から各項目のデータを抜き出し、その価格推移を見ていきましょう。
上図の赤い線が消費者物価指数全体を示す総合の値となっています。この10年間、日本の物価はほとんど上昇していないことが分かりますが、電気代、ガス代、上下水道料の全てが全体よりもここ数年、値上がりしており、なかでも電気代が大きく上昇していることが分かります。
エネルギー関連項目の詳細を見ていくと、プロパンガスは安定した値動きの一方、灯油の価格は大きく動く傾向にあります。この1年は比較的高い水準で価格が安定していることが分かります。
水道光熱費を下げる方法はいくつもある
各種水道光熱費の単価が上昇している以上、水道光熱費を下げるには使用量を減らすしかないのですが、通常の生活を送っていく以上、使用量を減らすのにも限界があります。そこで考えられる方法は新技術を活用したり、新たに開発された商品などを積極的に使うことでしょう。
たとえば、明かりをつける電球について考えてみましょう。電球にもいくつか種類があり、白熱電球、蛍光灯、LEDと主に3種類が挙げられます。価格自体はそれぞれ300円、1,000円、2,000円ぐらいでしょう。
質を落とせば白熱電球であれば100円ショップでも買えます。購入価格だけを見ると白熱電球が最もコストが低く見えますが、それぞれの寿命は1,000~2,000時間、12,000~14,000時間、40,000~60,000時間とされています。
こう考えると、初期コストは最も高いですが、電球をLEDに変えてしまうのも長い目で見れば水道光熱費を下げる方法になります。
また、10年以上前の型の家電を使っている人も、買い替えることで電気代を削減できるかもしれません。あるメーカーの冷蔵庫について調べてみたところ、同じメーカー、同じサイズでも年間の消費電力が3分の2に削減されていることが分かりました。年間の電気代で見ると4,200円ほどの節約になります。
なかなか給料が上がらない日本において、着々と水道光熱費だけは上昇しています。1ヶ月で見るとわずかな節約にしかなりませんが、長い目で家計を守る意味でも、新たな家電や電球の購入を考えてみてもよいかもしれません。
(最終更新日:2020.01.14)