いつから計画するべき? 老後への備え、大切な“3つのポイント”

「人生100年時代」と言われるようになり、さらには老後資金2,000万円問題も浮上し、老後資金について考える機会が増えたのではないでしょうか? しかし、一体いつごろから本格的に考えるべきか、先のことすぎて検討もつかない…という方も多いかもしれません。今回は計画が立てやすいように具体的な時期を考えてみましょう。

3つの“安定”が揃った時期が一番のタイミング

3つのポイントをふまえ、ライフプランの設計を

お金を貯めるには時間がかかるもの。そのため、スタートは早ければ早いほど良いとも言えますが、若いときにしかできないことを我慢して、何十年も先の将来にばかり貯蓄をするのもナンセンスです。しかも、頭では早くスタートさせた方がいいと分かってはいても、今、現在の家計や生活が落ち着いていなければ、老後のことまで考える余裕がありません。だからこそ、3つの「安定」が揃ったときが一番良いタイミングと言えます。

【3つの「安定」ポイント】
1.収入の安定
2.支出の安定
3.生活の安定

1.「収入の安定」とは?
「収入の安定」とは、例えば妻が社会復帰し、夫婦共働きでしっかり稼げるようになった状態を表します。子どもが小さいうちは専業主婦だったり、パートで少額しか稼げなかったりしても、小学生になれば正社員として社会復帰し、収入を増やすことが可能になってきます。また40代にもなれば、役職が付いて収入がグッと増える場合もあるでしょう。収入が増えると、老後資金を考える余裕も生まれてきます。

2.「支出の安定」とは?
「支出の安定」は、あまり支出が多くない時期のこと。例えば、子どもが小学生の間などを表します。また、マイホーム購入時はある程度の自己資金を使いますので、なかなか老後資金について考えるお金も余裕もありませんが、それが終われば大きな支出は子どもが大学に進学するまでありませんので、「老後資金もそろそろ貯めていこう」と考える余裕が生まれます。

3. 「生活の安定」とは?
「生活の安定」とは、マイホームを手に入れて、安定して生活できる状態です。マイホーム購入前後は家計も生活スタイルも大きく変わるので落ち着きません。しかし、引っ越し後、新生活に慣れてくれば、少しずつ家計や生活も安定して落ち着いて暮らすことができるようになります。このような状態になれば、やっと老後のことも考える気持ちの余裕が生まれてきます。

40代前半がベストタイミング

40代に入ると具体的なイメージをもちやすくなります

このように「3つの安定」が揃う時期は結婚・出産時期や家族構成などで個人差はありますが、一般的に40代にあたるのではないでしょうか? 40代というと、親が70代で老後の生活を送っていて、親の背中を見ながら、自分の老後は「こうはなりたくない、こうでありたい」と具体的にイメージしやすくなります。

親の介護が始まっている人は医療費や施設にかかる費用も具体的に知り得るので、いくら必要か? という計算もしやすくなります。40代前半から老後資金作りを始めれば20年超の「時間」を味方につけることができますので、投資信託を活用した「iDeCo」や「つみたてNISA」でも高いリターンを期待することができます。

若すぎても、遠すぎる未来は描きにくく、定年間近では貯める期間が短すぎて思うように老後資金を蓄えることができません。そのように考えると40代前半がベストタイミングになるのではないでしょうか。

長期のライフプランを立てて未来を見すえよう

個人によってライフステージの変化は異なるもの

転勤族で賃貸に住み続けるしかない場合など、マイホーム取得のタイミングはそれぞれ事情があるでしょう。他にも転職や結婚・離婚・再婚、出産、子どもの進学、親の介護など、さまざまなライフイベントが訪れますが、最低限、収入と支出の安定が図れるタイミングはいつなのか? というのをじっくり考えてみましょう。

その時期を見すえ、「iDeCo」や「つみたてNISA」について勉強を始め、家計を見直してみてはいかがでしょうか。無駄を省き、確実に貯蓄に充てられる金額を導き出しておくと良いでしょう。

充実した老後を過ごすためにも、早すぎず遅すぎずのタイミングで少しずつ将来に向けて準備していけるとベストですね。

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