「〇〇ペイ」利用の決め手に「個人間送金」を重視する人も? (調査)

これまで、キャッシュレス決済の利用率が低いといわれてきた日本ですが、消費増税に伴う国の施策「キャッシュレス・ポイント還元事業」により、少しずつ利用率が上がってきています。特にモバイル端末を通じて決済を行うモバイルペイメントは、国のポイント還元以外に各事業者それぞれにキャンペーンを行っているため、利用率の伸び幅が大きいことがうかがえます。
そこで今回は、生活者視点に立ったマーケティングを行う「株式会社インテージ」による「モバイルペイメントの利用状況に関する調査」をもとに、モバイルペイメントの現状と今後どのように利用が広がるかを探っていきます。

日本のキャッシュレス決済比率はまだまだ低い!?

経済産業省が発表した「キャッシュレスビジョン2019」によると、世界における日本のキャッシュレス決済比率は2015年時点で18.4%。これに対して、韓国が89.1%、中国が60.0%、アメリカが45.0%となっており、日本のキャッシュレス決済比率は世界的に見て極めて低いことがわかります。
また、日本のキャッシュレス決済比率は、2008年の11.9%から2016年は20.0%と8年間でわずか8%程度しか上昇していません。「キャッシュレスビジョン2019」の中で国が目標としているキャッシュレス決済比率は「2025年までに40%」ですから、今後はさらにハイペースでキャッシュレス決済を国民に浸透させたいという狙いが見てとれます。
そんななかで注目されているのが、現在急速に普及しているモバイルペイメントです。

出典:株式会社インテージ「モバイルペイメントの利用状況に関する調査」

モバイルペイメントの選定基準とは?

生活者がモバイルペイメントを利用する際の選定基準となりうるサービスは、大きく分けて「ポイント還元」「加盟店数」「決済の手間」「個人間送金」「決済のタイミング」の5つ。インテージが実施した調査によると、このうち「ポイント還元」の比率の大きさが最も強い影響を与えていることがわかりました。

出典:株式会社インテージ「モバイルペイメントの利用状況に関する調査」

一方で、個人別にどの利用サービスを重視しているかを分析してみると、ポイントを重視する人はもちろん多いですが、生活者全体で見た場合には影響度が低かった「個人間送金」を重視する人も意外に多いことが明らかになりました。

出典:株式会社インテージ「モバイルペイメントの利用状況に関する調査」

モバイルペイメント利用率の今後。50%まで伸びる可能性も!?

同調査の分析結果によると、今後、理想的な利用サービスが整った場合にはモバイルペイメント利用率は50%を超えると予測されています。

出典:株式会社インテージ「モバイルペイメントの利用状況に関する調査」

ただし、オンラインショッピングならクレジットカード、電車に乗るなら交通系電子マネーというような、「利用せざるを得ないシーン」がモバイルペイメントにはまだないため、現在、キャッシュレス決済全体の大半を占めているクレジットカードの利用率に届かない可能性も懸念されています。こういったシーンの創出がモバイルペイメントがさらに普及するためのカギとなるといえるでしょう。

まとめ

モバイルペイメント事業者は各社ともに様々な戦略で利用者の獲得に取り組んでいます。どれを利用するかを決めるには、「ポイント還元」や「個人間送金」など、今回の調査で明らかになった選定要素を参考にするのもいいのではないでしょうか。

【調査概要】
調査地域:日本全国
調査対象:15~69歳の男女
標本抽出方法:株式会社インテージ「キューモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を2015年度実施国勢調査データをベースにウェイトバック
標本サイズ:n=4,344
調査実施機関:2019年8月1日~8月5日

ニュース提供元:PRTIMES

情報提供元:株式会社インテージ

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