火災の原因とは? 実践したい5つの火災対策

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人的要因や物的要因など、さまざまな原因から発生する建物火災は、十分に注意したいものだ。火災予防のための対策を日頃から実践し、万が一被害に遭ってしまったときのための火災保険の基本的な知識も押さえておきたいところだ。
そこで今回は、火災のおもな原因とその対策のほか、加入しておきたい火災保険について見ていこう。

火災のおもな原因

火災は、秋冬に多発するイメージを抱く人も多いかもしれないが、料理やたばこなど、出火原因は季節を問わず身近にある。少しの油断が火災の原因となってしまう可能性もあるため、十分に注意したい。
ここではまず、おもな火災の原因について見ていこう。

放火
総務省消防庁の「平成29年版 消防白書」によると、出火の原因として2016年までの20年連続で最も多かったのが放火。「平成30年版 消防白書」では、第1位がたばこになり、放火は前年に比べて減少傾向にあるといわれているが、「放火の疑い」と合わせるとむしろ増加している。

たばこ
前述のとおり、「平成30年版 消防白書」によると、それまでの放火に代わって出火原因の1位となったのがたばこだ。出火状況としては「不適当な場所への放置」…つまり、たばこのポイ捨てが原因の半数以上を占めている。

コンロ
コンロからの出火も火災の原因となりがち。中でも、原因の多くを占めているのがガスコンロによる出火で、揚げ物をしているときに火災が多発する傾向があるようだ。ほかにも、鍋やフライパン、やかんを火にかけたまま放置し、空焚きさせてしまうといったことが原因となっている。

ストーブ
冬場に使用することの多いストーブは、火災リスクが高い。ストーブで濡れたままの洋服を乾かすことで、火災につながることがある。また、ストーブの周りでのスプレーの使用で、爆発したというケースも報告されている。

配線器具
コンセントやプラグなどの配線器具周辺にほこりが溜まっていたり、コードが傷付いていたりすると出火の原因となる。タコ足配線も容量オーバーとなると、発火の危険度が増す。

実践したい5つの火災対策

ここからは、火災の原因を踏まえて実践したい、火災対策を見ていこう。

1 避難経路や消火器の位置を確認
住んでいる地域の防災マップなどを参考に、避難場所を必ず確認しよう。また、万が一火災が発生したときは、スムーズに避難・消火できるようにするためにも、賃貸物件の避難経路や、消火器の位置も把握しておくことが重要だ。

2 木造密集地域かどうかなどを確認
強風の発生しやすさや木造建築物の多さなどによって、被害が広範囲に及ぶ火事が発生しやすい地域と、そうでないところがある。次の3点についてチェックし、自分の住む地域はどうかを確認しておこう。

・季節風やフェーン現象によって強風が多発する地域か
・地元消防の消防力はどうか
・建物周辺に木造建築物が多いか

3 燃えにくい室内環境を整える
自室のカーテンを不燃性素材の物にするなど、できるだけ燃えにくい室内環境を整えることで火災対策になる。大規模な火災が発生しやすい地域の場合、万が一の事態に備えて、火災報知器や消火器などを設置しておくのもいいだろう。
また、火災や地震発生時に持ち出す、避難用リュックも常備しておくと安心だ。

4 たばこやコンセント、ストーブなどの使い方に注意する
火災の原因となりがちな、たばこや配線器具などの使い方について見ていこう。

・寝たばこをしない
ベッドサイドに灰皿を置いて、横になりながら喫煙する寝たばこ。灰皿で火を消したつもりでも完全には消えておらず、火事に発展してしまうケースが多いため、寝たばこは絶対にしないようにしよう。

・コンセントのタコ足配線に要注意
過大電流が流れるため、火災リスクが高くなるタコ足配線。どうしてもタコ足配線となってしまう場合は、各電気製品の消費電力を確認してから、コンセントを使うようにしよう。配線器具に、断線や破損などがないかも改めて確認しておきたい。

・火を扱っているときは目を離さない
コンロで火を使っているときに、長時間その場を離れるのはNG。特に、うっかり目を離しているあいだに空焚きしてしまいやすい、煮物料理の場合は要注意だ。

・ストーブの周囲に物を置かない
ストーブ周辺は物が乾燥しやすくなり、火事のリスクも高くなってしまう。ストーブの周りには物を置かないようにしよう。

5 火災保険への加入
火災保険は、火災だけでなく水漏れなどの損害にも備えるための保険だ。
一人暮らしでも加入する必要があるが、契約内容によっては、一人暮らしには手厚すぎるほどの補償になっていることもある。その場合、高額な保険料を支払わなくてはならなくなるため、加入済の人も改めて現在加入している保険を見直してみよう。

火災保険にはどんなものがある?

賃貸住宅向けの火災保険は、次の「家財保険」「借家人賠償責任保険」「個人賠償責任保険」の3つの組み合わせが一般的だ。それぞれの補償内容の違いは、次のようになっている。

家財保険
家財保険は、「他人が起こした火災によって、家具や家電が失われたといった損害が出たときに補償を受けられる

例えば、隣の部屋で火災が発生して、自分の部屋に大きな損害が出た場合、隣人が故意に起こしたものや、重い過失で起こした場合でなければ隣人が責任を負う必要がなく、こちらの部屋で出た損害については自分で修繕しなければならない。このような損害に備えた保険が家財保険ということになる。

借家人賠償責任保険
借家人賠償責任保険は、「自分」が原因となり発生した火災や水漏れなどによって、賃貸物件に大きな損害を出してしまった場合、物件のオーナーに対して原状回復のための損害賠償を行う際の保険だ

賃貸の場合、借家人賠償責任保険が含まれた火災保険に入っていないと、部屋を借りることができないところがほとんどとなっている。

個人賠償責任保険
個人賠償責任保険は、火災や水漏れなどによって、他人に損害を与えてしまった場合に生じた賠償を補償する保険で、火災保険や傷害保険の特約としてついているケースが多い。また、クレジットカードのオプションや、自動車保険に付帯されていることも多く見られる保険だ。

ここで注意したいのは、借家人賠償責任保険で補償される、オーナーに対する賠償などの補償が、個人賠償責任保険には含まれていないということ。補償内容をよく確認して、保険内容を補い合えるようにすることがポイントといえるだろう。

火災の原因を作らない暮らしを心掛けよう

何気ない習慣や不注意が火災の原因となってしまうため、コンロやたばこなどの取扱いには常に注意したい。部屋の配線状況や喫煙習慣など、家の中や日々の生活に火災の原因となりそうなものが潜んでいないか、一度振り返ってみてはいかがだろうか。

また、併せて賃貸物件の避難経路や火災保険などについても見直し、万が一火災が発生したときにもスムーズに対応できるようにしておこう。

参考:火災保険のカバー範囲とは?知っておきたい火災保険の基礎

(この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています)

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