「ふるさと納税」寄付額の3割が12月に集中、1~9月の7倍に(統計調査)

国民の三大義務の一つである納税の義務。企業に勤めている場合は給与からあらかじめ天引きされるため普段は意識しづらいですが、給与明細を見てその納税額の大きさに驚いた経験のある人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、節税対策としても活用できるふるさと納税について、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンクがまとめたデータから、ふるさと納税の利用について考えます。

ふるさと納税とは?

2008年にスタートしたふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい自治体を自分で選び寄附ができる制度です。自治体に寄付をすると、寄附金のうち2,000円を超える部分については所得税の還付と住民税の控除を受けることができます。さらに、多くの自治体で返礼品と呼ばれるお礼の品を用意していることや、寄附金の使用用途を選べることが魅力として挙げられます。楽天インサイト株式会社の調査によると、ふるさと納税の認知度は95.6%となっていることから、制度開始から10年余り経って寄附や節税の方法として一般的になっているといえそうです。

総務省が2019年8月に発表した調査によると、2018年度の全国の自治体のふるさと納税受け取り寄附額は、前年度より約40%増の5,127億円にのぼることが分かりました。

総務省「ふるさと納税に関する現状調査結果(平成29年度実績)」をもとに株式会社トラストバンクが作成

寄附額は右肩上がりで、2018年は過去最高を6年連続で更新。制度開始当初の81億円と比べても、大幅に寄附額が上昇しています。

寄附をする人が増えた一方で、寄附額に対して高額な返礼品を用意する自治体が現れ、問題視されるようになりました。それにより2019年6月に法改正が行われ、「返戻率3割・地場産品のみ」というルールが設けられました。これに伴う、今後の自治体や消費者の動向も気になるところです。

毎年12月に年間の3割がふるさと納税を申し込み

ふるさと納税は、1月1日~12月31日の1年間に行った寄附が所得税や住民税の還付・控除の対象となります。控除には年収に応じて上限額があるため、その年の年収がある程度分かる年末にかけて需要が集中すると考えられます。

株式会社トラストバンク調べ

トラストバンクがまとめた、2018年の「ふるさとチョイス」寄附額流通割合の推移を見ても、1月~8月まではほぼ横ばいだった寄附金額が9月以降徐々に増加し、12月が突出する結果となっています。年間の寄附の3割が12月にふるさと納税を申し込みしており、その額は1~9月の平均寄附金額の7倍にも上っています。寄附が集中する12月は、希望の返礼品が品切れになってしまったり、品薄になるため届くまでに時間がかかったりすることもあるそうです。目当ての品がある場合は余裕をもって寄附するのがオススメです。

まとめ

ふるさと納税の返礼品は食料品が一般的ですが、一度の申し込みで複数回返礼品が受け取れるものや、施設入場券や宿泊券など体験型のもの、被災自治体への災害支援など、各自治体から様々なものが登場しています。法改正により返戻率3割を超える自治体はなくなりましたが、返礼品から各自治体の特色を知るきっかけになるといいですね。「ふるさとチョイス」をはじめとするふるさと納税ポータルサイトから、応援したい自治体を探して、賢く節税をしてみてはいかがでしょう。

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社トラストバンク

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