家庭でも本格的なメニュー調理できるという低温調理器。ステーキやローストビーフなど、低温調理器を使えばパサつかず、しっとりと仕上げることができます。近頃では海外メーカーだけでなく日本メーカーからも登場しました。とはいえ、一般的にはあまり馴染みのない家電。そこで今回は低温調理器の実態について迫ります。
第4の調理法「低温調理法」「真空調理法」とは
日本でも数年前から低温調理法、真空調理法といった調理法が話題になっています。これは「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ「第4の調理法」と呼ばれるものです。1979年にフランスのロアンヌで食肉加工業を営んでいた料理人ジョルジュ・プラリュ氏がフォアグラのテリーヌを調理するために真空調理法を開発。その後、パリの三つ星レストランのオーナーシェフとして著名なジョエル・ロブション氏がフランス国有鉄道の列車食堂に導入したのをきっかけにして、広く普及するようになりました。これまでは大がかりな専用調理設備が必要でしたが、近年、家庭でも作れる低温調理器というものが登場するようになったのです。
時短メリットあるも、使用方法など注意点も
ポリ袋等を使って食材を(真空)密閉し、低温(50~70℃ぐらいの温度)で調理します。これによってタンパク質の破壊や水分の流出を防ぐことができ、家庭で一流レストランのような料理が実現できるのです。基本的に放っておくものなので、その間に他の作業をすることも可能です。しかも、食材や調味料をポリ袋に密閉することから鍋が汚れないので洗い物も減る時短家電でもあるのです。
一方で、加熱温度によっては食中毒の原因となる菌が増殖してしまう可能性もあるため、それには注意が必要です。また、低温調理器は長時間使用することから、その分電気代がかかるといった面もあるので注意したいところです。
実際に低温調理器を使って調理!
ひと口に低温調理器といっても、スマートフォン対応のものなど、種類はさまざま。そこで、どんな商品が人気なのか、秋葉原にある大型量販店のスタッフさんに聞いてみたところ、一番人気があるのは日本製の「BONIQ(ボニーク)」(税別19,800円)とのこと。海外製だと日本語の説明書があったとしても翻訳に難があって分かりにくいものもあり、日本語でサポートデスクへ問い合わせできるという安心感も人気の要因になっているようです。しかし、筆者は普段料理というものをまったくしません。正直2万円の買い物には二の足を踏んでしまいます。すると同スタッフさんから、値段の違いは液晶かボタン式か、また容量の大小の違いだけで、正直そこまで性能に関して違いはないから、特に調理の仕方等にこだわりがないのなら高いものでなくても十分とのありがたい助言も。そこで、
筆者が選んだのはBONIQの半分以下のお手頃な価格で購入できる「レアウェル Rawell 低温調理器 1000W 日本企画」。早速、これでローストビーフ作りにチャレンジしてみました。
奮発して近所のスーパーで牛の塊肉380グラムを購入。使用する調味料はオリーブオイル、塩、ハーブソルト、これだけです。言うまでもなくローストビーフを作るのは初めて。牛肉に塩、ハーブソルトを振ってからファスナー付きビニール袋に入れます。そこにオリーブオイルを流し入れ、肉を揉んで味を染みこませたら、下準備はこれにて完了です。
続いて、低温調理器の設定をします。ネットに上がっている低温調理のレシピサイトを参考にして、設定温度を60℃、時間を90分に決定。60℃になったところで、ファスナー付きビニール袋に入れた肉を静かに鍋の中に沈めていきます。その時、中に空気が入らないように気をつけながら沈めるのが重要です。空気が入っていないことを確認し、袋が全部水の中に入ってしまわないようにしたら、後は放置。90分経つと、ランプが青になりブザーで知らせてくるので、それまでただ待つだけです。
時間になったら取り出して、最後に、フライパンで表面に焼き目をつけて、完成。料理が上手な人は袋の中に残った汁を使ってソースも作ったりもするそうですが、筆者は素直に市販のソースを使用しました。
料理をほとんどしない筆者でも、しっとりやわらかなローストビーフを作ることができました。想像していたよりもはるかに簡単だったのに、ちゃんとおいしく、我ながらビックリです。調子に乗って次は何を作ろうかと暇な時にレシピサイトを覗いちゃったりしています。皆さんも低温調理器を使って、お家でプチ贅沢を楽しんでみませんか。