【トランクルームにかわる新潮流】宅配型収納サービスは何が違うのか?

トランクルームに変わり、近年、宅配収納サービスが注目されています。トランクルームに比べて、安価であること、セキュリティ面で優れていること、預けた物1点ごとに管理できること、宅配業者が荷物を取りに来るために荷物を運ばなくて済むことなどが、その理由です。

クローゼットの延長として使える宅配収納サービス

夏場にセーターやコートなどの冬物衣料を預ける、卒業アルバムなど思い出の品を長期間にわたり預けるなど、使い方は様々。既存のトランクルームサービスは、収納スペースを貸し出す形態のため、物の出し入れや品物の管理は利用者自身で行う必要があります。それに対して、宅配収納サービスは、利用者はスマホやパソコンで指示するだけ。集荷の手配を行うと、宅配業者が預かる物を引き取りに自宅にきて、収納をしてくれます。

収納するものを予め撮影して、アップロードしておけば、どんなものを預かっているかをサービス会社が管理。1点ごとに写真で確認できるため、写真一覧で預けたものがひと目で分かります。

自分で荷物を運搬する必要がないので、自動車を所有していない場合や自宅の近くにトランクルームがない場合に適しています。また、配送先は自宅に限らず指定できるため、出張先やレジャー施設などに荷物を送ることもできます。

シェアする意識の普及と利便性が後押し

宅配収納サービスが普及しているのは、シェアリングエコノミーに対する消費者の意識が高まっていることが、その理由の1つです。

総務省による国内消費者向けアンケート調査でも、シェアリングサービスの認知度は高まっていることがうかがえます。民泊サービスをはじめ駐車場のシェアリング、ライドシェアなどは、とくに認知度が高いようです。また、シェアリングサービスを利用する際に必要なことについては、確保されているべきものについてのアンケートでは、「サービス事業者による保証や介入の仕組みがあること」がトップ項目に挙がりました。現在、多くの宅配収納サービス業者に共通するのは、クラウドサービスの普及により、しっかりした保管体制が整い、セキュリティ面もしっかりしていることがあるでしょう。

また、スマートフォンの操作だけで、荷物の出し入れが完結できることも宅配収納サービスが広まった理由です。「クラウド」は遠く離れたサーバー(ストレージ)にデータを一元化して保存する機能のこと。

スマートフォンで即座に出し入れの手配ができ、その手軽さからユーザの支持を得ています

預けたものの管理や出し入れも必要な条件として、もう1つ挙げられるのは、また、スマートフォンで簡単に操作できることでしょう。収納してあるものの内容、場所、などのデータの更新をタイムリーに行うことで情報が正確になり、セキュリティが高い情報で荷物が保管されるのです。

利用者のニーズに合ったサービスが今後も展開

データサイエンスプロフェッショナルズ株式会社は、大和ハウスグループの株式会社フレームワークスと共同で、2019年1月から宅配型トランクルームサービス「sharekura(シェアクラ)」の提供を開始しました。「クラウドサービスを使うことで、預けたものがスマートフォンで1点ずつ確認できるために、1点から預かることができるようになりました。トランクルームは、広いスペースを借りるので、都心では1畳程度で月額使用料金が1万円以上するものがほとんど。それに対し、宅配収納サービスは月額100円から利用でき、気軽に利用できるのもメリットです」とデータサイエンスプロフェッショナルズ株式会社の内山明夫さん。「sharekura」では、洋服を預ける利用者が多く、オークションやフリマサイトで購入者に同社から直接商品を発送するような仕組み作りを検討中です。

首都圏の新築マンションは、専有面積が年々小さくなる傾向にあります。建築費の高騰と土地の取引価格の上昇が主な原因です。また、自家用車を持たない人も増え、トランクルームへ荷物を持ち込むことが難しい人も増えています。このようなことを背景に生まれた宅配型収納サービスは、今後も範囲を拡大していくことが考えられます。

参考サイト
総務省・国内消費者向けアンケート調査
データサイエンスプロフェッショナルズ株式会社「sharekura」

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