【新高円寺】パンさんぽ前編・うさぎ尽くしの本格派ベーカリーを訪問!

毎日の暮らしをちょっと幸せにしてくれるおいしいパン。「365日、パンのことで頭がいっぱい!」というライター・斎藤若菜さんが、地元の人に愛されるとっておきのベーカリーをめぐる連載が本日からスタート。第1回は「新高円寺」駅周辺で“パンさんぽ”を楽しみました。

突然ですが、みなさんはパンが好きですか? 筆者は以前からパンの食べ歩きが趣味で、仕事で移動の合間や休日のおでかけ、旅先などさまざまなシーンでパンを食べてきました。パン好きが高じ、パン教室にも通い始めた今日この頃。「このパン愛を叫びたい!」ということで、第1回となる今回は以前からどうしても行きたかったお店のある街へ向かいました。

後編はこちら「えび寿ベーグル」「ブーランジェリー エクラン」は新高円寺でマストバイの絶品パン

新高円寺ってどんなところ?

新高円寺駅1番出口は、「ベーカリー兎座LEPUS」と同じ青梅街道沿いにあります

今回訪れたのは、東京メトロ丸ノ内線「新高円寺」駅周辺。青梅街道と五日市街道がクロスするあたりに位置します。新宿駅から直通10分、JR中央・総武線の高円寺駅南口から徒歩10分程度で、アクセスしやすいエリアです。

古着屋やカフェなど新旧さまざまなショップが軒を連ねる「ルック商店街」

新高円寺駅の2番出口を出て横断歩道を渡れば「ルック商店街」が見えてきます。カフェやコーヒー専門店、そしてパン屋などの飲食店に加え、古着屋、雑貨店などが立ち並び、ウィンドウショッピングにぴったり! ルック商店街を抜けると、高円寺駅南口へと続く「高円寺パル商店街」につながります。
購入したパンを食べるなら、「高円寺南公園」あたりが便利でしょうか。歩くのが苦でなければ、隣の東高円寺駅前にある「蚕糸の森公園」へ足を延ばしてみて。春はお花見を、夏は滝を眺めながら涼を感じ、秋は紅葉を楽しめます。

「えび寿ベーグル」と「boulangerie ECLIN」は後編で紹介します

新高円寺駅周辺には個性豊かなパン屋さんが点在していますが、今回は筆者が個人的に気になる3つのお店をめぐりました。

うさぎの形をしたパンがいっぱい! 「ベーカリー兎座LEPUS」

まずは、2017年3月にオープンして以来、インターネットなどで話題を集めている「ベーカリー兎座LEPUS」へ。

オーナーの実家は群馬県桐生市にある老舗和菓子店ということで、のれんや手描きのポップなど、随所に和の趣を感じます
店頭には、開店2周年記念に友人が作ってくれたという、金のうさぎが佇んでいます
ジョエル・ロブションのスーシェフブランジェだったオーナーの東山伊織(写真左)さんと、群馬県桐生市で和菓子店を営んでいた父・東山正二さんが二人三脚で営業しています
ショーケースにずらりと並ぶパンは、うさぎ型の食パンやバンズのほか、オーソドックスなあんぱんからクロワッサン、カンパーニュまでバラエティ豊か

うさぎ型の食パンにバンズ、群馬県民のソウルフードも!

一番人気の「うさぎ食パン」は、生クリームとバターを練り込んだ生地を低温でじっくりと焼き上げ、しっとりとした口当たり。やや甘めの味わいです。取材後、持ち帰ったうさぎ食パンを食べてみたところ、そのまま食べればふわふわ食感を、焼けばカリカリの耳を楽しめました!
開店当初から話題となっていたため、当時は整理券を配布するほどの人気でしたが、現在は1日50本程度焼くことができるようになったため、以前ほど入手に苦労はしないそう。メール予約もできるため、お取り置きをしておけば確実に手に入れることができます。
焼き時間は、10時、11時、14時、16時の1日4回。ちなみに、うさぎ食パンをきれいにカットするには「冷めてから横にして切る」とよいそうです。

