投資顧問・資産運用を主業務とするスパークス・アセット・マネジメント株式会社が20歳以上の既婚男女を対象に、「令和元年の家計を表す漢字」についてアンケート形式で調査を行った結果、1位から「苦」、2位「普」、3位「平」と「良」、5位「厳」が挙げられた、と発表しました。10月の消費増税の影響からか、「苦」「厳」といった、ネガティブなイメージの漢字が挙がっています。では、実際の家計の状況はどうなっているのでしょうか。同社が行った「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2019」から、夫婦の今のお財布事情や老後資金の考え方が見えてきました。
夫婦の貯金管理、半数以上が妻に主導権あり。預貯金額「0円」の夫婦が約1割も!
夫婦の貯金管理の主導権についての質問では、「妻が主導で行っている」が54.7%、「夫が主導で行っている」が24.8%、「夫婦別々に管理している」が20.5%となり、約半数の家庭で貯金管理の主導権は妻にあることが分かりました。
さらに夫婦の預貯金額については、「0円」が11.6%と、全体の1割強いることが分かりました。また「100万円未満」が20.7%、「100万円~300万円未満」が16.7%で、これらを合計すると49.0%となります。約半数の家庭で預貯金が300万円未満であることが、今年の家計を表す漢字として「苦」「厳」などが挙げられたことに影響していると考えられます。
毎月の自由に使えるお金であるおこづかい金額については、「1万円~3万円未満」が最も多く39.1%となり、平均は29,133円という結果が出ています。では、自分のおこづかい額に対して満足している人はどのくらいいるのでしょうか。
全体で見ると、「満足している」40.1%、「満足していない」28.9%、「どちらともいえない」31.0%となりました。年代別で見ると60代は男女ともに半数以上が「満足している」と回答しており、他の年代と比べて特に高い数値となっています。
ここで気になるのは、配偶者に内緒で貯める、いわゆるへそくり事情です。まず、へそくりをしている割合は、全体で41.6%、男性で41.4%、女性で41.8%という結果となり、約4割がへそくりをしていることが分かりました。
次にへそくり額ですが、男性の平均は149万円、女性の平均は238万円と、女性のへそくり額の方が高額になっていることが分かります。
また、へそくりをする理由については、次のような結果になりました。
男女でランキングにばらつきはあるものの、「老後の生活費のため」「家計の収入が途絶えたときの備えのため」「子どもの費用(教育費など)のため」「家族が病気やケガになったときの備えのため」と、娯楽的な要素よりも不安要素を補うためにへそくりをしている人が多いことが分かりました。
75.1%が老後資金に不安。老後資金に2000万を貯めるには?
金融庁の金融審査会がまとめた報告書から大きな話題となった老後2,000万円不足問題。収入を年金のみに頼り、20~30年間生活する人をモデルケースとした場合、年金とは別に2,000万円が必要という計算が報告書に記載されたことから、メディアで大きな注目を集めました。そこで、老後資金について不安を感じるかの質問結果を見てみると、「はい」と答えたのは男性で70.4%、女性で79.8%となり、特に女性の方が不安を感じていることが分かりました。前述の報告書の試算はあくまでも一例であるため、必ずしも年金とは別に2,000万円が必要となるわけではありませんが、老後の生活費として2,000万円が必要と考える人は7割以上おり、特に若い年代の方が必要金額を高く見積もっていることが分かりました。
では、どうすれば老後の生活資金として2,000万円を貯めることができるのでしょうか。2,000万円を貯めるために必要だと思うことについての質問では、次のような結果になりました。
「家計の見直し」が45.9%と最も多く、次に「ライフプランを立てる」41.7%、「夫婦共働き」41.5%と続きます。まずは今後の計画と現状を把握し、収入を増やす方法を考える人が多いようです。また、「投資による資産形成」は男性が33.6%と、女性よりも1.4ポイント高い結果となりました。元本割れの可能性があることから敬遠されることもある投資ですが、金融庁の報告書でも長期・分散型の資産運用の重要性に言及しており、今後資金調達の方法として注目を集めそうです。
気になる夫婦の投資事情を公開
老後の資産形成の一助となる投資ですが、夫婦の投資事情を見ていきましょう。
夫婦で一緒に考えて投資をしている人と、配偶者に内緒で投資をしている人の割合を見ると、「夫婦で一緒に考えて投資をしている金融資産がある」人は32.8%、「配偶者に内緒で投資をしている金融資産がある」人は19.5%となりました。
次に、夫婦で一緒に考えて投資を行っている人に対して行った、どのような点がメリットだと感じているかの質問結果は、次のようになりました。
最も多かったのが「夫婦の会話が増える」37.8%、続いて「夫婦仲が良くなる」「自分とは異なる視点の意見が聞ける」27.1%となりました。投資によるメリットよりも、夫婦円満につながることにメリットを感じている人が多いようです。
まとめ
友人や同僚との会話にお金の話題は気軽に持ち出しづらいものですよね。今回の調査により、預貯金額の平均や老後資金への考えについて明らかになり、自身のマネープランの参考になったのではないでしょうか。今はマイナス金利導入の影響で銀行の低金利が続き、ただ銀行に預金するだけではなかなかお金は増やせない時代です。“お金に働いてもらう”投資も視野に入れて、賢くマネープランを組み立てましょう。
【調査概要】
調査タイトル:夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2019
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする20歳以上の既婚(配偶者がいる)男女
調査期間 :2019年10月23日~10月24日
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
有効回答数 :1,000サンプル
実施機関 :ネットエイジア株式会社
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:スパークス・アセット・マネジメント株式会社