総務省の調査によると、インターネット通信販売の決済手段として最も多いものは「クレジットカード」66.1%、次に「コンビニ払い」30.9%、「代引」26.9%と続きます。JCBが2018年に行った調査では、クレジットカードの保有率は84.0%となっており、決済手段としてクレジットカードを選択しやすい状況にあることが分かります。
一方で、クレジットカードを持っていない人や年齢制限などの理由で持てない人にとって、代引は便利な決済手段になっています。しかし近年、代引利用でのトラブルが多いことから代引を廃止する通販会社が増加傾向にあるようです。Visaブランドのプリペイドカード「バンドルカード」を運営する株式会社カンムが行った「通信販売の決済手段に関する意識調査」から、代引の利用状況と代引が廃止になった場合の新たな決済手段について考えました。
代引で支払い経験のある人は60%。カード利用を不安視する声も
代引を使ったことがあるかという質問では、60%が「ある」と回答しています。一方でデメリットとして以下のものが挙げられました。
「手数料が高い」51%、「現金が必要」33%など支払いに関する問題を挙げる人が多いことが分かります。特に手数料は、1回あたりの平均額が「300円~500円」48%となっており、回数が増えればかなりの負担になると考えられます。また、「自宅以外で受け取れない」16%、「受取日時を限定される」15%などの利便性の問題もデメリットとして挙げられました。
一方で、こういったデメリットがあるにも関わらず、4人に1人が代引を利用しています。その理由として最も多かったのは「クレカを持っていない・持っていなかったから」で、55%となりました。
また「クレカを持っているけど使いたくない・使いたくなかったから」と回答した人も13%と一定数おり、その理由としてネットショッピングのセキュリティーの問題や支出状況が分かりにくくなることへの不安があると考えられます。
代引が廃止になった場合、どの支払い方法を選ぶ?
代引決済時の一方的な受け取り拒否などのトラブルが多発していることを受けて、代引を廃止する通販会社が増加しているといわれています。代引を利用してことがある人に対し、廃止された場合困るかどうかを尋ねた質問では、54%が「困らない」と回答しています。
では、代引が廃止になった場合、どの支払い方法を選ぶ人が多いのでしょうか。
「コンビニ(請求書や支払票)」で62%と、現金決済を選ぶ人が最も多くなりました。政府は「キャッシュレスビジョン2019」(経済産業省)において、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%とする目標を掲げていますが、依然現金での支払いを支持する人が多いのが現状です。
続いて多かったのが、バンドルカードに代表されるブランドプリペイドカードを含む「クレジットカード払い」の37%。バンドルカードはVisaブランドのチャージ式プリペイドカードです。2016年に提供が開始された比較的新しいサービスで、クレジットカードのように使いすぎなどの心配がないことから、今後ますます利用者が増えると考えられています。
まとめ
EC市場は拡大し続けており、国土交通省は2018年の年間宅配便取扱個数が43億個を超えたと発表しています。代引取引の廃止が相次ぐなか、今後決済方法の利用はより利便性の高いクレジットカードへと移行すると考えられます。
しかし使いすぎやセキュリティー対策など、不安要素もあるのが現状です。通信販売の利用の際には、クレジットカード会社などが提供するブランドプリペイドカードなど、用途や目的にあった決済方法を賢く選びましょう。
【調査概要】
期間:2019年11月28日 ~ 2019年11月29日
方法:インターネット調査
対象:「バンドルカード」ユーザー 合計1,329 サンプル。うち10代が50%、20代以上が50%