「老後2,000万円問題」社会人の多くが自分事に、2割がもう行動している⁉

2019年に注目を集めたお金の話題の一つが、いわゆる「老後2,000万円問題」。きっかけは、老後の資金として公的年金以外にもおよそ2,000万円が必要であるという、金融庁に提出された金融審議会の報告書です。その公表からおよそ半年経った今、人々はどのように考え行動しているのでしょうか。総合マネースクールのファイナンシャルアカデミーが、全国の20代~50代の働く男女600名を対象に実施した「令和元年の個人のお金に関する意識調査」から探っていきます。

「老後2,000万円問題」は約7割が認知、全年代の8割が「自分ごとだと感じる」

まず「老後2,000万円問題の概要を知っていますか?」という問いには、約7割が「はい」と回答。さらにこの約7割の回答者を対象にした、「老後2,000万円問題について、自分ごとだと感じましたか?」という質問には、約8割が「そう感じる」と答えています。多くの人が、いつかは自分が直面する問題だと考えていることがわかります。

出典:ファイナンシャルアカデミー「令和の個人のお金に関する意識調査」

この話題をきっかけに、2割が「新たに何かしらの行動」を開始

「老後2,000万円問題をきっかけに、老後資金準備のために具体的な行動を起こしましたか?」という質問に対して、「資産形成を始めた」「情報収集や勉強を始めた」と答えた人が合わせて約2割に上っています。具体的な内容については、「インターネットによる情報収集」「家族との話し合い」「資産運用に関する勉強」が上位で、実際に資産運用を始めた人もいるようです。

出典:ファイナンシャルアカデミー「令和の個人のお金に関する意識調査」
出典:ファイナンシャルアカデミー「令和の個人のお金に関する意識調査」

老後に必要な金額と、当てにしている資金は?

「老後資金として公的年金以外に個人で準備すべき金額は一人あたりいくらだと思いますか?」という問いに対し、約半数が2,000万円以上と回答。一方で、「公的年金以外であなたが当てにしている老後資金は何ですか?」という質問には、5人に1人が「公的年金以外になし」と答えています。公的年金以外にお金が必要だと考える一方で、どう準備すればよいのかわからない人も多いようです。

出典:ファイナンシャルアカデミー「令和の個人のお金に関する意識調査」
出典:ファイナンシャルアカデミー「令和の個人のお金に関する意識調査」

お金の専門家は“今”が「貯蓄から投資へ」行動するタイミングであると指摘

この調査結果を受け、ファイナンシャルプランナーの小野原 薫さんは、今こそ「『貯蓄から投資へ』を本気で考え、アクションに移すタイミング」と指摘。しかし資産運用をするにも、老後に必要なお金には個人差があるため、それぞれのライフプランに合わせて試算し、冷静に情報を集めて正しく判断することが大切だとも話します。

まとめ

「老後2,000万円問題」の話題がきっかけで、将来へ向けて行動に移す人が増えていることがわかりました。具体的な行動の調査結果では実際に資産運用を始めた人もいましたが、「公的年金以外で当てにしている老後資金は?」の回答にも、株式や貯蓄型保険、投資信託のほか、加入者が積み立てで掛け金を拠出して自分で選んだ金融商品の運用を行うiDeCo(個人型確定拠出年金)といった、近年増加傾向にある資産運用が挙がってきています。まずは情報を集め、自分の人生設計に見合った方法を冷静に判断することが、将来への正しい投資の第一歩といえそうです。

【調査概要】
調査テーマ:令和の個人のお金に関する意識調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:有職の男女600名(年齢構成:20代25%、30代25%、40代25%、50代25%)
調査実施日:2019年11月7日(木)

ニュース提供元:PRTIMES

情報提供元:株式会社日本ファイナンシャルアカデミー

 

 

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