10月の消費税増税から1ヶ月以上が経過しました。今回の増税では「軽減税率制度」による税率の違いや、「キャッシュレス決済によるポイント還元制度」の適用など、複雑な制度に戸惑う様子が伝えられてきました。では、これらを踏まえて、生活者の買い物に対する意識はどう変化したのでしょうか。株式会社ロコガイドが、チラシ・買い物情報のWebサービス「トクバイ」を利用する全国の生活者1,256名を対象に実施した「増税後の買い物意識調査」より探っていきます。
軽減税率制度を理解している人は、増税前と比べて約2割増加
増税後、軽減税率についての理解度を聞くと「内容まで理解している」と答えた人は、増税前の39.9%から17.3ポイントアップの57.2%でした。制度が開始となり、普段の買い物で「自分のこと」となった今、軽減税率への理解も進んだことが伺えます。とはいえ、しっかりと理解している人は“まだ6割弱“といえるかもしれません。
増税後、普段の買い物でも半数近くが「迷った経験あり」
「増税後の買い物で迷ったことはありますか?」の問いに対して50.2%が「ある」と答えました。具体的には「軽減税率対象・非対象の区別がわからない」「いつも行くお店がキャッシュレス決済ポイント還元対象店舗かどうかわからない」「自分にとってお得なキャッシュレス決済がわからない」「キャッシュレス決済によるポイント還元のタイミングがわからない」といった声が寄せられており、軽減税率制度による税率の違いや、多種多様な決済方法、決済方法や店舗によって異なるポイント還元制度など、複雑な実態に戸惑っている様子がわかりました。
キャッシュレス決済の利用状況は?
食料品や日用品の買い物など普段の生活におけるキャッシュレス決済の利用状況は、「増税前から利用していた」が57.0%で、「増税を機に利用し始めた」の19.7%と合わせると、すでに8割弱の人がキャッシュレス決済を利用していることがわかりました。さらに「利用を検討中」と答えた人も11.6%となり、今後も利用率は上がることが推測されます。
利用しているキャッシュレス決済方法では、「クレジットカード」(64.6%)と「電子マネー」(64.4%)がほぼ同数となり、最近目にすることが多くなった「Q Rコード決済」は46.0%と、半数以下でした。
ポイント還元制度を理解しつつも、自身に最適な決済方法に悩みが
キャッシュレス決済によるポイント還元制度にも様々な適用条件があります。それぞれについての理解度をみると、「ポイント還元対象のお店と対象にならないお店があることを知っている」が76.0%と最も高く、続いて「対象店舗でもお店によってポイント還元率が違うことを知っている」(57.3%)、「よく行くスーパー、コンビニがポイント還元対象店舗であるかを知っている」(54.9%)、「対象店舗でも決済方法によってはポイントが還元されないことを知っている」(44.7%)となり、最も理解度が低かったのは「よく行くスーパー、コンビニでどの決済方法を使うとポイント還元されるかを知っている」(40.7%)でした。
外食費や食費の節約意識が高まる
増税後、節約意識は半数以上の人が「とても高まった」「高まった」と答え、実際に節約した費目は「外食費」62.7%、「食費」57.6%、「衣類・ファッション費」56.3%、「レジャー・娯楽費」34.8%と続きます。特に注目したいのは、「外食」と軽減税率対象の「食費」で、毎日の食事を工夫することで節約したいという意識の高まりが感じられます。
自分に合ったキャッシュレス決済を選んで賢く節約を
「流行語大賞2019」に「軽減税率」「キャッシュレス/ポイント還元」「○○ペイ」の3語がノミネートされるほど話題となった今回の消費増税。しかし引き上げ後1ヶ月以上が経過した今でも、軽減税率制度についてしっかりと理解していると答えたのは6割弱でした。また「キャッシュレス・ポイント還元事業」のサービスを受けるにあたり、自分に最適な決済方法を選ぶことに難しさを感じている実態が浮かび上がっています。1回の買い物で、クレジットカードとQ Rコード決済、プリペイドカードを組み合わせて使用すると、ポイントの「2重取り」や「3重取り」、「4重取り」まで可能になる「裏ワザ」や、2018年末にPayPayが実施して大きな話題となった「100億円キャンペーン」のような、各社が競うように展開している独自のキャンペーンやクーポンを上手に利用したい思いはあるものの、複雑で手間がかかることから、キャッシュレス決済ならではのお得なサービスを十分に受けられていないようです。それでも、キャッシュレス決済全体をみると既に8割以上の人が利用していることが判明。自分がよく行く店ではどれが使えるか、どんなサービスがあるかを把握し、ライフスタイルに合ったキャッシュレス決済の方法を選んで、賢く節約していきたいものです。
[調査概要]
・調査名:「増税後の買い物意識調査」
・調査方法:インターネット調査
・実施期間:2019年10月15日(火)〜10月23日(水)
・調査対象:「トクバイ」を利用する全国の生活者
・サンプル数:1,256名(男性/162名 女性/1,094名)
[ニュース提供元]PRTIMES
[情報提供元]株式会社ロコガイド
(最終更新日:2021.03.04)