全体では資産運用に消極的も、若年層の25%が“投資家予備軍”…民間調査

2019年6月に金融庁から発表された「高齢社会における資産形成・管理」の報告書において、老後の生活には公的年金とは別に2,000万円の資産が必要だとされ、大きな話題となりました。少子高齢化が進む日本では、従来の社会保障の前提が崩れ、一人ひとりの将来へ向けた資産管理や運用の重要性が増しています。それでは、一体どれだけの人が実際に資産運用をしているのでしょうか。

マーケティングリサーチを行う株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントが、18~79歳の男女を対象に実施した「金融商品・サービス」に関する調査によると、多くの人が資産運用に消極的である事実が明らかになりました。

日本ではまだまだ「投資」より「貯金」が一般的

株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントが実施した調査によると、資産運用経験者の全体平均は33.8%という結果になっています。年齢別にみると、男性60~70代と女性70代が50%弱、男性30~40代が45%強と他の年代より多いものの、いずれも半数を超えていないことが分かりました。

日本銀行調査統計局から2019年8月に発表された「資金循環の日米欧比較」の「家計の金融資産構成」によると、日本の運用資産(債務証券、投資信託、株式等)の割合は15.2%となっており、米国の52.8%、ユーロエリアの29.9%と比べてとても低いことが分かっています。一方で、現金・預金については53.3%と、米国の12.9%、ユーロエリアの34.0%より圧倒的に多いようです。この結果からも、日本では貯金をする人が多く、資産運用を積極的に行っていない様子がうかがえます。

投資への関心度
出典:株式会社リサーチ・アンド・ディべロプメント

若年男性は投資への関心が高い傾向に

今回の調査では、「投資・資産運用に関心はあるが経験なし」と答えた人が14.4%でした。これらの人は、投資には踏み切れていないものの、興味を持っている“投資家予備軍”といえる存在です。この投資家予備軍は男性18~29歳で特に多く、25%に上る結果となっています。このことから、若年男性が投資へ関心が高い世代といえそうです。

ポイント投資は資産運用を始めるきっかけになる!?

最近では、ネット通販や、クレジットカードの利用で貯めたポイントを投資信託などで利用できる「ポイント投資」というサービスが登場しています。例えば、楽天スーパーポイントを使った楽天証券のポイント投資や、NTTドコモが提供するdポイント投資などが挙げられます。

このようなポイント投資について知っている人は回答者全体の28.9%で、「少額から/気軽に始められる」「ゲーム感覚でできる」というイメージを持っていることが分かりました。特に“投資家予備軍”の回答をみると、「元手が要らない」22.1%、「取引が簡単」15.6%というイメージを持つ人も多いようです。

出典:株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント

従来の金融投資には元手が必要で、失敗した際のリスクも高いというハードルがありましたが、「ポイント投資/運用」はネガティブなイメージが比較的薄いため、今まで投資や資産運用に踏み切れなかった人の背中を押すきっかけになるかも知れません。

【調査概要】
調査手法:インターネット調査
調査対象者:18~79歳男女/全国在住のネットリサーチモニター
サンプル数:合計1,309s
調査実施日:2019年10月2日~3日
実施機関:株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント

ニュース参照元:PRTIMES
ニュース情報元:株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント

(最終更新日:2019.11.01)
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