東京と地方との格差を是正するため、政府や自治体によるUターン・Iターンの就職支援が増える中、就労世代は実際にどこで働きたいと思っているのでしょうか。スマホアプリの開発や転職サイトなどを手がけるベースメントアップス株式会社が運営する「退職の前に読むサイト」において、社会人231名を対象に行われた「働く場所」についての調査結果と、過去にARUHIマガジンへ登場いただいた移住経験者のコメントを合わせて紹介します。
働く場所の希望、全体の50%が「東京」と回答
2人に1人が東京で働きたいと答えていますが、その理由はやはり、利便性の良さと就労人口が多いことが考えられます。厚生労働省が公表している都道府県別の有効求人倍率をみても、東京都だけが2倍を超えていて2.08倍となっています。また最低賃金も、1,000円を超えているのは東京都と神奈川県のみ。賃金の高さも東京で働く魅力だと考える人が多いようです。
「地元」の回答は30%、「どこでも良い」は13%
家族や友人などが近くにいる、慣れ親しんだ地元で働きたいと答えた人は30%。また、「どこでも良い」と回答した人も13%に上り、テレワークの推進などで働く場所にこだわらない人も増えつつあるようです。さらに、国土交通省が2018年に発表した白書によると、三大都市圏に住む各世代のうち20代の4人に1人が、地方移住に関心を持っていることがわかっています。今後は、政府や自治体による地方移住支援によって地方へ移住して働く、UターンやIターン就職の増加も考えられます。
実際の移住者に聞く、Uターン・Iターン就職の魅力
それでは、実際にUターンやIターンで地方に移住して働いている人は、どのように感じているのでしょうか。過去のARUHIマガジンに登場いただいた方の意見を紹介します。
東京から岡山へIターン後、WEB関連の業種に転職した下鳥 誠(しもとり まこと)さんは、都心での生活より外食が減ったり、仕事のストレスも減ったりしたことで「経済的にも精神的にも、とてもゆとりが生まれたと感じています」と話しています。
「働きながら子どもの成長を間近でみられるのはうれしいですね」と言うのは、香川県へUターンして経験ゼロから農業を始めた二川 大地(ふたがわ だいち)さん。作業場に子ども達が気軽にやって来られる環境が、家族との絆を深めたようです。
兵庫県にIターンした山本 香奈子(やまもと かなこ)さんは、子育てをしながら農業とベーカリーの経営を兼業しています。「地域で子どもを見守り、子育てをしているような感じで、とても心強いですね」と、地方ならではの地域のつながりを実感したと話します。
まとめ
働く場所として約半数が東京を希望していることがわかりましたが、働き方の変化や行政による移住支援の活用などで、地方へ移住後して転職する人も増えつつあるようです。賃金や利便性だけにこだわらず、自分の人生を長い目で見た時にどう生きていきたいかを考えて、働く場所を検討してみるのも良いのではないでしょうか。
【調査概要:仕事に関する意識調査】
調査日:2019年11月25日~12月2日
調査方法:インターネット調査
調査人数:231人
調査対象:社会人
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:ベースメントアップス株式会社