走行中にペダルを漕ぐ力を補助してくれる電動自転車。正式には電動アシスト自転車といい、重い荷物を乗せて移動する時や坂道の多い道を往復する時、長距離の移動など、さまざまなシーンで重宝します。今回は購入を検討している人や買い替えを検討している人に、最新モデルの紹介や、購入する前に押さえておきたいポイントをお伝えします。
日本で発明された電動アシスト自転車
世界初の電動アシスト自転車はヤマハから1993年に、シティサイクルとしては高額の14万円で発売。当時はまだ電動アシスト自転車の知名度も低く高額なので、あまり世間に出回りませんでした。しかし、徐々に利便性の高さが認知されシニア層で人気に火が付きます。ヤマハからの発売より3年後には、パナソニックも電動アシスト自転車を発売、市場が活性化し、ニーズに合わせた車種も増え、性能やバッテリーの質も向上、今では、通勤や子どもの送り迎えなど街中至る所で乗られています。
大きく分けると2タイプ
電動アシスト自転車は、「シティサイクル」と「子乗せ」にタイプが大きく分かれています。通勤や通学、買い物が主な使用目的であれば「シティサイクル」を、幼稚園や保育園の送り迎えなど小さな子どもを乗せて移動するのが主な使用目的であれば「子乗せ」を選びます。シティサイクルタイプは、搭載されたバッテリーの容量が大きく長距離を走行できるメリットがある反面、容量が大きいぶん、車体の総重量も重くなるので、小回りが利かなかったり、マンションや駅などによくある2段式の駐輪場では、駐輪するたび重い車体を持ち上げる負担がかかります。一方、子乗せタイプは、発進時や坂道などでふらつきを抑えて安定した走行を確保できるよう、タイヤは20インチほどで車輪が小さめ、車体の重心も低いのが特徴です。ただしチャイルドシートを前や後ろに設置するため、デザイン性はあまり高くなく生活感のある見た目になってしまいます。それぞれにメリットとデメリットがあるので、価格やデザインだけでなく用途に合わせてしっかり選んだ方が失敗がないのではないでしょうか。
最新の子乗せ電動アシスト自転車を試乗!
市場が飽和し売り上げが伸び悩む製品が少なくない中、今後の市場拡大が見込める製品として電動アシスト自転車は順調に売り上げを伸ばしています。特に子乗せタイプの市場は年々拡大し、過去6年で出荷台数は年率約17%の成長を遂げています(パナソニック調べ)。
各メーカーから、続々と新製品が発表されていますが先日、市場を牽引しているパナソニックも子乗せ電動アシスト自転車を発表。買い替えを検討している筆者が早速試乗してきました。
パナソニック
電動アシスト自転車
「ギュット・クルームR・EX」
希望小売価格161,800円(税別)
今回発表されたのは、「ギュット・クルームR・EX」。試乗してまず感じたのは、出だしのなめらかさです。筆者は同メーカーから以前に発売されたモデルに普段乗っていますが、これにはとても驚きました。従来型に比べ発進時のアシストの力が適度に抑えられているため、突然の加速で体がガクッと後方に反れることもありませんでした。また、ある程度スピードが出てからもペダルの踏み込みがとても自然で、あまり乗りなれていない人でも難なく乗りこなせる印象でした。アシストモードは3種類搭載されており、満充電の状態から、パワーモードは時速約50キロ、オートマチックモードは時速約60キロ、ロングモードは時速約80キロの走行が可能とのこと。
この自転車の最大の特徴は、ベビーカーなどを手がけるメーカー・コンビとタッグを組んで開発され、利便性だけでなく、子どもが乗った時の快適性を向上させているところです。特にチャイルドシートはこれまでの電動アシスト自転車では採用例のなかったサンシェードが標準装備されています。表面温度の上昇を抑え、頭部を包み込むようにして日差しをさえぎってくれるので、夏の炎天下における外出でも熱中症予防になり安心です。もちろんオプションで用意されたレインカバーに付け替えれば雨の日や雪の日でも対応できます。その他にも、チャイルドシートの背角度が、もし子どもが寝てしまっても倒れにくい角度に設計されていたり、汗や汚れが付きやすいヘッドカバーやベルトカバーが丸洗いできる素材を採用するなど細部にまで快適性を追求しています。
自分の周りの小さい子どもを育てている家庭に聞いてみると、今一番欲しいものは電動アシスト自転車という声をよく聞きます。今回取材して感じたのは、電動アシスト自転車は生活していく中で日々使用するものであり、暮らしも走りもアシストしてくれるその便利さを考えるとけして高い買い物ではないのではということです。近年、スポーツタイプも登場し始め、さらに選択の幅が広がり始めた電動アシスト自転車に今後も注目です。
問い合わせ/パナソニック