食器洗い乾燥機、全自動洗濯乾燥機、ロボット掃除機、アイロンがけ不要のワイシャツ、全自動おそうじトイレ…家事代行の家電や住宅設備、商品の登場は主婦にとって心強い味方となっています。そんな中、主婦のやりたいことを阻む新たな問題が浮かび上がってきました。子どもの食事が終わるのを待つ、洗濯機の終了を待つ、スーパーのレジを待つ、といった、「待ち受け家事」と呼ばれるものです。
LIXILによる独自の消費者調査「待ち受け家事に関する実態調査」から、最も経験率が高く、ストレス度も高い「待ち受け家事」が「宅配便の発送・受け取り時間」であることが明らかになりました。今回は、その解決方法を探っていきます。
主婦のやりたいことを阻む新たな問題「待ち受け家事」とは
子どもの食事が終わるのを待つ、洗濯機の終了を待つ、スーパーのレジを待つ、といった、やりたいことがあるのにじっと待たなければならない家事のことを同調査では「待ち受け家事」と呼んでいます。新たに浮かび上がってきたこの問題、主婦の8割以上が経験し、日常茶飯事となっていました。
[“待ち受け家事”の経験]
ストレスを感じる「待ち受け家事」ベスト6
ストレスを感じる「待ち受け家事」は、「宅配便の発送・受け取り時間」が35.0%でトップ、次いで「子どもの食事が終わるのを待つ時間」26.0%、「スーパーなどでレジを待つ時間」25.3%、「配偶者の帰宅を待つ時間」21.0%、「子どもや家族の支度を待つ時間」19.7%、「洗濯機が終わる時間」12.7%という結果になりました。
[ストレスを感じる“待ち受け家事”(上位6項目)]
宅配便の「受け取りストレス」&「発送ストレス」
自宅での宅配便の受け取り頻度は、2〜3週間に一度が6割以上、特にフルタイム勤務の人の頻度は高く、2〜3週間に一度以上が約7割となりました。「宅配便の受け取りにストレスを感じる(感じる+やや感じる)」と回答した割合は、フルタイム勤務の人が最も高い71.9%という結果でした。宅配便を受け取ることに対するストレスの理由は「大体時間が決まっていても、いつ来るかわからない」が7割以上で、「受け取りを待たなければならない」は6割以上となり、待ち時間がかなりのストレスになっていました。
[宅配便の受け取りにストレスを感じる理由(上位5項目)]
一方で、かつては個人が取り扱う宅配便は受け取りが中心でしたが、近年はフリマアプリ市場の拡大により、発送の機会も増えてきました。フリマアプリで商品を出品する人のうち、半数以上の人が「発送にストレスを感じている」と回答しました。ストレスの内容は「梱包の面倒さ」が51.5%とトップですが、「集荷場所へ荷物を持ち込まなければならない」「出したいときにすぐ出せない」「集荷時間を気にしなければならない」など、荷物を持ち込む手間や時間に拘束される煩わしさも感じていることがわかりました。
「宅配ボックス」が新3種の神器にエントリー!?
次に、家事の負担を軽減するために利用したい家電や住宅設備を尋ねた結果、「掃除しやすいトイレ」(66.7%)に続き、「宅配ボックス」が2位(51.0%)となりました。
LIXILが2019年春から東京都江東区・江戸川区において実施している「IoT宅配ボックスによる再配達削減『CO2削減×ストレスフリー』実証プロジェクト」の中間報告によると、「再配達を依頼する手間が減った」(91.8%)、「必要なときに荷物が受け取れるようになった」(91.8%)、「配達時に待機することが減った」(88.8%)という声が寄せられており、ストレスが改善されたことがわかりました。さらに「今後IoT宅配ボックスで積極的に利用したい機能やシーン」については、「スマートフォンで荷受け通知を受け取る」「荷物の投函・取り出しなどの履歴を確認する」「録画機能(荷物の見守り)」「スマートフォンによる遠隔解錠機能で、複数の荷物を受け取る」といった回答も寄せられています。
[家事負担軽減のために利用してみたいと思う家電・住宅設備]
まとめ
高齢化やネット通販、フリマアプリ市場の拡大により、宅配便の取扱個数は年々増加し続けています。経済産業省が今年4月に発表した調査結果によると、フリマアプリ市場は前年比3割以上の高い伸びとなり、6,392億円にまで拡大しています。一方で、国土交通省が調査した再配達率は2018年4月の15%から2019年4月の16%と上昇傾向にあります。これに伴い、宅配業者の労働生産性の低下やCO2排出量の増加が社会問題にもなっています。再配達によるCO2排出量は、スギの木約1億7400万本が一年間で吸収するCO2の量に相当し、一年間の不在配達に費やされている労働時間は約1.8億時間に上るとされています。主婦が「待ち受け家事」の中で最もストレスを感じるのは「宅配便の待ち時間」だという調査結果が出される中で「宅配ボックス」の登場が再配達問題の突破口となる「次世代の神器」として注目されそうです。
【調査概要】
・調査名:「待ち受け家事に関する実態調査」
・調査方法:インターネット調査
・実施期間:2019年8月22日(木)〜8月26日(月)
・調査対象:首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)において戸建住宅に居住する30代〜40代の既婚女性
・サンプル数:300人(30代:133人、40代:167人)
出典:LIXILホームページ 「家事」に新たな課題 その名も“待ち受け家事”
ニュース提供元:株式会社L I X I L