うさぎ食パンと並ぶ人気商品が「うさぎのバンズ」。イヤイヤ期の子どもがいる家庭でも、うさぎバンズにハンバーグをサンドしたり、うさぎ食パンに顔を描いたりすることで喜んで食べてくれると好評なのだとか。
うさぎの形のパン以外では、「クロワッサン」に力を入れているとのこと。中学生時代の職業体験学習で、クロワッサン作りを体験して以来、自宅でもよく焼いていたそうで、年季が違います!
外側はパリっと、中はしっとりと焼き上げるというジョエル・ロブション時代の教えを守りつつ、石臼で挽いた全粒粉を生地に少し加えることで、香ばしさをプラスしています。

形を維持するために低温・長時間で焼成した「うさぎ食パン」(400円)。確実にゲットしたい人は事前予約を
特注したといううさぎ食パンの型は、耳の尖っているタイプ(写真左)が初期の試作品。耳の部分が型から抜きづらかったため、現在の型(写真右)に。最初に作った型は現在、ラスク用のパンを焼く際に使用しているそうです
筆者のイチ押し、「うさぎのバンズ」(150円)。パンそのものの味も、具材を挟んでもおいしく、「あんバターうさバンズ」(230円)もおすすめ。取材中に5個注文する人もいるほど人気で、バターの塩気とあんこの甘みに黒胡麻が加わり、絶妙でした
群馬県民のソウルフード「焼きまんじゅう」をイメージした「上州胡麻みそウサギ」(200円)は、全粒粉100%の生地で胡麻みそをサンドしています。焼きまんじゅうが好きな人なら、きっと気に入る味!

うさぎ愛にあふれた店内

オーナーがうさぎ好きであることから、店頭や店内の商品、ディスプレイ、そして店名にも「うさぎ」の文字が! オーナーが小学生時代に飼育委員となり、うさぎの世話をしたことがきっかけで、うさぎに魅了されたそうです。群馬県の実家では実際にうさぎを飼っていたものの、都内に引っ越した現在はペット不可の物件に住んでいるため、飼うことができないのだとか。
しかし、うさぎ愛は健在! うさぎにまつわる聖地巡礼は欠かせないようで、店内の神棚には何やらお札がいっぱい。「これまで、浦和の調(つき)神社に京都の岡崎神社、鳥取の白兎神社、滋賀の三尾神社などに足を運びました。最近行きたいのは、新潟の光兎(こうさぎ)神社や、佐渡島の長谷寺にある巨大なウサギ観音ですね」と東山さん。

印象的だったのが、ひっきりなしに来店するお客さんの姿。プレゼント用にうさぎ食パンを予約する年配の女性や、「今日は〇〇ある? 〇枚に切っておいて!」と慣れた雰囲気で声をかける人の姿もありました。近隣にアニメスタジオがいくつもあるため、声優さんがパンを買いに来てくれることも多いとのこと。開店時間近くは遠方から来るお客さんも多く、SNSを見て、県外はもちろん、台湾や韓国からわざわざ訪れる人もいるそうです。

価格帯は一部商品を除き、100~200円台が中心。新宿など近隣のエリア相場と比較して抑えた価格を設定できるよう、意識しているとのこと。あふれるうさぎ愛と、確かな味、手に取りやすい価格。幅広い年齢層に愛される理由は、こんなところにもあるのかもしれません。

ベーカリー兎座LEPUS
住所:東京都杉並区梅里1-15-13
営業時間:10:00~19:00
定休日:月・火曜
公式ホームページ:http://bakery-lepus.hatenablog.com/

後編では、本場ニューヨークスタイルのベーグル専門店や、コンクール入賞のフランスパンがおいしい店をめぐります。お楽しみに!

後編はこちら「えび寿ベーグル」「ブーランジェリー エクラン」は新高円寺でマストバイの絶品パン

※営業時間や税抜き価格、パンの焼き時間など、記事内の情報は取材時点(2019年9月)のものです。変更される可能性がありますので、お出かけの際はホームページなどで最新情報を確認ください

(最終更新日:2020.11.17)
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